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おまけな章 蝶子様だって愛していた!
待ち合わせと総括
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私は私に呼び出された二人の男を見回した。
男達は私に対して目線を合わせないようにしており、昔飼った犬が叱られると見れば耳を後ろに倒してそっぽを向くという行動を取った事を様々と思い出させた。
そのせいで彼らへの不甲斐ないと思う気持ちは薄れ、彼等こそ失恋したばかりなのだという同士の気持ちが湧いた。
私は兄九曜と自分の想い人が行きつく先まで行きつこうとしていると見るや、最終手段として、想い人の親友の出現というカードを切ったのだ。
ところがそれは遅すぎた。
あの格好だけの男が手軽なラブホに入ってしまうとは計算外だったのは仕方が無いが、私の目の前にいる男達が出現してみせた時には、悲しい事に、私達の想い人がしっかりと兄に喰われた後だったのである。
完全な相思相愛になってしまうとは、とほほ、だぞ?
日向空はその名の通り、日向で転がっている猫のように可愛らしく、誰の心も温かくさせる雰囲気のある男の子だ。
黒目勝ちの大きな目は真ん丸いのでは無くて猫のようで、真っ黒い髪だが全然ベタっとしておらず、それは絹のようにさらっとしている。
しかし、体つきは兄が言っていた通りにスポーツをしていたような筋肉のある締まっているもので、身長だって175センチはあるし、つまり、何が言いたいかというと、彼は私好みの美青年だったという事だ!
畜生!兄にスマホ画像を知られたばっかりに!
兄妹で同じ子を好きになっていたなんて知らないよ!
「お疲れ!あたしの情報も後手後手のものだったからね、失敗は仕方が無いさ。今晩は一緒に泣こうか?あたしら全員失恋組だろ?」
がばっと顔を上げてまず私を見返してきた男は、 桜井健吾。
190はあろうかという上背に見合ったごつごつとした輪郭に筋肉質の体つきだが、男らしと言えるその真っ直ぐな鼻と高い頬骨が彼を凛々しくも見せているというそれなりな見栄えのする男だ。
今は私の追及をかわしたい、という事が見え見えの、目玉をぎょろぎょろ動かしての小物同然の醜態だがな!
「さくらい、くん?何か困った事があったのかなあ?」
「何も言うなよ!」
私は桜井の隣に座っていた、 桃園篤を見返した。
彼は自分こそが白状したと、両手を口に当ててあわあわしている。
桃園も桜井と同じような体格をしていて、後ろ姿は兄弟か何かのようにそっくりだが、桃園の顔は桜井よりも無骨さが増している。
しかし、表情が桜井よりも豊かなため、デカい男のくせに悪戯坊主という表現がぴったりな雰囲気になるのである。
彼等は空くんの高校時代の親友で、格さん助さん的に空くんを黄門様のようにして守っていたという、空くんファンクラブの会員一号と二号だ。
「何が?教えて欲しいな、ももぞの、くん?」
「ああ!蝶子さんもいる!酷いや!俺は仲間外れだったの?」
険悪になりかけた私達三人は、空くんの叫びにより、再び友好関係と同盟を結び直した、かも!
空くんに嫌われちゃあいけない!!
男達は私に対して目線を合わせないようにしており、昔飼った犬が叱られると見れば耳を後ろに倒してそっぽを向くという行動を取った事を様々と思い出させた。
そのせいで彼らへの不甲斐ないと思う気持ちは薄れ、彼等こそ失恋したばかりなのだという同士の気持ちが湧いた。
私は兄九曜と自分の想い人が行きつく先まで行きつこうとしていると見るや、最終手段として、想い人の親友の出現というカードを切ったのだ。
ところがそれは遅すぎた。
あの格好だけの男が手軽なラブホに入ってしまうとは計算外だったのは仕方が無いが、私の目の前にいる男達が出現してみせた時には、悲しい事に、私達の想い人がしっかりと兄に喰われた後だったのである。
完全な相思相愛になってしまうとは、とほほ、だぞ?
日向空はその名の通り、日向で転がっている猫のように可愛らしく、誰の心も温かくさせる雰囲気のある男の子だ。
黒目勝ちの大きな目は真ん丸いのでは無くて猫のようで、真っ黒い髪だが全然ベタっとしておらず、それは絹のようにさらっとしている。
しかし、体つきは兄が言っていた通りにスポーツをしていたような筋肉のある締まっているもので、身長だって175センチはあるし、つまり、何が言いたいかというと、彼は私好みの美青年だったという事だ!
畜生!兄にスマホ画像を知られたばっかりに!
兄妹で同じ子を好きになっていたなんて知らないよ!
「お疲れ!あたしの情報も後手後手のものだったからね、失敗は仕方が無いさ。今晩は一緒に泣こうか?あたしら全員失恋組だろ?」
がばっと顔を上げてまず私を見返してきた男は、 桜井健吾。
190はあろうかという上背に見合ったごつごつとした輪郭に筋肉質の体つきだが、男らしと言えるその真っ直ぐな鼻と高い頬骨が彼を凛々しくも見せているというそれなりな見栄えのする男だ。
今は私の追及をかわしたい、という事が見え見えの、目玉をぎょろぎょろ動かしての小物同然の醜態だがな!
「さくらい、くん?何か困った事があったのかなあ?」
「何も言うなよ!」
私は桜井の隣に座っていた、 桃園篤を見返した。
彼は自分こそが白状したと、両手を口に当ててあわあわしている。
桃園も桜井と同じような体格をしていて、後ろ姿は兄弟か何かのようにそっくりだが、桃園の顔は桜井よりも無骨さが増している。
しかし、表情が桜井よりも豊かなため、デカい男のくせに悪戯坊主という表現がぴったりな雰囲気になるのである。
彼等は空くんの高校時代の親友で、格さん助さん的に空くんを黄門様のようにして守っていたという、空くんファンクラブの会員一号と二号だ。
「何が?教えて欲しいな、ももぞの、くん?」
「ああ!蝶子さんもいる!酷いや!俺は仲間外れだったの?」
険悪になりかけた私達三人は、空くんの叫びにより、再び友好関係と同盟を結び直した、かも!
空くんに嫌われちゃあいけない!!
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