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■フェーズ:017『ラブラブ★タペワム』
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Title:『ラブラブ★タペワム』
「これが、いま流行りのラブラブ……タペワム?
こんなので本当に効果あんのかな……。」
1ヶ月で劇的ダイエット!
効果がなければ全額返金!
お友達紹介キャンペーン実施中!
おひとり様ご紹介ごとに10万円プレゼント!
まずはお試しください!
そんな謳い文句につられた私の手元に届いたのは、
風邪薬を彷彿とさせるただのカプセルだった。
「ま……無駄に期待せずに試してみるか。」
月々の支払いは10万円。
有名海外セレブも御用達。
厚生労働省より正式に治療薬として認可。
本当なんだか嘘なんだか疑わしい文言が、
マニュアルにズラリと並んでいるけれど、
私にはどうしても痩せたい理由があった。
「お見合いパーティーまでに痩せないと、
せっかく買ったドレスが着れなくなっちゃう……。
それに……大企業の御曹司が来るって噂だから、
本気で勝負しないと……。」
ダイエットと美容に給料の全てを注ぎ、
セレブ婚を望む友人達と臨む決戦の場。
私は高校からの親友である奈津美と恵子に
負けたくないという一心で、
この『ラブラブ★タペワム』に賭けたのだ。
「カプセルを飲んで、
およそ2週間で効果が出るんだ……。
で……特に何もしなくていいの?
うーん……胡散臭いことこの上なしね。」
ぶつぶつと文句を零しつつ、
カプセルを口に放り込む。
だが――私が抱いていた疑念は、
たった1週間で消し飛んでしまった。
「……痩せてる。」
やつれることなく体重が減る。
その感激と実感は日を重ねるごとに増し、
私の体を愛されボディへと変化させてくれた。
しかし、更に数日経過した頃――。
「うぅっ……頭がクラクラする。」
私は強烈な空腹感と目眩に襲われ、
立っているのもやっとという状態になっていた。
「おぶっ……うぷっ。
これ……まさかラブラブ★タペワムの副作用?」
吐き気と倦怠感が押し寄せる中、
私はある都市伝説を思い出していた。
それは、痩せる薬と称して渡されたのは、
胃の中で繁殖するゴキの卵だったという話だ。
「とにかく……お医者さんに行かなくちゃ。」
ふらつく足に力を入れ、最寄の大学病院へと急ぐ。
私は担当医にラブラブ★タペワムを服用したことを告げ、
ここ数日の状態を説明した。
瞬間――。
「おぼろぉっ! うげげぇっ!」
私は吐き気を堪えきれなくなり、
処置室の床に吐しゃ物を撒き散らした。
「ず……ずびばせん、ずっと……こんな調子で。」
涙と鼻水にまみれながら謝り、頭をさげる。
と、その時――私は自分の唇の端に、
紐のような物体がぶら下がっていることに気づいた。
「えっ? 何……?」
「キルキルキルゥゥゥ……。」
細長くて眼のない芋虫。
例えるならそんな形状の生物が呻き声をあげた。
「いやああぁっ! 先生っ! 先生!
な……なんなんですか、これは!」
「ラブラブ★タペワムですね。」
「……へっ!?」
パニックに陥る私とは対照的に、
担当医がニコニコ顔で答える。
「厚労省が認可しているんで、
最近、頻繁に見るんですよね。
どうします? 切除されますか?」
「は……はい! ひゃやく! すぐに!」
汚れた衣服のままで、担当医にすがる。
すると、ベテランの風格をまとったその医師は、
ラブラブ★タペワムを手に取り、
残念そうに目をしばたかせた。
「一度、切除すると……今後二度と、
ラブラブ★タペワムを服用できなくなりますが、
それでも構いませんか?」
「……二度と?」
「ええ……。
こいつは確かに不気味ですが人畜無害。
寄生虫を使ったダイエットというのは、
海外では珍しい話じゃあないんですよ?
まぁ……月々の支払いのことも考えると、
一般人には、なかなか厳しいですがね……。」
順調に痩せられたこと、
間近に迫っているパーティーのこと、
『二度と』という制約が私を悩ませる。
「さぁ、どうします?」
「切除……しません。」
担当医に聞かれ、
私は私のラブラブ★タペワムを手で包み込み――。
「おごふっ……おぶっ……ごぼえっ。」
飲み込んだ。
そして、支払いの問題を解決する為に
奈津美と恵子に電話をかけた。
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Title:『ラブラブ★タペワム』
「これが、いま流行りのラブラブ……タペワム?
こんなので本当に効果あんのかな……。」
1ヶ月で劇的ダイエット!
効果がなければ全額返金!
お友達紹介キャンペーン実施中!
おひとり様ご紹介ごとに10万円プレゼント!
まずはお試しください!
そんな謳い文句につられた私の手元に届いたのは、
風邪薬を彷彿とさせるただのカプセルだった。
「ま……無駄に期待せずに試してみるか。」
月々の支払いは10万円。
有名海外セレブも御用達。
厚生労働省より正式に治療薬として認可。
本当なんだか嘘なんだか疑わしい文言が、
マニュアルにズラリと並んでいるけれど、
私にはどうしても痩せたい理由があった。
「お見合いパーティーまでに痩せないと、
せっかく買ったドレスが着れなくなっちゃう……。
それに……大企業の御曹司が来るって噂だから、
本気で勝負しないと……。」
ダイエットと美容に給料の全てを注ぎ、
セレブ婚を望む友人達と臨む決戦の場。
私は高校からの親友である奈津美と恵子に
負けたくないという一心で、
この『ラブラブ★タペワム』に賭けたのだ。
「カプセルを飲んで、
およそ2週間で効果が出るんだ……。
で……特に何もしなくていいの?
うーん……胡散臭いことこの上なしね。」
ぶつぶつと文句を零しつつ、
カプセルを口に放り込む。
だが――私が抱いていた疑念は、
たった1週間で消し飛んでしまった。
「……痩せてる。」
やつれることなく体重が減る。
その感激と実感は日を重ねるごとに増し、
私の体を愛されボディへと変化させてくれた。
しかし、更に数日経過した頃――。
「うぅっ……頭がクラクラする。」
私は強烈な空腹感と目眩に襲われ、
立っているのもやっとという状態になっていた。
「おぶっ……うぷっ。
これ……まさかラブラブ★タペワムの副作用?」
吐き気と倦怠感が押し寄せる中、
私はある都市伝説を思い出していた。
それは、痩せる薬と称して渡されたのは、
胃の中で繁殖するゴキの卵だったという話だ。
「とにかく……お医者さんに行かなくちゃ。」
ふらつく足に力を入れ、最寄の大学病院へと急ぐ。
私は担当医にラブラブ★タペワムを服用したことを告げ、
ここ数日の状態を説明した。
瞬間――。
「おぼろぉっ! うげげぇっ!」
私は吐き気を堪えきれなくなり、
処置室の床に吐しゃ物を撒き散らした。
「ず……ずびばせん、ずっと……こんな調子で。」
涙と鼻水にまみれながら謝り、頭をさげる。
と、その時――私は自分の唇の端に、
紐のような物体がぶら下がっていることに気づいた。
「えっ? 何……?」
「キルキルキルゥゥゥ……。」
細長くて眼のない芋虫。
例えるならそんな形状の生物が呻き声をあげた。
「いやああぁっ! 先生っ! 先生!
な……なんなんですか、これは!」
「ラブラブ★タペワムですね。」
「……へっ!?」
パニックに陥る私とは対照的に、
担当医がニコニコ顔で答える。
「厚労省が認可しているんで、
最近、頻繁に見るんですよね。
どうします? 切除されますか?」
「は……はい! ひゃやく! すぐに!」
汚れた衣服のままで、担当医にすがる。
すると、ベテランの風格をまとったその医師は、
ラブラブ★タペワムを手に取り、
残念そうに目をしばたかせた。
「一度、切除すると……今後二度と、
ラブラブ★タペワムを服用できなくなりますが、
それでも構いませんか?」
「……二度と?」
「ええ……。
こいつは確かに不気味ですが人畜無害。
寄生虫を使ったダイエットというのは、
海外では珍しい話じゃあないんですよ?
まぁ……月々の支払いのことも考えると、
一般人には、なかなか厳しいですがね……。」
順調に痩せられたこと、
間近に迫っているパーティーのこと、
『二度と』という制約が私を悩ませる。
「さぁ、どうします?」
「切除……しません。」
担当医に聞かれ、
私は私のラブラブ★タペワムを手で包み込み――。
「おごふっ……おぶっ……ごぼえっ。」
飲み込んだ。
そして、支払いの問題を解決する為に
奈津美と恵子に電話をかけた。
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