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第1話 嘘から本気にさせられちゃった恋のおはなし。
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ちがうの。
ちがうのです。
これには深いわけがあるのです。
そもそも、今日はわたしの誕生日だったわけでして。
わたし、リリーがこのエイルズの街に出てきてから5年。
ギルドでもそこそこ真面目に働いてきたから重用されて、冒険者の顔見知りもすごく増えた。
釈然としないけど……まあ、ラルフと幼なじみだったおかげで? 難しいクエストは彼に押しつけて、実績を上げさせてもらったってのもあるよ?
いやでもさ。
幼なじみの縁だからって、彼ってば、わたしの借りてる部屋のすぐ近くに住むし、朝ご飯とか夜ご飯もしょっちゅうたかりに来るし、のくせ、コロコロ彼女変えてはギルドの受付まで自慢しに来たりするしさ?
部屋が汚くなったから掃除しろだのなんだの、家政婦かっていうの!
でもまあ……そのかわり、難しいクエストとか、めんどくさいクエストとか? ぶつぶつ文句言いながらも率先してやってくれるからさ。持ちつ持たれつみたいな感じで、許してはいたよ?
つまり! わたしとラルフは! ほんとうに! ただの腐れ縁なわけですよ。
それ以上でもそれ以下でもない。
っていうか、ラルフに彼女いたときとか、わたしの方がさ、こっちの部屋に来るなーって追いだしてたくらいだしね。
そのへん、めちゃくちゃ気を利かせたわけで。……っていうか、よく彼女らしき人からやっかみも受けていたわけで。
ラルフってば全っ然女の子大切にしないから、そのあたりのわたしの被害は莫大だったもんね。
というわけで、腐れ縁ではあるけれども、わたしはずっと、ラルフとは線を引き続けていた。
冒険者としては凄腕だし、尊敬するけれど、仕事と私生活は別。
っていうか、私生活になると、本当にだらしなくって、どうしようもない、でっかい弟……っていうのかな。むしろ弟以下だよ。
あ、歳はね? 彼が1コ上なんだけどね?
とにかく、厄介な隣人の腐れ縁、それがラルフの位置づけだった。
で、まあ、そんな彼になぜ告白しなきゃいけなくなったのか。
あ、もちろん、嘘告白なのですが……。
それもこれも、今日わたしが誕生日だからって、ギルドで呑んでた冒険者さんたちが、仕事終わりのわたしを呼び止めたのがはじまりなんですよ。
エイルズの街に出てきてから5年……ずっと、ずーっと、彼氏なんていませんでしたからね? どうせ一緒に過ごす男もいないだろうからって。
ふんだ、いませんよ、どうせ。
22もなって処女ですよ、わたしはっ。
ここはそこそこ大きな街だし、ギルド嬢ってさ、一応花形なんですよ?
まわりの女の子たちは、それはもう、モテてるコばかりだしさっ。
いやいやわたしだって、男の人にそれなりに声をかけられたことはあるんだよ?
……でもね? デートする前に、なんでか向こうから断られちゃうっていう……。
デートに誘っておいて、やっぱりなかったことにしてってどういうことかな!?
好き、まで気持ちのふくらんでない人に、なぜか一方的に振られる気持ち、わかります!?
っていうわけでね!
もうね、やけ酒ですよ。
彼氏いない歴22年。お祝いされてやろうじゃないですか。
みんながおごってくれるっていうしさ、親友で同じギルド職員でもあるケーシャも来てくれたからね? 一緒に騒ぐ女の子がいたから、わたしもついついはしゃいじゃいましたよ。
ハイハイわたし22になりましたよ。彼氏いません。彼氏募集中! ってね?
みんなに慰められながらさあ、いつもよりちょーっとだけいいお酒呑ませてもらってさ。ふわふわーってしてたら、はしっこのテーブルでカードゲームしだす連中がいてさあ。
普段はあんまりそういうの参加できなかったんだけど、誘われて……楽しそうだったし、断れなかったしで……参加したらね。まあ、普通に負けましたとさ。めでたしめでたし。
で、罰ゲームだなって話になって。
いやいや、わたしは誕生日なんだから、免除ですよねって主張したんだけど、みんな盛り上がっちゃってさ。
そこで、ケーシャが、誰かに告白とかぁー? って。冗談でもいいからって、すっごくニヤニヤ言って。
あろうことか、そのタイミングで、丁度クエスト報告終えたラルフがやってきたっていう……。
いえ。
周囲に流されたわたしが、悪かったんです。
悪かったのですとも。
でもまさか……ラルフが、あんな反応するだなんて、予想できるはずがないじゃん!?
大まじめな様子でさ?
オレも、オマエが、好きだった…………??? とかなんとか言ってたよね?????
え???
いや……?????
…………ないでしょー……。
ちがうのです。
これには深いわけがあるのです。
そもそも、今日はわたしの誕生日だったわけでして。
わたし、リリーがこのエイルズの街に出てきてから5年。
ギルドでもそこそこ真面目に働いてきたから重用されて、冒険者の顔見知りもすごく増えた。
釈然としないけど……まあ、ラルフと幼なじみだったおかげで? 難しいクエストは彼に押しつけて、実績を上げさせてもらったってのもあるよ?
いやでもさ。
幼なじみの縁だからって、彼ってば、わたしの借りてる部屋のすぐ近くに住むし、朝ご飯とか夜ご飯もしょっちゅうたかりに来るし、のくせ、コロコロ彼女変えてはギルドの受付まで自慢しに来たりするしさ?
部屋が汚くなったから掃除しろだのなんだの、家政婦かっていうの!
でもまあ……そのかわり、難しいクエストとか、めんどくさいクエストとか? ぶつぶつ文句言いながらも率先してやってくれるからさ。持ちつ持たれつみたいな感じで、許してはいたよ?
つまり! わたしとラルフは! ほんとうに! ただの腐れ縁なわけですよ。
それ以上でもそれ以下でもない。
っていうか、ラルフに彼女いたときとか、わたしの方がさ、こっちの部屋に来るなーって追いだしてたくらいだしね。
そのへん、めちゃくちゃ気を利かせたわけで。……っていうか、よく彼女らしき人からやっかみも受けていたわけで。
ラルフってば全っ然女の子大切にしないから、そのあたりのわたしの被害は莫大だったもんね。
というわけで、腐れ縁ではあるけれども、わたしはずっと、ラルフとは線を引き続けていた。
冒険者としては凄腕だし、尊敬するけれど、仕事と私生活は別。
っていうか、私生活になると、本当にだらしなくって、どうしようもない、でっかい弟……っていうのかな。むしろ弟以下だよ。
あ、歳はね? 彼が1コ上なんだけどね?
とにかく、厄介な隣人の腐れ縁、それがラルフの位置づけだった。
で、まあ、そんな彼になぜ告白しなきゃいけなくなったのか。
あ、もちろん、嘘告白なのですが……。
それもこれも、今日わたしが誕生日だからって、ギルドで呑んでた冒険者さんたちが、仕事終わりのわたしを呼び止めたのがはじまりなんですよ。
エイルズの街に出てきてから5年……ずっと、ずーっと、彼氏なんていませんでしたからね? どうせ一緒に過ごす男もいないだろうからって。
ふんだ、いませんよ、どうせ。
22もなって処女ですよ、わたしはっ。
ここはそこそこ大きな街だし、ギルド嬢ってさ、一応花形なんですよ?
まわりの女の子たちは、それはもう、モテてるコばかりだしさっ。
いやいやわたしだって、男の人にそれなりに声をかけられたことはあるんだよ?
……でもね? デートする前に、なんでか向こうから断られちゃうっていう……。
デートに誘っておいて、やっぱりなかったことにしてってどういうことかな!?
好き、まで気持ちのふくらんでない人に、なぜか一方的に振られる気持ち、わかります!?
っていうわけでね!
もうね、やけ酒ですよ。
彼氏いない歴22年。お祝いされてやろうじゃないですか。
みんながおごってくれるっていうしさ、親友で同じギルド職員でもあるケーシャも来てくれたからね? 一緒に騒ぐ女の子がいたから、わたしもついついはしゃいじゃいましたよ。
ハイハイわたし22になりましたよ。彼氏いません。彼氏募集中! ってね?
みんなに慰められながらさあ、いつもよりちょーっとだけいいお酒呑ませてもらってさ。ふわふわーってしてたら、はしっこのテーブルでカードゲームしだす連中がいてさあ。
普段はあんまりそういうの参加できなかったんだけど、誘われて……楽しそうだったし、断れなかったしで……参加したらね。まあ、普通に負けましたとさ。めでたしめでたし。
で、罰ゲームだなって話になって。
いやいや、わたしは誕生日なんだから、免除ですよねって主張したんだけど、みんな盛り上がっちゃってさ。
そこで、ケーシャが、誰かに告白とかぁー? って。冗談でもいいからって、すっごくニヤニヤ言って。
あろうことか、そのタイミングで、丁度クエスト報告終えたラルフがやってきたっていう……。
いえ。
周囲に流されたわたしが、悪かったんです。
悪かったのですとも。
でもまさか……ラルフが、あんな反応するだなんて、予想できるはずがないじゃん!?
大まじめな様子でさ?
オレも、オマエが、好きだった…………??? とかなんとか言ってたよね?????
え???
いや……?????
…………ないでしょー……。
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