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新生活な二人の章
君のすべてを自分だけのものにしたい
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九曜の舌は俺に快楽を与えるいつもの舌では無かった。
俺を奪おうとしていた。
俺から俺の魂を引き摺りだそうとしていた。
そして俺も九曜を喰ってしまう勢いだった。
彼の髪をむしる勢いで両手で彼の髪を撫で、わやくちゃにしながら、彼の舌を吸い、彼の奥へと舌を突き出して彼を探った。
俺達は何をしているのか。
普段だったらここで、愛している、の一言二言を囁き合うはずだろう?
俺は九曜の下唇を甘噛みした。
九曜は仕返しのようにして、俺から唇を剥がすと俺の左耳の下という腰が抜けるぐらいに感じる場所を大きく舐めた。
俺は九曜にしがみ付くしかなかったが、俺こそ九曜の首筋に舌を這わせた。
「はあ。」
九曜は大きく吐息を吐くと、俺の両肩を両手で掴んでその長い腕で遠ざけた。
チン。
エレベーターのドアが開いた。
目の前には同じ階で見知っている住人が立っている。
俺達は互いに顔を背けながら同じ歩幅でエレベータを降り、横に並びながら同じ歩幅と言うには早すぎる足の運びで俺達の部屋の前にまで歩いた。
かちゃ。
鍵を持った俺達の手が同時に当たり、どちらの鍵も鍵穴に入らなかった。
ただし、触れ合った互いの手の甲は温かく、俺はそれだけでぞくっと腰の当たりにおかしな刺激が走った。
俺は九曜の手の熱を感じながら、俺の鍵を鍵穴に滑り込ませた。
かちゃ。
開錠だ。
開場か?
俺達は抱き合っていた。
唇を重ね合い、俺が開錠したドアを九曜が大きく開いた。
ドアは閉まる。
鍵も閉められた。
俺のシャツの下に冷たい手が滑り込んだ。
俺の手だって活動している。
九曜のベストのボタンを外し、彼のシャツの中に両手を滑り込ませた。
手の平に感じる温かい胸。
俺の手のひらの中で彼の乳首が固くとがった。
多分、俺の乳首も彼の手のひらの下で同じようになっているはずだ。
「くっ。」
指先で摘ままれて、俺は喘いだ。
唇が欲しい。
唇にではなく、尖った俺の乳首の先に、だ。
声を失っている俺達は、自分がして欲しいを事を訴えるようにして互いを脱がせながら舐め合い吸い合っていった。
玄関入ったばかりの廊下の床の上で!
「ベッドが良いな。」
「それは俺の膝が痛そうで可哀想だからか?」
「俺の腰が可哀想になりそうだからだよ。」
わあ!
九曜が俺を抱き上げた?
「ま、待って、お前の腰がどうにかなるだろう?下ろせって。」
「それだ!」
九曜は叫ぶと、俺を下ろしはしなかったが動きを止めた。
俺はどうした事かと彼を見返すと、思いつめたような九曜の瞳と出会った。
俺は右手を彼の左頬に添えた。
「どうしたんだ?俺はお前に何かしたのか?教えてくれよ。俺は馬鹿だから言って貰えないとわからないんだよ。」
そう、言って貰えないと分からないんだ。
父が自殺するまで追い込まれていた事なんか気が付かなかった息子なんだよ。
九曜は唇を震わせて、俺が思いがけなかった台詞を呟いた。
「君は俺の前では辛くなっていない。」
「当たり前だろ。お前がいれば幸せなんだ。」
「それでも、君は辛かった君がいるはずだ。あいつの前では君は涙を零したのに、俺にはその涙を零す君を与えてくれない。君は俺だけのものだ。君の涙も悲しみも俺だけのものなんだ。」
俺は笑うしかない。
こんな泣かせる台詞を吐いて来るとは、なんて馬鹿な男なんだ。
俺の愛したこの男は!
両腕を九曜の首に絡め、九曜の耳に囁いた。
「ベッドに連れていけ。お前の足腰なんか知った事か。」
「そら。」
「俺はさ、あいつの言葉で思い出したんだ。父さんが死んでからね、母さんと心から笑い合ったり喧嘩したりしていなかったなって。だからさ、母さんに申し訳ないって思ったら涙が出たんだ。それだけだよ。」
「そら。」
「だからさ。俺は後悔しないように、決めた。お前の前では我儘一辺倒でいく。さあ、俺をベッドに運べ。」
九曜は俺からほんの少し顔を背けて、泣き笑いに聞こえる様な笑い声を立てた。
それから俺に顔を戻すと、嫌だ、と言った。
言っただけじゃない、俺を床に下ろしたのだ。
急すぎて俺が彼に抱きついてしまうぐらいに、簡単に、あっけなく。
「あっぶないじゃないか!」
「俺に遠慮するなって言ったのは君だろう!君をしっかり抱く前に俺の足腰が台無しになったら困るものね。」
「ハハハ。そうだよ、そうしてくれ。俺達はそうでないと。」
俺は九曜の唇に唇を重ねた。
俺が弦の前で泣いたから怒っていた?
俺が泣く暇もないぐらいに九曜は俺を幸せにしてくれているだけなのにな。
「早くベッドに行こう。せっかくのヤクザルックだ。今夜は激しいのを頼むよ。」
俺を奪おうとしていた。
俺から俺の魂を引き摺りだそうとしていた。
そして俺も九曜を喰ってしまう勢いだった。
彼の髪をむしる勢いで両手で彼の髪を撫で、わやくちゃにしながら、彼の舌を吸い、彼の奥へと舌を突き出して彼を探った。
俺達は何をしているのか。
普段だったらここで、愛している、の一言二言を囁き合うはずだろう?
俺は九曜の下唇を甘噛みした。
九曜は仕返しのようにして、俺から唇を剥がすと俺の左耳の下という腰が抜けるぐらいに感じる場所を大きく舐めた。
俺は九曜にしがみ付くしかなかったが、俺こそ九曜の首筋に舌を這わせた。
「はあ。」
九曜は大きく吐息を吐くと、俺の両肩を両手で掴んでその長い腕で遠ざけた。
チン。
エレベーターのドアが開いた。
目の前には同じ階で見知っている住人が立っている。
俺達は互いに顔を背けながら同じ歩幅でエレベータを降り、横に並びながら同じ歩幅と言うには早すぎる足の運びで俺達の部屋の前にまで歩いた。
かちゃ。
鍵を持った俺達の手が同時に当たり、どちらの鍵も鍵穴に入らなかった。
ただし、触れ合った互いの手の甲は温かく、俺はそれだけでぞくっと腰の当たりにおかしな刺激が走った。
俺は九曜の手の熱を感じながら、俺の鍵を鍵穴に滑り込ませた。
かちゃ。
開錠だ。
開場か?
俺達は抱き合っていた。
唇を重ね合い、俺が開錠したドアを九曜が大きく開いた。
ドアは閉まる。
鍵も閉められた。
俺のシャツの下に冷たい手が滑り込んだ。
俺の手だって活動している。
九曜のベストのボタンを外し、彼のシャツの中に両手を滑り込ませた。
手の平に感じる温かい胸。
俺の手のひらの中で彼の乳首が固くとがった。
多分、俺の乳首も彼の手のひらの下で同じようになっているはずだ。
「くっ。」
指先で摘ままれて、俺は喘いだ。
唇が欲しい。
唇にではなく、尖った俺の乳首の先に、だ。
声を失っている俺達は、自分がして欲しいを事を訴えるようにして互いを脱がせながら舐め合い吸い合っていった。
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「それは俺の膝が痛そうで可哀想だからか?」
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わあ!
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「ま、待って、お前の腰がどうにかなるだろう?下ろせって。」
「それだ!」
九曜は叫ぶと、俺を下ろしはしなかったが動きを止めた。
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「どうしたんだ?俺はお前に何かしたのか?教えてくれよ。俺は馬鹿だから言って貰えないとわからないんだよ。」
そう、言って貰えないと分からないんだ。
父が自殺するまで追い込まれていた事なんか気が付かなかった息子なんだよ。
九曜は唇を震わせて、俺が思いがけなかった台詞を呟いた。
「君は俺の前では辛くなっていない。」
「当たり前だろ。お前がいれば幸せなんだ。」
「それでも、君は辛かった君がいるはずだ。あいつの前では君は涙を零したのに、俺にはその涙を零す君を与えてくれない。君は俺だけのものだ。君の涙も悲しみも俺だけのものなんだ。」
俺は笑うしかない。
こんな泣かせる台詞を吐いて来るとは、なんて馬鹿な男なんだ。
俺の愛したこの男は!
両腕を九曜の首に絡め、九曜の耳に囁いた。
「ベッドに連れていけ。お前の足腰なんか知った事か。」
「そら。」
「俺はさ、あいつの言葉で思い出したんだ。父さんが死んでからね、母さんと心から笑い合ったり喧嘩したりしていなかったなって。だからさ、母さんに申し訳ないって思ったら涙が出たんだ。それだけだよ。」
「そら。」
「だからさ。俺は後悔しないように、決めた。お前の前では我儘一辺倒でいく。さあ、俺をベッドに運べ。」
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それから俺に顔を戻すと、嫌だ、と言った。
言っただけじゃない、俺を床に下ろしたのだ。
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「あっぶないじゃないか!」
「俺に遠慮するなって言ったのは君だろう!君をしっかり抱く前に俺の足腰が台無しになったら困るものね。」
「ハハハ。そうだよ、そうしてくれ。俺達はそうでないと。」
俺は九曜の唇に唇を重ねた。
俺が弦の前で泣いたから怒っていた?
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