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第四章・エンド・オブ・ストレンジャーズ
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橋に怪物の一歩目が踏み出されるやいなや、路面がたわみ、橋脚のひとつがひしゃげる。その下には、かつては運河として使われていた巨大な溝が走っていた。
怪物はうちっぱなしのコンクリートの斜面をすべり落ちると、身体の正面から溝の底に激突した。
しかし、それでも止まることはなかった。
この怒れる戦車のような怪物はすぐに巨大な前足で溝の底を踏みしめると、自分の体高の二倍はあろう斜面を頂上目指して登り始めた。タックルを受けながら進む重量級のラガーマンのような、ゆっくりと、だが着実な足どりだった。
頂上へとたどりつき、溝の底から勇三たちに顔を覗かせた怪物が、もがくようにして前脚を地面にかけた。
「撃て!」
突如あがった怒号とともに、照準を合わせていた六門の野砲から耳を聾するような砲撃音が一斉に轟いた。放たれた砲弾が次々に怪物の身体に食い込んでいく。強靭な外皮が、まるで紙のように突き破られていった。
断末魔の叫びをあげる怪物の様子を、バイクから降りた勇三は地面にへたりこんで呆然と見つめていた。砲撃と炎に巻かれる怪物の姿は地獄の情景を思わせる。そこに慈悲や容赦を感じさせる要素は一切無かった。
「すげえ……」
「対戦車用の成形炸薬弾だ。あんなものを生身に食らったんじゃ、ひとたまりもないな」
傍らにいたトリガーがにべもなく言う。勇三はその姿に、いま砲撃を加えている者たちと同じ冷酷さを感じとっていた。
砲撃はなおも続いた。野砲が一発轟くごとに、すぐに新しい砲弾が装填される。六門の野砲は驚くほどの効率で、相手が動かなくなるまで同じ動作を繰り返した。
やがて怪物が息絶えて砲撃が止むと、あたりは耳鳴り以外は一切の静寂に包まれた。
涸れた運河の底、硝煙の中から現れた怪物の姿はまるで神の怒りでも買ったかのように無残なものに変わり果てていた。
装甲のような外皮はあちこちが砕け、そこから沸騰した血液がマグマのように噴き出す。四肢はもがれ、砲撃をまともに受けた顔面は原型をとどめていなかった。
いや……これは神ではなく、人間が生み出した兵器によって成された所業だった。
怪物はうちっぱなしのコンクリートの斜面をすべり落ちると、身体の正面から溝の底に激突した。
しかし、それでも止まることはなかった。
この怒れる戦車のような怪物はすぐに巨大な前足で溝の底を踏みしめると、自分の体高の二倍はあろう斜面を頂上目指して登り始めた。タックルを受けながら進む重量級のラガーマンのような、ゆっくりと、だが着実な足どりだった。
頂上へとたどりつき、溝の底から勇三たちに顔を覗かせた怪物が、もがくようにして前脚を地面にかけた。
「撃て!」
突如あがった怒号とともに、照準を合わせていた六門の野砲から耳を聾するような砲撃音が一斉に轟いた。放たれた砲弾が次々に怪物の身体に食い込んでいく。強靭な外皮が、まるで紙のように突き破られていった。
断末魔の叫びをあげる怪物の様子を、バイクから降りた勇三は地面にへたりこんで呆然と見つめていた。砲撃と炎に巻かれる怪物の姿は地獄の情景を思わせる。そこに慈悲や容赦を感じさせる要素は一切無かった。
「すげえ……」
「対戦車用の成形炸薬弾だ。あんなものを生身に食らったんじゃ、ひとたまりもないな」
傍らにいたトリガーがにべもなく言う。勇三はその姿に、いま砲撃を加えている者たちと同じ冷酷さを感じとっていた。
砲撃はなおも続いた。野砲が一発轟くごとに、すぐに新しい砲弾が装填される。六門の野砲は驚くほどの効率で、相手が動かなくなるまで同じ動作を繰り返した。
やがて怪物が息絶えて砲撃が止むと、あたりは耳鳴り以外は一切の静寂に包まれた。
涸れた運河の底、硝煙の中から現れた怪物の姿はまるで神の怒りでも買ったかのように無残なものに変わり果てていた。
装甲のような外皮はあちこちが砕け、そこから沸騰した血液がマグマのように噴き出す。四肢はもがれ、砲撃をまともに受けた顔面は原型をとどめていなかった。
いや……これは神ではなく、人間が生み出した兵器によって成された所業だった。
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