バグゲームからの異世界召喚

ザマァズキ

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2日目

第40話 鑑定料とルーペ

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(フランク)
「そこまで上がっているとは
 思ってもいませんでした」

(シオン)
「観て貰った事は無いのか?」

(フランク)
「一度観てもらおうと冒険者ギルドに
 行ったんですが、高くて諦めました」

(タートレー)
「シオンちゃんは自分で出来るから
 わからないのかも知れないけど
 あんまり見れる人いないからねぇ。
 それに知名度が無ければ、
 その数値も信用できないし」

(シオン)
「そういや、
 ムストラさんがそんな事言ってたな」

(タートレー)
「そう!
 ウチはお義父さんが見られるからね。
 来てくれた時に見てもらってるよ」

(シオン)
「そんなに高いのか?」

(タートレー)
「そうさねぇ、
 相場は5千くらいかい?」

(リアード)
「それはここら辺での相場だろ?
 親父が王都の冒険者ギルドで働いてた時は
 2万だったらしいが……」

 ここら辺。
 エアロポロリス村は辺鄙な村である。
 よって、5千メタルで出来るのは
 ド田舎ということだ。

(フランク)
「確かに王都の冒険者ギルドでは
 2万メタルでした」

(タートレー)
「信用度の高さに比例して
 料金も高くなるのは
 どこのギルドも一緒みたいだねぇ……」

(シオン)
「てことは、傭兵ギルドも高いのか?」

(リアード)
「高かったよ。
 でも、傭兵ギルドで鑑定を依頼するのは
 傭兵じゃないからね」

(シオン)
「んじゃ誰が?」

(タートレー)
「傭兵を雇う依頼主さ。
 その傭兵に務まるか、信用に値するかを
 鑑定してもらうのさ」

(シオン)
「信用に値するかってなんだ?」

(タートレー)
「これは傭兵の恥さらしだからねぇ。
 あまり言いたか無いんだが……、
 雇い主から窃盗するバカや
 護衛任務なのに魔物に襲われても助けず、
 それどころか持ち物奪うバカが居てね」

(フランク)
「それギルドは何もしないんですか?」

(リアード)
「証拠が無いからギルドも動けないんだ。
 でも、そういう行動は
 称号にちゃんと記されるから
 次の鑑定でバレて捕縛される」

(タートレー)
「なぁ? バカだろぅ?」

(フランク)
「うーん。
 でもそれは鑑定師も
 仲間の場合はバレないですよね?」

(リアード)
「よく気付いたね。
 そう、一度同じ事を考えた輩がいてね。
 何度も依頼を失敗している上、
 悪い噂もあったパーティーが
 何度鑑定しても結果は問題なし。
 流石にギルドも怪しんで
 他ギルドの鑑定師に
 その鑑定師を観てもらった所、
 詐欺師の称号が付いている事が発覚して、
 即刻捕縛。
 例のパーティーも全員捕まったよ。
 それからは定期的に鑑定師の鑑定を
 他ギルドに依頼するようになったんだ」

(シオン)
「鑑定出来る奴が少ないってのは
 厄介なんだな」 

(リアード)
「鑑定師が増えればいいんだけど、
 こればっかりはね。
 魔操術も難しいけど、
 精神魔法は理解しにくいんだ」

(シオン)
「もっと簡単に増やせりゃいいのにな」

 ……

(シオン)
「え! マジか!?」

 突如独り言を始めるシオン。
 最適さんと会話中なのだが、
 知っていている者でも、
 そうだと認識するのには
 少し間がいるものだ。

(シオン)
「へぇ~、どうやって?」

 ……

(シオン)
「なるほどな。
 よし、やってみっか」

 最適さんとの会話を終えたようだ。
 シオンは導具鞄から魔金貨を
 一枚取り出し手で握れるサイズに千切った。
 
 金は金属の中でも柔らかい方をとはいえ
 普通は無理である。
 
 勿論、[鉱状]などのスキルは使っていない。
 筋力に寄るものだ。

 千切った魔金貨の欠片を
 [ファイア]を使い熱し始める。

 魔金貨の欠片が白く光るほどに高温なので
 クロエ以外はまともに見れていないが、
 熱している間、さも当たり前の様に
 手で掴んでいる。

 暫く熱し[ファイア]を止め、
 まるで飴細工の様に
 その手で形状を変えていく。

※良い子は真似しないでね。

(シオン)
「こんなもんか」

 出来上がった物は
 紙が貼られていない
 金魚すくいのポイのようだ。
 10cmくらいのが4つ。

(リアード)
「[鉱状]を使わず、
 炉も無しに加工するとは凄いな。
 それで何を作ったんだい?」

 リアードが、冷めた加工品を手に取り
 シオンに聞く。

(シオン)
「ルーペだ」

(リアード)
「ルーペ……ではレンズもこれから?」

(シオン)
「いやレンズは作らねぇ。
 必要ねぇしな」

(リアード)
「必要ない?
 まぁ、シオン君の事だから
 ただのルーペじゃないんだろうが」

(シオン)
「最適さんがいいスキルを
 教えてくれてな。
 [能力贈与]アビリティ・ギフト

 [能力贈与]は新たに得たスキルだ。

 白い煙を包んだシャボン玉がシオンの
 手から出るとフワフワと飛んでいき、
 リアードが持っているルーペに
 吸い込まれていく。

(リアード)
「今のは一体……」

(シオン)
「リアードさん。
 そのルーペで俺を観てくれ」

 言われるがままルーペを翳し、
 シオンを見る。
 
(リアード)
「これは、まさか……」

 翳したルーペを外し、
 見比べている。

(シオン)
「見えてるか?」

 リアードに向かって手を振るう。

(リアード)
「あぁ、見える……。
 いやはや800万か、凄いな」

 そう、リアードの眼には
 シオンのステータスが開示されていた。

 だが、他の者には何をしているのか
 わからない。
 頭上に「?」を浮かべた状態だ。

(シオン)
「見えたか?
 じゃ、成功だな」

(ファル)
「旦那様?
 それは何なのです?」

(シオン)
「これか?
 これはステータス開示のルーペだ。
 これを使えば誰でも
 ステータスを観る事が出来るハズだ」

(タートレー)
「な!?
 それは本当かい!?」

 タートレーがテーブルにあった
 ルーペを手に取り覗きこむが、

(タートレー)
「何も見えないよ?」

(シオン)
「そりゃそうだろ。
 まだリアードさんが持ってるのにしか
 効果はないさ。
 今他のにも付けるから待ってくれ」

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