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君の想い人は自分ではない?
クラブ活動こそ自由に選ぼう
凶弾を受けたエディット・ベーベルシュタム伯爵令嬢は、ドレスの右肩が真っ赤に染まっているというのに、救急車で救急病院には運ばれてはいない。
彼女の親がその場にいたのだ。
彼女は学園の見学に来た親を俺に謁見させに案内してきたところで、ちょうどライフルか何かの反射を見つけて俺の盾になったそうだ。
わお!この世は女性の方が危機管理に優れているらしい。
いやいや、ふざけてはいけない。
俺に謁見しに来た親は命令口調で俺に車まで彼女を運ばせ、そのまま俺に何も言わずに猛スピードで親族経営の病院に駆け込んだのは、娘大事だったからで、俺が彼等の娘のドレスを破っての止血をしようとしたのを邪魔したかったわけでは無いだろう。
だが、向かった先は救急ではなく親族経営の個人病院!
結婚前の少女が銃創を受けたなどと下々の者に知られたくはないそうだが、貴族は娘の命よりも面子の方が大事かと再確認させられた思いだ。
そう、面子。
俺が婚約破棄をすれば、きっとイルヴァが弾劾されることだろう。
してもいない素行の悪さなど持ち出され、それが理由だと彼女だけが責められる事になるはずだ。
――クリストファー王子の気を惹こうと計画されたのです。
クリストファーとイルヴァが最近二人で行動しているのは知っている。
常に俺と一緒の行動でも、本当に常に一緒にいられるわけは無いのだ。
彼女にはクラブ活動があり、そのクラブにはクリストファーも在籍している。
俺は彼女のクラブ活動を直接見学するのはプライドが許さず、また、彼女にクリストファーと一緒にいるのが嫌だともいえなかった。
イルヴァは俺に向けるのとは違う表情をクリストファーに向け、俺だって守られるだけではなく、そんな体当たりの表情を受け止めたいと嫉妬ばかりが大きくなっていた。
「それかな。我知らず、イルヴァに当たっていたのかな。」
学園に入学してすぐ、俺は俺の為にこの学園に入学せざる得なかったイルヴァの事を考えて、クラブ選びの際には慎重に慎重を期したはずだった。
イルヴァと常に一緒にいたいが、彼女が俺の警護として俺の傍にいなければいけないという重荷を背負っているならば、せめてクラブ活動ぐらい彼女の好きなものを選んでもらいたいと考えての行動だ。
「イルヴァはどこにする?」
「ノア、あなたがお決めになって。」
婚約者として腕を組みながら、俺達は学園中のクラブを見学して歩いたが、イルヴァはこれといった興味をどこにも示してくれなかった。
彼女の目の煌きで俺が彼女の気持ちを読もうと意気込んでいたのに、その彼女の気持ちが読めないと俺はイライラもしていた。
俺は何度も言うが、まだ十七歳だし、入学したての当時なんか誕生日前の十五歳なんだよ?
「うわ。結婚したらそういう風になるの?あなたが全部お決めになって?君はそれでいいの?君は自分というものが無い人なの?」
十五歳な子供の俺の皮肉に対し、イルヴァは大人の女のようにして、ぎろりと俺を睨みつけた。
そして、ぐいっと顎を上げた。
「もしかして、クラブ活動は別々で、と考えていらっしゃる?」
「そんな事は無い。クラブと言うものは楽しむためにあるのだろう?俺は君も俺も楽しめる部がいいと考えたんだ。だから互いにわからないように申し込んでね、そこで、お互いが同じものを好んでいたら、それこそラッキーじゃないかな?」
くすっとイルヴァは笑った。
きっと誰も気が付いていないと思うが、アイスドールと呼ばれるぐらいに気位が高く見える彼女が笑うと、それはもう、甘いジェラートドールとなるのだ。
俺が大好きなチョコレートとカシスの二種乗せって感じだ。
「うふ。良くてよ。では、クラブの申込書はお互いに内緒で記入して提出しましょう。別々になってしまったら、ええと。」
「君が見えない俺の警護者は学園中にいるよ。」
「そう、ね。素人な私は邪魔なだけね。」
イルヴァの頬がその時ピクリと痙攣して見えたのは、俺の心が見せた錯覚か?
彼女が俺を守るのは俺と一緒にいる理由、だからだと思い込めるじゃないか。
そんな欺瞞な思い込みなど翌日には粉々にされたがな。
俺とイルヴァは、互いに全く想定外のクラブに加入していた。
彼女の親がその場にいたのだ。
彼女は学園の見学に来た親を俺に謁見させに案内してきたところで、ちょうどライフルか何かの反射を見つけて俺の盾になったそうだ。
わお!この世は女性の方が危機管理に優れているらしい。
いやいや、ふざけてはいけない。
俺に謁見しに来た親は命令口調で俺に車まで彼女を運ばせ、そのまま俺に何も言わずに猛スピードで親族経営の病院に駆け込んだのは、娘大事だったからで、俺が彼等の娘のドレスを破っての止血をしようとしたのを邪魔したかったわけでは無いだろう。
だが、向かった先は救急ではなく親族経営の個人病院!
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そう、面子。
俺が婚約破棄をすれば、きっとイルヴァが弾劾されることだろう。
してもいない素行の悪さなど持ち出され、それが理由だと彼女だけが責められる事になるはずだ。
――クリストファー王子の気を惹こうと計画されたのです。
クリストファーとイルヴァが最近二人で行動しているのは知っている。
常に俺と一緒の行動でも、本当に常に一緒にいられるわけは無いのだ。
彼女にはクラブ活動があり、そのクラブにはクリストファーも在籍している。
俺は彼女のクラブ活動を直接見学するのはプライドが許さず、また、彼女にクリストファーと一緒にいるのが嫌だともいえなかった。
イルヴァは俺に向けるのとは違う表情をクリストファーに向け、俺だって守られるだけではなく、そんな体当たりの表情を受け止めたいと嫉妬ばかりが大きくなっていた。
「それかな。我知らず、イルヴァに当たっていたのかな。」
学園に入学してすぐ、俺は俺の為にこの学園に入学せざる得なかったイルヴァの事を考えて、クラブ選びの際には慎重に慎重を期したはずだった。
イルヴァと常に一緒にいたいが、彼女が俺の警護として俺の傍にいなければいけないという重荷を背負っているならば、せめてクラブ活動ぐらい彼女の好きなものを選んでもらいたいと考えての行動だ。
「イルヴァはどこにする?」
「ノア、あなたがお決めになって。」
婚約者として腕を組みながら、俺達は学園中のクラブを見学して歩いたが、イルヴァはこれといった興味をどこにも示してくれなかった。
彼女の目の煌きで俺が彼女の気持ちを読もうと意気込んでいたのに、その彼女の気持ちが読めないと俺はイライラもしていた。
俺は何度も言うが、まだ十七歳だし、入学したての当時なんか誕生日前の十五歳なんだよ?
「うわ。結婚したらそういう風になるの?あなたが全部お決めになって?君はそれでいいの?君は自分というものが無い人なの?」
十五歳な子供の俺の皮肉に対し、イルヴァは大人の女のようにして、ぎろりと俺を睨みつけた。
そして、ぐいっと顎を上げた。
「もしかして、クラブ活動は別々で、と考えていらっしゃる?」
「そんな事は無い。クラブと言うものは楽しむためにあるのだろう?俺は君も俺も楽しめる部がいいと考えたんだ。だから互いにわからないように申し込んでね、そこで、お互いが同じものを好んでいたら、それこそラッキーじゃないかな?」
くすっとイルヴァは笑った。
きっと誰も気が付いていないと思うが、アイスドールと呼ばれるぐらいに気位が高く見える彼女が笑うと、それはもう、甘いジェラートドールとなるのだ。
俺が大好きなチョコレートとカシスの二種乗せって感じだ。
「うふ。良くてよ。では、クラブの申込書はお互いに内緒で記入して提出しましょう。別々になってしまったら、ええと。」
「君が見えない俺の警護者は学園中にいるよ。」
「そう、ね。素人な私は邪魔なだけね。」
イルヴァの頬がその時ピクリと痙攣して見えたのは、俺の心が見せた錯覚か?
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