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本編
4.推しが2人そろい踏みで昇天しそうです
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そうしてわたしが騎士ウィルの腕の中で真っ赤になってたら、上からすごーく不機嫌そうなため息が聞こえてきた。
え? なに? なにごと?
「チッ、おい導手。ンなオッサンばっかに気を取られてンなよ」
そう言って騎士ウィルは、わたしの身体を揺さぶる。
「え?」
でも、彼も、あなたですけど?
とか、騎士ウィルの顔を見たらそんな言葉言えなくなっちゃった。
だって、すっごい不機嫌そう。
でもって、その不機嫌そうな顔も、まさにまさに、わたしが大好きな騎士ウィルそのものでさ。
人を煽ることが大好きな人なんだけど、騎士ウィルは若いから、不機嫌さがすぐ顔に出るって設定でね。
つまり、この顔、立ち絵でめちゃくちゃ見たことあるー! ってわけで。
「うっ……」
うううっ。
マジだ。マジで、大好きなバグウィルたちが目の前にいる。
そのことが嬉しくて、胸がいっぱいになって。わたしは、彼らの目の前で号泣してしまった。
「うぇ!? お、おい……どうした。そう怖がるこたァねェだろ……!」
ちがうんです。
怖がってるわけじゃないんです。
みっともないところ見せてごめんなさい。
「バグウィル……本物ぉ……」
なんて咽び泣いたところで、涙の意味が正確に伝わったらしく、騎士ウィルは目をまん丸にした。
「そういうことか……」
そして彼は、極上の悪い笑みを浮かべて、唇で涙を拭ってくれた。
「それは俺の台詞だよ。導手――いや、ユイ。ようやく、本物に会えた」
――ユイ。
名前を呼ばれてぴたりと涙が止まった。
「ンだよ、ゆでだこみてえ」
なんて笑いながら、騎士ウィルが眦にたまってた涙まで唇で拭ってくれる。
俺の台詞? わたしが、本物? わけがわからないセリフが聞こえたけど、それを考える余裕もない。
上機嫌になった騎士ウィルからの降るようなキスに、神経の隅から隅まで、全部もっていかれた!
「チッ、若ェときの俺ってば、そんなに余裕のねえヤロウだったか?」
「るせえ。コイツァ俺のモンだ。黙って見てろ」
「ハッ、偉そうに」
なんて、推しと推しの会話まではじまって、もう頭真っ白だ。
「嬢ちゃんの最初のパートナーは俺だ。テメエのような若造にまかせられるかってよ」
ちなみに、この場合の最初というのは、ガチャで先に手に入れたって意味なんでしょうけどそんなことよりも!
ありがとうCV城宮和斗……! あなたの奇跡の声帯がこのふたりに授けられたことに感謝申し上げたい!
しかもだよ!?
会話の内容、どこをどう解釈しても、わたしを取りあってるんですが。
え、なにこの夢主もビックリな展開。もちろん某所でWウィル×導手の3P漫画読みあさってたのはわたしですが、いまそれが現実に!?
待ってわたし今めちゃくちゃニヤニヤ気持ち悪い顔してるけど。
「ハッ、年寄りがなに寝ぼけたこと言ってやがる。――な? 導手? テメエは俺が一番だよなあ。こうして、テメエん部屋に控えさせてるのも俺だし……なぁ?」
と思ったら、こちらに会話をふられて狼狽える。
「えっ、えっ」
たしかにいま、騎士ウィルを居室付きのバディ設定にしている。
でも、わたしにとってはバグウィルは全員平等に最推しで、季節やイベントごとにバディを入れ替えているだけなんです……なんて、こちらを脅すような悪い笑顔を浮かべた騎士ウィルに言えるはずもなく、わたしは曖昧に笑うだけ。
「――まあいい、身体で思いしらせてやる」
え? なに? なにごと?
「チッ、おい導手。ンなオッサンばっかに気を取られてンなよ」
そう言って騎士ウィルは、わたしの身体を揺さぶる。
「え?」
でも、彼も、あなたですけど?
とか、騎士ウィルの顔を見たらそんな言葉言えなくなっちゃった。
だって、すっごい不機嫌そう。
でもって、その不機嫌そうな顔も、まさにまさに、わたしが大好きな騎士ウィルそのものでさ。
人を煽ることが大好きな人なんだけど、騎士ウィルは若いから、不機嫌さがすぐ顔に出るって設定でね。
つまり、この顔、立ち絵でめちゃくちゃ見たことあるー! ってわけで。
「うっ……」
うううっ。
マジだ。マジで、大好きなバグウィルたちが目の前にいる。
そのことが嬉しくて、胸がいっぱいになって。わたしは、彼らの目の前で号泣してしまった。
「うぇ!? お、おい……どうした。そう怖がるこたァねェだろ……!」
ちがうんです。
怖がってるわけじゃないんです。
みっともないところ見せてごめんなさい。
「バグウィル……本物ぉ……」
なんて咽び泣いたところで、涙の意味が正確に伝わったらしく、騎士ウィルは目をまん丸にした。
「そういうことか……」
そして彼は、極上の悪い笑みを浮かべて、唇で涙を拭ってくれた。
「それは俺の台詞だよ。導手――いや、ユイ。ようやく、本物に会えた」
――ユイ。
名前を呼ばれてぴたりと涙が止まった。
「ンだよ、ゆでだこみてえ」
なんて笑いながら、騎士ウィルが眦にたまってた涙まで唇で拭ってくれる。
俺の台詞? わたしが、本物? わけがわからないセリフが聞こえたけど、それを考える余裕もない。
上機嫌になった騎士ウィルからの降るようなキスに、神経の隅から隅まで、全部もっていかれた!
「チッ、若ェときの俺ってば、そんなに余裕のねえヤロウだったか?」
「るせえ。コイツァ俺のモンだ。黙って見てろ」
「ハッ、偉そうに」
なんて、推しと推しの会話まではじまって、もう頭真っ白だ。
「嬢ちゃんの最初のパートナーは俺だ。テメエのような若造にまかせられるかってよ」
ちなみに、この場合の最初というのは、ガチャで先に手に入れたって意味なんでしょうけどそんなことよりも!
ありがとうCV城宮和斗……! あなたの奇跡の声帯がこのふたりに授けられたことに感謝申し上げたい!
しかもだよ!?
会話の内容、どこをどう解釈しても、わたしを取りあってるんですが。
え、なにこの夢主もビックリな展開。もちろん某所でWウィル×導手の3P漫画読みあさってたのはわたしですが、いまそれが現実に!?
待ってわたし今めちゃくちゃニヤニヤ気持ち悪い顔してるけど。
「ハッ、年寄りがなに寝ぼけたこと言ってやがる。――な? 導手? テメエは俺が一番だよなあ。こうして、テメエん部屋に控えさせてるのも俺だし……なぁ?」
と思ったら、こちらに会話をふられて狼狽える。
「えっ、えっ」
たしかにいま、騎士ウィルを居室付きのバディ設定にしている。
でも、わたしにとってはバグウィルは全員平等に最推しで、季節やイベントごとにバディを入れ替えているだけなんです……なんて、こちらを脅すような悪い笑顔を浮かべた騎士ウィルに言えるはずもなく、わたしは曖昧に笑うだけ。
「――まあいい、身体で思いしらせてやる」
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