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自己紹介って緊張して変なこと言っちゃうよな。
しおりを挟む「みなさん初めまして、俺は常磐春矢って言います!
中学の時はハレルヤって呼ばれていました!」
ニコッ(最大の笑顔)
シーン・・・
スベったぁ。
第一印象が大事なのにやらかしたわ。
「はい、常磐君。元気な挨拶ありがとう。
トップバッターなのに緊張せず良く出来ました。
皆の緊張もほぐれたでしょう」
先生のフォローが痛く感じる。
ほぐれてないでしょ!完全にスベったでしょ!
「では、先生がまたクジを引くのでクジに書いてある数字と出席番号が同じ人は前に出て自己紹介してください」
「ちょっと待ってください先生!どうして出席番号順じゃなくてクジ引きで自己紹介する順番を決めるんですか?」
そのせいで俺はスベったのである。
トップバッターでなければ俺は自己紹介する内容をもっと綿密に構築しただろうに。
だから理由を聞かないと納得できない。
俺を納得させる理由よ。来い。
「出席番号順では面白くないからです」
「あ・・・はい」
負けた。
人生面白くなくてはならない。
俺もクジ引きするってなったときは
心の中がワクワクでいっぱいだった。
そして、自分が一番最初に自己紹介することになるって
わかったからテンション上がっちゃって
ハレルヤとか言っちゃったんだよ。
俺が悪いです。はい。
「えぇと次はですね…。37ですね。出席番号37は桃井夏海さんですね。自己紹介お願いします」
おや?女子か?
いいねぇテンション上がるわ。
ハレルヤ気分だわ。
ハレルヤの意味わかんないけど……。
とにかく共学で良かったー!
可愛い娘だといいなぁ。
「ウィーッス!俺の名前は桃井夏海っす。
高校デビューとかじゃなくて元からこんなキャラなんで
そこんとこヨロシク!あとアレ名前は女っぽいっすけど、列記とした男なんでそれもヨロシク!」
男だった。
ちくしょおおお。
名前から既に俺の心を射止めてたのに
男だったとは。
それも、イケイケな感じ。
周りのみんなの反応も
俺の自己紹介のときと違っていい感じだし。
なんか仲良くなれない気がする…
「あ!あとあだ名が夏みかんって小学校から
ずーっと言われ続けたっす。みんなも夏みかんでいいっすよ」
シーン・・・
なんか仲良くなれる気がする。
「はい!良く出来ました。よろしくね桃井さん。では次のクジを引きますね。次は…16番。出席番号16番の人お願いします」
16番か。
だとすると俺の出席番号は20番だから
俺の席から4つ前の席か。
女子かな?いや別にもういいんだけどさ。
このままだと俺が女好きみたいなキャラに
思えなくもないけど、違うからな。
「伊達秋羅だ」
漢だった。
イケボっていうのは、こういうことをいうんだろうな。
見た目もなかなかの男前…あ、いや漢前だ。
正義感の強い人間。そんなイメージ。
こういうタイプも近寄りがたいんだよな。
なんかお堅い感じ。
仲良くできるかな?
「あと、幼稚園の頃からアキランって
なんかアイドルっぽいあだ名をつけられていた」
シーン・・・
仲良くできるな。
「はい、伊達さんありがとね。次のクジを引きます。……お、17番だ。16を引いたあとで17を引けるとは先生の運も捨てたもんじゃありませんね。連番ですよ。ハハハ」
先生がなんか急にテンションを上げてきた。
こえぇ。
「皆さんこんにちは」
前に出て来たのは知性を感じさせる男子生徒。
眼鏡をかけたクールな感じ。
女子にめちゃくちゃモテるんだろうなこやつは。
俺は頭が良い方じゃないから、話とか合わなそうだな。
仲良く……
「名前は千歳冬樹、小さい頃から冬菌ってあだ名でいじめられてました」
シーン・・・
仲良くしなきゃ。
「はい。千歳さん自己紹介ありがとうございます」
終わりかよ。
◆
「…はい。というわけで皆さんの自己紹介も済みましたので、数十分ぐらいですかね、皆さん同士でちょっとお話でもしていてください。先生は職員室に用があるので。ではまた」
ガラガラ、バタンッ。
教室から出て先生は行ってしまった。
お話っていっても話す相手いないんすよ。
高校に上がってからの友達は
中学の時から一緒にいる友達をもとに
どんどん幅を広げていくもんだと思っていた。
しかし、実際問題。
俺の所属したこの1-Aクラスに
俺と同じ中学校のやつはいなかった。
ぼっち確定か⁉
そりゃあんだけ自己紹介のときに
スベりたおしたらぼっちですよね。
…スベり?あ、そうか。
居るではないか。
友達ではないけど同じ境遇の人たちが。
俺はあいつらに目をやった。
確かに俺と同じで周りを常に気にしながら
戸惑っている感じだ。
そうだよな、こんな環境じゃ不安だよな。
俺から動こう。
「桃井夏海!伊達秋羅!千歳冬樹!俺と友達になってくれ!」
三人は驚いて俺をみた。
「お前は…」
「確か…」
「えぇと…」
そう俺は常磐春矢だ。
「「「ハレルヤ!」」」
「うるせぇよ!ハモるな!夏みかん、アキラン、冬菌!」
こうして俺たちは友達になった。
あと、あだ名については
俺たちの間で禁句となった。
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