1 / 5
1話
しおりを挟む
「ROACHって知ってるか?」
釜蔵仁は編集長の野上から昼休憩
していた時にこんなことを言われた。
いつもながら突拍子がない
「やめてくださいよ編集長 お昼中に」
「いやいや虫の方じゃなくてさ」
じゃあどの方だと言うのかという
ツッコミを抑えると
野上がタブレット端末でインターネット
の記事を見せてきた。
«栄宮区に現るダークヒーロー!
ROACHとは何者!?»
「なんですかこれ」
こんな記事フィクションでしか見たことない。
「なんでもこの街に現れるそうじゃないか。次のネタにしてみたら面白そう
じゃあない?」
ヘラヘラと笑いながら野上は仁に提案
してきた。
「嫌です。オカルトライターじゃないんですから」
寧ろこの都市伝説みたいなものを
どうやって書けと言うのか
疑問でしかなかったが、
野上はどうしても気になるのか
甘えるような声で
「ねぇ頼むよ~この街が出来てからの
仲だろう~一生のお願いだからさぁ~」
この声に気分が悪くなったが
こうなったら下がらないのが野上だった
「はぁ、分かりましたよ。それで?
どこに取材に行けばいいんですか」
「さっすがぁ!やっば話分かるねぇ!
ここにその人と落ち合ってくれる?」
野上は仁に紙切れ1枚を渡した。
そこには喫茶店の住所と取材する人物の
写真がまとめられていた
「ってこれ女子高生じゃないですか!
なんで危ない橋を渡らせようとするんですか!」
「大丈夫大丈夫!話は付けてあるからさ
今が12時半くらいだから3時半ぐらいには来ると思うよ」
何が大丈夫なのか分からないが
とにかく引き受けることになった以上
行かされることは確定だった。
職質されないことを祈りつつ、昼食を
終え3時になってから出発した。
◆
「だから、話すことなんて無いですよ」
仁は取材相手の神谷薫に言われた言葉に
軽く絶望していた
(あの野郎帰ったら1発殴ってやる)
そんなことを思いながらも
「だったら何故そんなことを言われるようになったか教えて欲しいな」
となるべく笑顔で取材してみる。
そんなこととは勿論ROACHの事だ
「別に特別な理由なんてないですよ。
どこから生まれたのか
知らないですけど高校で勝手に言われてるだけです。」
丁寧に説明する薫
少し嘘っぽい感じがしたが仁自身
あまりやる気はなかったためもうこれで
いい気がしてきた。
「ごめんね。うちの編集長のせいで
こんな取材受けさせちゃって」
こんな取材に付き合わされた薫が気の毒だ。
「いえ、引っかかった私も悪いですし今日のことはお互い忘れましょう」
薫の気遣いが胸に染みた。
イマドキの高校生も捨てたもんじゃないなぁとおじさん臭い感想を抱きつつ、
せめてものお詫びということで
薫の珈琲代を奢り、喫茶店で別れた仁は野上をどうしてやろうか、
考えながら出版社に帰ろうとした時
「あの~すみません」
と声がした
振り向くとそこには1人の男子高生が
携帯の地図機能を開きながら
「ここの図書館に行きたんですが
どうすればいいですかね?」
とへにゃっとした顔で尋ねてきた。
ここの高校生はなんでみんな顔面偏差値が高いんだと思いながらも
「どれどれ」と携帯の地図を見た
図書館とは逆方向に行っている
「あ~こりゃ多分今通ってきた道だね」
「うげ マジですか」
「大マジだ。方向音痴みたいだしなんならついて行こうか?」
出版社と図書館は同じ方向だ帰り道より
少し長いがそれでも徒歩で帰って来れるレベルだ。
「すみません気遣わせてしまって
それじゃあ宜しくです」
そうしてイケメンの男子高生を連れて
図書館へと行くことになってしまった。
お節介焼きは大人になっても変わらないらしい。
◆
「仁は行ったみたいだな
さてこっちもお仕事開始といきますか」
1人そう呟いた野上は上着を羽織り
タイピングの音で騒がしい職場を1人
出ていった。
釜蔵仁は編集長の野上から昼休憩
していた時にこんなことを言われた。
いつもながら突拍子がない
「やめてくださいよ編集長 お昼中に」
「いやいや虫の方じゃなくてさ」
じゃあどの方だと言うのかという
ツッコミを抑えると
野上がタブレット端末でインターネット
の記事を見せてきた。
«栄宮区に現るダークヒーロー!
ROACHとは何者!?»
「なんですかこれ」
こんな記事フィクションでしか見たことない。
「なんでもこの街に現れるそうじゃないか。次のネタにしてみたら面白そう
じゃあない?」
ヘラヘラと笑いながら野上は仁に提案
してきた。
「嫌です。オカルトライターじゃないんですから」
寧ろこの都市伝説みたいなものを
どうやって書けと言うのか
疑問でしかなかったが、
野上はどうしても気になるのか
甘えるような声で
「ねぇ頼むよ~この街が出来てからの
仲だろう~一生のお願いだからさぁ~」
この声に気分が悪くなったが
こうなったら下がらないのが野上だった
「はぁ、分かりましたよ。それで?
どこに取材に行けばいいんですか」
「さっすがぁ!やっば話分かるねぇ!
ここにその人と落ち合ってくれる?」
野上は仁に紙切れ1枚を渡した。
そこには喫茶店の住所と取材する人物の
写真がまとめられていた
「ってこれ女子高生じゃないですか!
なんで危ない橋を渡らせようとするんですか!」
「大丈夫大丈夫!話は付けてあるからさ
今が12時半くらいだから3時半ぐらいには来ると思うよ」
何が大丈夫なのか分からないが
とにかく引き受けることになった以上
行かされることは確定だった。
職質されないことを祈りつつ、昼食を
終え3時になってから出発した。
◆
「だから、話すことなんて無いですよ」
仁は取材相手の神谷薫に言われた言葉に
軽く絶望していた
(あの野郎帰ったら1発殴ってやる)
そんなことを思いながらも
「だったら何故そんなことを言われるようになったか教えて欲しいな」
となるべく笑顔で取材してみる。
そんなこととは勿論ROACHの事だ
「別に特別な理由なんてないですよ。
どこから生まれたのか
知らないですけど高校で勝手に言われてるだけです。」
丁寧に説明する薫
少し嘘っぽい感じがしたが仁自身
あまりやる気はなかったためもうこれで
いい気がしてきた。
「ごめんね。うちの編集長のせいで
こんな取材受けさせちゃって」
こんな取材に付き合わされた薫が気の毒だ。
「いえ、引っかかった私も悪いですし今日のことはお互い忘れましょう」
薫の気遣いが胸に染みた。
イマドキの高校生も捨てたもんじゃないなぁとおじさん臭い感想を抱きつつ、
せめてものお詫びということで
薫の珈琲代を奢り、喫茶店で別れた仁は野上をどうしてやろうか、
考えながら出版社に帰ろうとした時
「あの~すみません」
と声がした
振り向くとそこには1人の男子高生が
携帯の地図機能を開きながら
「ここの図書館に行きたんですが
どうすればいいですかね?」
とへにゃっとした顔で尋ねてきた。
ここの高校生はなんでみんな顔面偏差値が高いんだと思いながらも
「どれどれ」と携帯の地図を見た
図書館とは逆方向に行っている
「あ~こりゃ多分今通ってきた道だね」
「うげ マジですか」
「大マジだ。方向音痴みたいだしなんならついて行こうか?」
出版社と図書館は同じ方向だ帰り道より
少し長いがそれでも徒歩で帰って来れるレベルだ。
「すみません気遣わせてしまって
それじゃあ宜しくです」
そうしてイケメンの男子高生を連れて
図書館へと行くことになってしまった。
お節介焼きは大人になっても変わらないらしい。
◆
「仁は行ったみたいだな
さてこっちもお仕事開始といきますか」
1人そう呟いた野上は上着を羽織り
タイピングの音で騒がしい職場を1人
出ていった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる