我らが行くはガチャポンな戦場

蔵前

文字の大きさ
2 / 17
世界はとっても混沌中

女子高生姿は私の趣味じゃないわよ!

しおりを挟む
 怪人は人間を騙すために人間界では仮の姿を纏うものだ。
 大体さ、完全なる姿にメタモルフォーゼすると、私の羽の鱗粉は炎を生んでしまうからにして、本当の姿で戦闘すれば無駄な大火を発生させてしまうことになるじゃないの。

 それに、大丈夫よ。
 人型を取っていても、私の中身は怪獣だもの。
 肉体強化している戦闘員でも、数人くらいは簡単に倒す事が出来るのだ。

 あら、もう一人が前に出て来た。
 私は勇敢なその兵隊の足を払い、大きく腕を振り払って喉元に当てようとしたが、私の獲物は、いいや、私の周りに残っていた戦闘員達は、なんと!一時に木の葉のように宙に舞ってしまった。

 正義のヒーローのご登場である。

 オレンジ色のツナギ姿にも見える全身オレンジの怪人。

 つるっとした硬質の人型に赤と黒でそれなりに格好よくはペイントされているが、私は変身後の彼を何度見ても黄色スズメバチの連想しかできない。

「姫!助けに参りましたぞ!」

「姫じゃないし。いるんだったら私を襲う前に潰しておいてよ。」

「美少女を助ける、というシチェーションがないと、こっちもやる気が起きないよ。ああ、俺はどうしてあの日捕まったそこで、かのバルタザール閣下の靴の底を舐めなかったんだろう。」

「私の仮の姿構築に夢中だったからでしょう。」

 オレンジ色のヒーローはクスッと笑い声をあげた。
 私の仮の姿の外見がどんなかというと、身長はあまり高すぎない158センチで、毛先だけ巻いている真っ黒な長い髪は腰まであり、人形のようなと形容したい美しい顔立ちの大きな目はアーモンド形で、ちょっと気の強そうな、というお嬢様風美少女である。

 そして言い訳をさせてもらえば、私の仮の姿の構築には私の意見など一切入ってはいない。

 正義のヒーローという肩書を持つ葉桜雷光はざくららいこうが、自分の趣味一直線で作り上げてくれたというものなのだ。

 私はその時生み出されたばかりで、複雑な機械の使い方などわからないのだから仕方が無い。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

三十年後に届いた白い手紙

RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。 彼は最後まで、何も語らなかった。 その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。 戴冠舞踏会の夜。 公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。 それは復讐でも、告発でもない。 三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、 「渡されなかった約束」のための手紙だった。 沈黙のまま命を捨てた男と、 三十年、ただ待ち続けた女。 そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。 これは、 遅れて届いた手紙が、 人生と運命を静かに書き換えていく物語。

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~

菱沼あゆ
キャラ文芸
 突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。  洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。  天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。  洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。  中華後宮ラブコメディ。

さようなら婚約者

あんど もあ
ファンタジー
アンジュは、五年間虐げられた婚約者から婚約破棄を告げられる。翌日、カバン一つを持って五年住んだ婚約者の家を去るアンジュ。一方、婚約者は…。

【1話完結】あなたの恋人は毎夜わたしのベッドで寝てますよ。

ariya
ファンタジー
ソフィア・ラテットは、婚約者アレックスから疎まれていた。 彼の傍らには、いつも愛らしい恋人リリアンヌ。 婚約者の立場として注意しても、アレックスは聞く耳を持たない。 そして迎えた学園卒業パーティー。 ソフィアは公衆の面前で婚約破棄を言い渡される。 ガッツポーズを決めるリリアンヌ。 そのままアレックスに飛び込むかと思いきや―― 彼女が抱きついた先は、ソフィアだった。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

老聖女の政略結婚

那珂田かな
ファンタジー
エルダリス前国王の長女として生まれ、半世紀ものあいだ「聖女」として太陽神ソレイユに仕えてきたセラ。 六十歳となり、ついに若き姪へと聖女の座を譲り、静かな余生を送るはずだった。 しかし式典後、甥である皇太子から持ち込まれたのは――二十歳の隣国王との政略結婚の話。 相手は内乱終結直後のカルディア王、エドモンド。王家の威信回復と政権安定のため、彼には強力な後ろ盾が必要だという。 子も産めない年齢の自分がなぜ王妃に? 迷いと不安、そして少しの笑いを胸に、セラは決断する。 穏やかな余生か、嵐の老後か―― 四十歳差の政略婚から始まる、波乱の日々が幕を開ける。

義務ですもの。

あんど もあ
ファンタジー
貴族令嬢の義務として親の決めた相手に嫁いだが、夫には愛する人がいた。夫にないがしろにされても、妻として母として嫁としての義務を果たして誠実に生きたヒロインの掴んだ、ちょっと歪んだ幸せとは。

処理中です...