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どうでも良かったので《ネタバレ有り》※第三章 22話「無意味な死と無意味な遊び」まで読了推奨
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※ネタバレあり。
※第三章22話「無意味な死と無意味な遊び」まで読了推奨。
※リヒトが思うカイルの死について。
※「子守」の番外編に入れようか、本編に入れようか、いや、どっちもやめよう、となった話です。
────
あ、とリヒトは気付く。
──あいつ、もういないのか。
砂煙の向こう、東の先代の剣筋から鮮やかに逃れたザイを見て、リヒトは唐突に理解した。
カイルは死んだ。
カイルの死を知らされたのはもう随分前のことで、しかし、おかしなことに、リヒトは今日のこの時まで、どうにも実感が無かった。
生前、カイルは北の宮の侍従のくせに、しょっちゅう東に拉致されていて、何だかんだでリヒトはカイルの顔を見ていた。
戦が始まればリヒトは諜報として、何度もカイルに情報を届けた。直接にだ。
その上、そんな時、リヒトは連絡役としてだけではなく、無茶な進軍をするカイルに、支援役として扱き使われた。逆に、リヒトや東の軍が盾がわりに、カイルを引き摺り回した事もあった。
それでもやっぱりカイルは多忙を極める侍従であったから、数ヶ月単位、或いは年単位で顔を見ない事も普通だった。代替わりの後は、特にそうだった。
だから、カイルが死んだと聞かされても、葬儀に参列も潜入も禁じられたリヒトは、全くなんとも思えなかった。
死に方が死に方であったので、カイルがかつて属していた東の宮においても、カイルの死について触れられることはなかった。
ただ、リヒトの主人の溜息が少しだけ増えた。カイルと共に転戦したことのある年配の兵の幾人か──死ぬのは戦場だ、と言って憚らなかった──が、一人、また一人、と突然引退しはじめた。リヒトにとって、カイルが死んでからの変化はそれくらいだ。それも、すぐ落ち着いた。
カイルの死は、リヒトにとってあまりに実感が無さすぎた。
自分がその辺をぶらぶらしていれば、その内またカイルに会うだろう。向こうからやってくる事もあるだろうし、東の先代が連れてくる事もあるだろう。リヒトは何となくそう思っていた。
もちろん、そんなことは決してなかったが、あんな奴に会おうが会うまいが、リヒトはどうでもよかったから、わざわざ考えることでもなかった。
そもそもカイルは、リヒトと行き合えば大抵嫌な顔をした。そうでなく、カイルが素晴らしく宜しい笑顔を向けてくるときは、大抵リヒトが酷い目に遭った。北の宮の侍従と東の諜報の関係など、碌なものではない。
碌なものでは無かったけれど、仕事だから仕方がないし、というようなことを思うまでもなく、碌でもないカイルは、リヒトにとって日常だった。
共に東に拾われた腐れ縁。仕事柄、残念ながら様々な別れをしてきたリヒトにとって、しぶとく生き残ってる奴の一人。それがカイル。最後まで生き残るのがカイル。良い奴ほど早く死ぬ、というのは本当だろう。
それなのに、カイルが死んだという。
リヒトの日常にひょこりひょこりと顔を出していたカイルに、とにかくもう会うことはない。
ふーん、あいつにもそんなことがあるのか、程度に思っていたそのことを、リヒトは、その日、唐突に理解させられた。
カイルは、死んだ。
※
「ほう! カイルの技か」
喜色を隠しきれない主人の感嘆に、リヒトは我に返る。
ああ、そうだ。カイルの技でなければ、あの薙ぎをいなすのは無理だ。
さて、東の先代から距離を取ったザイは、無事に愛用の槍に辿り着いていた。
そのザイの立ち姿、パンを咥えたままなのは何とも間の抜けた様子だが、それを除けば、嫌というほどカイルに似ている。
力が抜けた肩も、少し引いた右足の位置も、下げた槍の角度までカイルと同じだ。攻撃にも防御にも転じられる、最も効率の良い立ち方。
カイルはそれを全部、ザイに叩き込んだ。
そして、カイルは死んだ。
陽射しと砂埃にザイの姿がぼやける。目に砂が入ったことに舌打ちをして、リヒトは乱暴に顔を擦る。そうしてリヒトは主人とザイに叫ぶ。
「また見に参りますんで!」
では! と、リヒトはその場から逃げ出した。
※
リヒトが東の宮に上がると、東の宮は何やら書状を手にしていた。
勅書、などと大層な名のつくそれは、リヒトがかつて守役を務めた若様からのものだ。ヒョイと覗き込めば、その内容はひどいの一言に尽きた。
『やらん』
リヒトのような学のない者でも一目で理解できる、簡潔明瞭で乱暴な勅書。
リヒトの無作法に、これ、と言ってリヒトの頭をペシリとはたく東の宮の感想は「達筆になってきたな」。
たしかに、東の宮がいうように、書かれた文字だけは勅書にふさわしく流麗である。
書き慣れたのもあるだろうが、そうなるまでは、おそらくはカイルが口煩く直させていただろう。カイルから読み書きを教わったことのあるリヒトは、想像してげんなりとする。どなたの書跡だろうが偽造できるくらい巧くなって下さい、と言っていたあの侍従殿は、リヒトに何をさせる気だったのか。それはさておき。
「ザイ君を先代様にはやらんってことですよね?」
東の宮に勅書の内容をそう確認したリヒトは、主人が残念がるだろうなと思う。斯くいう自分も残念だ。主従は似る、というのは多分、ある。
そう考えるリヒトの前で、東の宮は丁寧に勅書を畳み、側仕えに預けた。あんな物でもありがたく保管されるらしい。せめて字だけでも綺麗になっていてよかった、とリヒトは思う。
もし、リヒトがカイルにそう言ったなら、カイルは「不敬だ」などと咎めず「ええ」と言っただろう。絶対に言う。さらに、リヒトには考え付かないようなもっと酷い不敬なことを付け加えて言う。
もちろん、「カイルが生きていたら」の話だ。
側仕えによって恭しく勅書が運ばれて行く。それを見ながら、リヒトはぼんやりと言う。
「カイルって、本当に死んだんですね」
東の宮は驚いたように一つ瞬きをして、やがて穏やかに言う。
「うん。リヒト、そうだよ」
今更何を言うのか、などと東の宮に笑われなかったので、リヒトはホッとした。
そうか、やっぱりカイルは死んだのだ。
ようやく納得したリヒトは、ポツリとこぼす。
「死ねたんなら良かった」
知らず溜め込んでいた息を、リヒトは大きく吐いた。その途端、急に力が抜けて、リヒトは御前にも関わらずその場にへたり込んでしまった。
カイルはどうやら、ちゃんと死ねたらしい。ろくな生き方ではなかったから、最期はきっと闇から闇に葬られるものだと思っていたのに。
それがそうはならなかった。だったらカイルのことだから、継がせざるを得なかったものも、渡したかったものも、全部全部押しつけて、それはもう晴れやかに逝っただろう。押し付けられたザイたちには気の毒だが。
良かった。良かったなカイル。もう会うこともない。
「うん。そうだな、リヒト」
東の宮が何故だか泣きそうな顔になっている。いくら他の者がいないとはいえ、御前での失礼な振る舞いを咎めもしない東の宮にリヒトは困ってしまう。さっきみたいに頭でも叩いてくださればよいのに。
そう思うリヒトは、どういうわけだかすぐには立ち上がれそうにない。そんな自分が可笑しくなって、リヒトは座ったままヘラヘラと笑う。それに東の宮は苦笑する。全くお前はいい性格をしている、と。
「ああ、リヒト、休むなら宮にいなさい。どうせすぐ呼ぶことになるだろうから」
「じゃ、そうさせていただきまーす」
あの勅書の様子だと、今日中にまた皇帝からザイを返すように催促が来る。リヒトはようやく立ち上がり、ひとときの休みを取るために御前を辞した。
《終わり》
※第三章22話「無意味な死と無意味な遊び」まで読了推奨。
※リヒトが思うカイルの死について。
※「子守」の番外編に入れようか、本編に入れようか、いや、どっちもやめよう、となった話です。
────
あ、とリヒトは気付く。
──あいつ、もういないのか。
砂煙の向こう、東の先代の剣筋から鮮やかに逃れたザイを見て、リヒトは唐突に理解した。
カイルは死んだ。
カイルの死を知らされたのはもう随分前のことで、しかし、おかしなことに、リヒトは今日のこの時まで、どうにも実感が無かった。
生前、カイルは北の宮の侍従のくせに、しょっちゅう東に拉致されていて、何だかんだでリヒトはカイルの顔を見ていた。
戦が始まればリヒトは諜報として、何度もカイルに情報を届けた。直接にだ。
その上、そんな時、リヒトは連絡役としてだけではなく、無茶な進軍をするカイルに、支援役として扱き使われた。逆に、リヒトや東の軍が盾がわりに、カイルを引き摺り回した事もあった。
それでもやっぱりカイルは多忙を極める侍従であったから、数ヶ月単位、或いは年単位で顔を見ない事も普通だった。代替わりの後は、特にそうだった。
だから、カイルが死んだと聞かされても、葬儀に参列も潜入も禁じられたリヒトは、全くなんとも思えなかった。
死に方が死に方であったので、カイルがかつて属していた東の宮においても、カイルの死について触れられることはなかった。
ただ、リヒトの主人の溜息が少しだけ増えた。カイルと共に転戦したことのある年配の兵の幾人か──死ぬのは戦場だ、と言って憚らなかった──が、一人、また一人、と突然引退しはじめた。リヒトにとって、カイルが死んでからの変化はそれくらいだ。それも、すぐ落ち着いた。
カイルの死は、リヒトにとってあまりに実感が無さすぎた。
自分がその辺をぶらぶらしていれば、その内またカイルに会うだろう。向こうからやってくる事もあるだろうし、東の先代が連れてくる事もあるだろう。リヒトは何となくそう思っていた。
もちろん、そんなことは決してなかったが、あんな奴に会おうが会うまいが、リヒトはどうでもよかったから、わざわざ考えることでもなかった。
そもそもカイルは、リヒトと行き合えば大抵嫌な顔をした。そうでなく、カイルが素晴らしく宜しい笑顔を向けてくるときは、大抵リヒトが酷い目に遭った。北の宮の侍従と東の諜報の関係など、碌なものではない。
碌なものでは無かったけれど、仕事だから仕方がないし、というようなことを思うまでもなく、碌でもないカイルは、リヒトにとって日常だった。
共に東に拾われた腐れ縁。仕事柄、残念ながら様々な別れをしてきたリヒトにとって、しぶとく生き残ってる奴の一人。それがカイル。最後まで生き残るのがカイル。良い奴ほど早く死ぬ、というのは本当だろう。
それなのに、カイルが死んだという。
リヒトの日常にひょこりひょこりと顔を出していたカイルに、とにかくもう会うことはない。
ふーん、あいつにもそんなことがあるのか、程度に思っていたそのことを、リヒトは、その日、唐突に理解させられた。
カイルは、死んだ。
※
「ほう! カイルの技か」
喜色を隠しきれない主人の感嘆に、リヒトは我に返る。
ああ、そうだ。カイルの技でなければ、あの薙ぎをいなすのは無理だ。
さて、東の先代から距離を取ったザイは、無事に愛用の槍に辿り着いていた。
そのザイの立ち姿、パンを咥えたままなのは何とも間の抜けた様子だが、それを除けば、嫌というほどカイルに似ている。
力が抜けた肩も、少し引いた右足の位置も、下げた槍の角度までカイルと同じだ。攻撃にも防御にも転じられる、最も効率の良い立ち方。
カイルはそれを全部、ザイに叩き込んだ。
そして、カイルは死んだ。
陽射しと砂埃にザイの姿がぼやける。目に砂が入ったことに舌打ちをして、リヒトは乱暴に顔を擦る。そうしてリヒトは主人とザイに叫ぶ。
「また見に参りますんで!」
では! と、リヒトはその場から逃げ出した。
※
リヒトが東の宮に上がると、東の宮は何やら書状を手にしていた。
勅書、などと大層な名のつくそれは、リヒトがかつて守役を務めた若様からのものだ。ヒョイと覗き込めば、その内容はひどいの一言に尽きた。
『やらん』
リヒトのような学のない者でも一目で理解できる、簡潔明瞭で乱暴な勅書。
リヒトの無作法に、これ、と言ってリヒトの頭をペシリとはたく東の宮の感想は「達筆になってきたな」。
たしかに、東の宮がいうように、書かれた文字だけは勅書にふさわしく流麗である。
書き慣れたのもあるだろうが、そうなるまでは、おそらくはカイルが口煩く直させていただろう。カイルから読み書きを教わったことのあるリヒトは、想像してげんなりとする。どなたの書跡だろうが偽造できるくらい巧くなって下さい、と言っていたあの侍従殿は、リヒトに何をさせる気だったのか。それはさておき。
「ザイ君を先代様にはやらんってことですよね?」
東の宮に勅書の内容をそう確認したリヒトは、主人が残念がるだろうなと思う。斯くいう自分も残念だ。主従は似る、というのは多分、ある。
そう考えるリヒトの前で、東の宮は丁寧に勅書を畳み、側仕えに預けた。あんな物でもありがたく保管されるらしい。せめて字だけでも綺麗になっていてよかった、とリヒトは思う。
もし、リヒトがカイルにそう言ったなら、カイルは「不敬だ」などと咎めず「ええ」と言っただろう。絶対に言う。さらに、リヒトには考え付かないようなもっと酷い不敬なことを付け加えて言う。
もちろん、「カイルが生きていたら」の話だ。
側仕えによって恭しく勅書が運ばれて行く。それを見ながら、リヒトはぼんやりと言う。
「カイルって、本当に死んだんですね」
東の宮は驚いたように一つ瞬きをして、やがて穏やかに言う。
「うん。リヒト、そうだよ」
今更何を言うのか、などと東の宮に笑われなかったので、リヒトはホッとした。
そうか、やっぱりカイルは死んだのだ。
ようやく納得したリヒトは、ポツリとこぼす。
「死ねたんなら良かった」
知らず溜め込んでいた息を、リヒトは大きく吐いた。その途端、急に力が抜けて、リヒトは御前にも関わらずその場にへたり込んでしまった。
カイルはどうやら、ちゃんと死ねたらしい。ろくな生き方ではなかったから、最期はきっと闇から闇に葬られるものだと思っていたのに。
それがそうはならなかった。だったらカイルのことだから、継がせざるを得なかったものも、渡したかったものも、全部全部押しつけて、それはもう晴れやかに逝っただろう。押し付けられたザイたちには気の毒だが。
良かった。良かったなカイル。もう会うこともない。
「うん。そうだな、リヒト」
東の宮が何故だか泣きそうな顔になっている。いくら他の者がいないとはいえ、御前での失礼な振る舞いを咎めもしない東の宮にリヒトは困ってしまう。さっきみたいに頭でも叩いてくださればよいのに。
そう思うリヒトは、どういうわけだかすぐには立ち上がれそうにない。そんな自分が可笑しくなって、リヒトは座ったままヘラヘラと笑う。それに東の宮は苦笑する。全くお前はいい性格をしている、と。
「ああ、リヒト、休むなら宮にいなさい。どうせすぐ呼ぶことになるだろうから」
「じゃ、そうさせていただきまーす」
あの勅書の様子だと、今日中にまた皇帝からザイを返すように催促が来る。リヒトはようやく立ち上がり、ひとときの休みを取るために御前を辞した。
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