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〜宮殿うわさ話〜 砂の王の恋、そしてその想い人について
うわさ話2
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~うわさ話2~
ハリドの部下の魔法使い タミール(23)
え、なに? 顔色が悪いって?
当たり前だろう? 最近忙しすぎてさあ!?
充実した毎日っていえばそうなんだけどね。覚悟はしてたけど、まさかこんなに急激に忙しくなるだなんて、さすがに予想できなかったじゃない!?
いやあ、ありがたいことなんだよ。
でもちょっとリーフェ様の力、強すぎたじゃん?
空っぽの泉も用水路も、今や常に満水状態。治水と法整備の方が全っ然おっついてないとか、砂漠のど真ん中の街でありえる!? こんなの……!
俺、もともとは風魔法が得意だからってハリド様の部下になったっていうのに、手が空いたら臨時で工事現場に行ってくれって……水魔法も土魔法も、なんなら力仕事とか当然苦手なのにさあ……!
自慢じゃないけど、俺の身体はヤワなんだよっ。
はぁー……同じ魔法使い部隊でも、リーフェ様つきの護衛が羨ましいよ……。
いや、もちろん? 刺客が襲ってきたところで、俺、戦闘能力からっきしなんだけどさ。
でもほら、リーフェ様――あ、今、サディル様近くにいないよな? ――うん、いないな。大丈夫。
…………あんな? 小声で話すけどさ。リーフェ様、正直、めっちゃ美人じゃん?
え? 言うに事欠いてそれが理由かって?
そうだよ、悪いかよ! ――いや、アンタもめちゃくちゃ美人なのは分かってる。他意はないんだ。ないんだけど。
正直、俺、リーフェ様がめっちゃ好みでさあ。
あっ、これ、絶対サディル様に言わないでくれよ?
知られたらマジでちょん切られる……あ、想像しただけで震えてきた。
ごほん。
いやあ、でもほんと、リーフェ様付きっていいよなあ。
なんか、気さくに話しかけてくれるって言うじゃん?
身分とか、立場とか、お構いなしなんだろ? つか、リーフェ様ご自身だって、誰かに話しかけてもらってるとき、すっげえ嬉しそうにしてんじゃん? ああいうとこ、和むじゃん?
アンタが羨ましいよ。なにかとリーフェ様と接する機会があって。
ま、でも、そこにサディル様も同席しているときのおっかなさといったら、マジでヤバいから。実際護衛に振り分けられたら胃が痛くて大変そうだけどさあ。
サディル様、最近全っ然余裕ないもんな。いや、ご本人も自覚があるみたいで、気をつけていらっしゃるのはわかるんだ。
でも、このところ会議での話題も、リーフェ様の能力をどう生かしていくのかってのが中心だからさあ。ちょっとでもリーフェ様の負担が大きかったり、危険がありそうだったりすると、あれだよ。
ギンッ――てさあ。殺気。ヤバくてチビるよマジで。
サディル様もさあ……まあ、気持ちはわからないでもないんだけどさ。
どうせ、俺たちは盗賊あがりだから。あんな清らかな――マジで神の娘って感じの人に、手なんか出せないよなあ。ぶっちゃけ。
でも、泉の前で踊ったときだって、あんなかわいい子から祝福のキスうけてるんだぜ? しかも、正直、リーフェ様の気持ちだってバレバレじゃん!?
あの方が気付いてないはずがないだろう!?
そこで手を出さないとかさあ……サディル様、そんな忍耐力、どこで身につけたんだよ……。
以前はもっとこう! …………あー、……これはね。リーフェ様と他の女を一緒になんかできないとは思うから、うん。まあ。詳細は、控えるけど。
はあーっ、……なかなかうまくまとまらないものだなあ。
アンタさ、おふたりに接する機会多いだろ?
それから、ハレムで働いている連中にも、顔がきくじゃん?
だから、おふたりがなんとか上手くくっつくように、力、貸してやってくれって、みんなにも頼んでおいてくれな?
これ、宮殿で働く男たちの総意ととってもらって差し支えないからさ!
宮殿の平和のためにっ!!
本当に、頼むぜ!? なっ!!!
ハリドの部下の魔法使い タミール(23)
え、なに? 顔色が悪いって?
当たり前だろう? 最近忙しすぎてさあ!?
充実した毎日っていえばそうなんだけどね。覚悟はしてたけど、まさかこんなに急激に忙しくなるだなんて、さすがに予想できなかったじゃない!?
いやあ、ありがたいことなんだよ。
でもちょっとリーフェ様の力、強すぎたじゃん?
空っぽの泉も用水路も、今や常に満水状態。治水と法整備の方が全っ然おっついてないとか、砂漠のど真ん中の街でありえる!? こんなの……!
俺、もともとは風魔法が得意だからってハリド様の部下になったっていうのに、手が空いたら臨時で工事現場に行ってくれって……水魔法も土魔法も、なんなら力仕事とか当然苦手なのにさあ……!
自慢じゃないけど、俺の身体はヤワなんだよっ。
はぁー……同じ魔法使い部隊でも、リーフェ様つきの護衛が羨ましいよ……。
いや、もちろん? 刺客が襲ってきたところで、俺、戦闘能力からっきしなんだけどさ。
でもほら、リーフェ様――あ、今、サディル様近くにいないよな? ――うん、いないな。大丈夫。
…………あんな? 小声で話すけどさ。リーフェ様、正直、めっちゃ美人じゃん?
え? 言うに事欠いてそれが理由かって?
そうだよ、悪いかよ! ――いや、アンタもめちゃくちゃ美人なのは分かってる。他意はないんだ。ないんだけど。
正直、俺、リーフェ様がめっちゃ好みでさあ。
あっ、これ、絶対サディル様に言わないでくれよ?
知られたらマジでちょん切られる……あ、想像しただけで震えてきた。
ごほん。
いやあ、でもほんと、リーフェ様付きっていいよなあ。
なんか、気さくに話しかけてくれるって言うじゃん?
身分とか、立場とか、お構いなしなんだろ? つか、リーフェ様ご自身だって、誰かに話しかけてもらってるとき、すっげえ嬉しそうにしてんじゃん? ああいうとこ、和むじゃん?
アンタが羨ましいよ。なにかとリーフェ様と接する機会があって。
ま、でも、そこにサディル様も同席しているときのおっかなさといったら、マジでヤバいから。実際護衛に振り分けられたら胃が痛くて大変そうだけどさあ。
サディル様、最近全っ然余裕ないもんな。いや、ご本人も自覚があるみたいで、気をつけていらっしゃるのはわかるんだ。
でも、このところ会議での話題も、リーフェ様の能力をどう生かしていくのかってのが中心だからさあ。ちょっとでもリーフェ様の負担が大きかったり、危険がありそうだったりすると、あれだよ。
ギンッ――てさあ。殺気。ヤバくてチビるよマジで。
サディル様もさあ……まあ、気持ちはわからないでもないんだけどさ。
どうせ、俺たちは盗賊あがりだから。あんな清らかな――マジで神の娘って感じの人に、手なんか出せないよなあ。ぶっちゃけ。
でも、泉の前で踊ったときだって、あんなかわいい子から祝福のキスうけてるんだぜ? しかも、正直、リーフェ様の気持ちだってバレバレじゃん!?
あの方が気付いてないはずがないだろう!?
そこで手を出さないとかさあ……サディル様、そんな忍耐力、どこで身につけたんだよ……。
以前はもっとこう! …………あー、……これはね。リーフェ様と他の女を一緒になんかできないとは思うから、うん。まあ。詳細は、控えるけど。
はあーっ、……なかなかうまくまとまらないものだなあ。
アンタさ、おふたりに接する機会多いだろ?
それから、ハレムで働いている連中にも、顔がきくじゃん?
だから、おふたりがなんとか上手くくっつくように、力、貸してやってくれって、みんなにも頼んでおいてくれな?
これ、宮殿で働く男たちの総意ととってもらって差し支えないからさ!
宮殿の平和のためにっ!!
本当に、頼むぜ!? なっ!!!
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