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オレ、なぜか超絶人気俳優・白瀬洸の腕の中にすっぽりと包まれてる。
……なんで?
この異様な状況に、オレはふるふると頭を振った。
よし、オレ帰ろう。
「服、どさや?」
洸はへにゃりと悲しそうに眉を下げた。
「……聞きたい?」
また暗い影のかかった瞳をオレに向けてくる。
オレは覚悟を決めるように、こくりとうなずいた。
「ゲ〇まみれになったミケの服だけど……」
ごくり、と唾をのむ。
「ワインを飲んでたらしく、いくら洗っても赤紫のシミが……そう、ミケの可愛いおしりの形がくっきりと……」
ゆっくりと、洸の指がオレの尻をなぞる。
「ひっ……」
確かめるみたいに、何度も、執拗に。
「……っ!」
オレが身じろぎしても、洸の指から逃れられなかった。
「だから……捨てたかな」
「……は?」
「全部捨てたから、用意するのを待っててくれるかな?」
……すっ裸で?
「なーにしてけでらんずや!!」
オレはさっと立ち上がり、勢いよく洸を後ろに突き倒すと、ぐりぐりと顔を踏みつけてやった。
でも、洸は恍惚とした笑みを浮かべ、オレを見上げている。
はぁはぁ……と息荒く、洸のぎらつく目はまたもやオレの――
「……いい光景」
「ぴっ!!」
オレ、知ってた。こいつ、変態……!
オレはシーツを引っかぶり、ぶるぶると震えた。
バサッ!
洸がそのシーツをはぎ取り、漆黒の瞳でオレを見下ろしてくる。
その目に、一切の感情はなかった。
怖いから! 美人が表情なくしたら、ホラーだから!!
「ミケには……そろそろ躾が必要かな。どちらが飼い主か、ちゃんと分からせてあげないと」
オレは必死に首を振り、洸からずりずりと逃げた。
でも、洸は四つん這いになって、じわじわと迫ってくる。
怖い。怖い、怖いーーー!!
「おめのネゴだばねぇんずや!!」
「そう……」
あ、分かってくれた?
ガシッ!
オレの腕をつかんで、ベッドに縫い留める洸。
必死にもがいても、洸の腕はびくともしない。
こいつ、化け物……!!
「そこから……ひとつずつ、躾けてあげる」
洸がオレの頭をぐいっと掴み、美しい顔に無理やり近づける。
そして――
容赦なく舌を絡め、深く貪るようにキスをしてきた。
「や……やめ……」
洸の肉厚の舌が、オレの口の中を蹂躙する。熱く、重く、容赦なく。
「ん……ふ……やめ……れ……!!」
ガリッ!
「痛っ……」
洸が顔を引く。
口から、真っ赤な血がしたたり落ちる。
「……けっ」
オレは、やってやった。洸のクソ勝手野郎の舌を噛んでやった。
漆黒の瞳はオレを見据えたまま。
なのに、口角だけがゆっくりと上がっていった。
直後、オレの口を無理やりこじ開け、指を歯の奥近くまでぐいっと押し込んできた。
痛い……! 痛い、痛いから!!!
必死にもがくけど、洸はオレの身体を縫い留めたまま微動だにしない。
そして、また――洸の舌が、オレの中をもてあそぶ。
血の味が、口の中いっぱいに広がった。
痛くて、怖くて、鉄臭くて……ぞっとするほど気持ち悪いのに、
でも……どうしようもなく気持ちよくて。
呼吸は乱れ、頭の奥がぼやけていく。
そして、オレの意識は暗闇の中へと吸い込まれていった。
……なんで?
この異様な状況に、オレはふるふると頭を振った。
よし、オレ帰ろう。
「服、どさや?」
洸はへにゃりと悲しそうに眉を下げた。
「……聞きたい?」
また暗い影のかかった瞳をオレに向けてくる。
オレは覚悟を決めるように、こくりとうなずいた。
「ゲ〇まみれになったミケの服だけど……」
ごくり、と唾をのむ。
「ワインを飲んでたらしく、いくら洗っても赤紫のシミが……そう、ミケの可愛いおしりの形がくっきりと……」
ゆっくりと、洸の指がオレの尻をなぞる。
「ひっ……」
確かめるみたいに、何度も、執拗に。
「……っ!」
オレが身じろぎしても、洸の指から逃れられなかった。
「だから……捨てたかな」
「……は?」
「全部捨てたから、用意するのを待っててくれるかな?」
……すっ裸で?
「なーにしてけでらんずや!!」
オレはさっと立ち上がり、勢いよく洸を後ろに突き倒すと、ぐりぐりと顔を踏みつけてやった。
でも、洸は恍惚とした笑みを浮かべ、オレを見上げている。
はぁはぁ……と息荒く、洸のぎらつく目はまたもやオレの――
「……いい光景」
「ぴっ!!」
オレ、知ってた。こいつ、変態……!
オレはシーツを引っかぶり、ぶるぶると震えた。
バサッ!
洸がそのシーツをはぎ取り、漆黒の瞳でオレを見下ろしてくる。
その目に、一切の感情はなかった。
怖いから! 美人が表情なくしたら、ホラーだから!!
「ミケには……そろそろ躾が必要かな。どちらが飼い主か、ちゃんと分からせてあげないと」
オレは必死に首を振り、洸からずりずりと逃げた。
でも、洸は四つん這いになって、じわじわと迫ってくる。
怖い。怖い、怖いーーー!!
「おめのネゴだばねぇんずや!!」
「そう……」
あ、分かってくれた?
ガシッ!
オレの腕をつかんで、ベッドに縫い留める洸。
必死にもがいても、洸の腕はびくともしない。
こいつ、化け物……!!
「そこから……ひとつずつ、躾けてあげる」
洸がオレの頭をぐいっと掴み、美しい顔に無理やり近づける。
そして――
容赦なく舌を絡め、深く貪るようにキスをしてきた。
「や……やめ……」
洸の肉厚の舌が、オレの口の中を蹂躙する。熱く、重く、容赦なく。
「ん……ふ……やめ……れ……!!」
ガリッ!
「痛っ……」
洸が顔を引く。
口から、真っ赤な血がしたたり落ちる。
「……けっ」
オレは、やってやった。洸のクソ勝手野郎の舌を噛んでやった。
漆黒の瞳はオレを見据えたまま。
なのに、口角だけがゆっくりと上がっていった。
直後、オレの口を無理やりこじ開け、指を歯の奥近くまでぐいっと押し込んできた。
痛い……! 痛い、痛いから!!!
必死にもがくけど、洸はオレの身体を縫い留めたまま微動だにしない。
そして、また――洸の舌が、オレの中をもてあそぶ。
血の味が、口の中いっぱいに広がった。
痛くて、怖くて、鉄臭くて……ぞっとするほど気持ち悪いのに、
でも……どうしようもなく気持ちよくて。
呼吸は乱れ、頭の奥がぼやけていく。
そして、オレの意識は暗闇の中へと吸い込まれていった。
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