書きの種 ’25(エッセイ)

佐藤遼空

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片山右京さんが凄い!

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荻原次晴のラジオ番組に元F1レーサーの片山右京さんが出ていた。これが凄い! と、思った。右京さんは62歳なんだそうだ。で、レーサーを引退した後は、自転車のチームを持っていたり、登山をやっているそうだ。自転車は知っていたが、登山とは――と、思っていたが、出自を聴くと、むしろ右京さんは山出身らしいのだ。

で、専属のドクターがいて健康診断すると、62歳の右京さん――一つも悪いところがない! …らしいのである。いや、凄いことですよ!! で、右京さんは、そのドクターに言われるのだ。「60歳越えてね、悪いところがないなんておかしいよ!」「そうですか」「いっぺん、死んだ方がいいね!」

右京さんは笑っていたが、今でも自転車で山登ったりするのも、結構、若い人に負けないらしいのである。で、抱えの選手に右京さんは言うのだ。「オレに負けたら、クビな」。……え? 現役選手と競える実力? ありえないだろ。

そんな右京さんは、そもそも何故、レーサーになろうと思ったのか? 実はお父さんが山好きで、子供の頃から山小屋とかに住んでたらしいのである。で、お父さんと一緒に登山客の荷物とか運んでたらしいのだ。だから、今、山に関係してるのは、そんなに不思議ではない。

その右京少年が、ある日、テレビでF1のモナコGPを見る。「カッケーッ!」とシビれたらしい。で、進路相談の時に、先生に訊かれた右京くんは「オレは、F1レーサーになります!」と答えるのだ。先生はどうしたか? 先生は「右京、ちょっと来い」。言われて近づいた右京少年に、「ア・ホ・か」と先生。

しかし! 右京少年は夢を諦めない。しかし金がない。サーキットに通う金すらない。が、筑波サーキットに行った時、サーキットの傍に沢山あるガレージで『従業員募集』のポスターを見る。で、いきなり飛び込む。

お金がもらえて、サーキットの近くに住めて、マシンの勉強ができて、一石三鳥! と思ったらしい。ジャンクを修理して売ったりして、お金も貯めた。で、お金を貯めて参加したデビュー戦で、いきなり優勝! 本人言うには、「運動神経ないんんだけど、車は向いてた」。……いや、向いてるにも、ほどがあるだろ! 右京さん、すげぇ……と思った話だった。
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