レディバグの改変<W>

乱 江梨

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第二章 過去との対峙編

103.彼が陽の光を浴びる時-序章-2

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 ユウタロウたちの後を追うようにして、勇者一族の屋敷に向かう道中、リオたちはナギカと合流した。そしてその間、リオはレディバグ内でも比較的高い序列の仲間に通信を送り、ユウタロウたちの応援を頼んだ。

 リオが連絡した仲間たちは追々やって来るとして、一足先に目的地へと到着したリオ、ナギカ、コニアの三人は、物々しい雰囲気を放つ屋敷を見上げている。


「ここが勇者一族のお屋敷ね……ひっろーい!」
「流石、一族の人間ほとんどが住まわれる屋敷ですね」
「端から端まで見切れないや……こいつはすげぇ」


 リオ、ナギカ、コニアの順に口々に感想を述べた。リオとコニアは興味津々そうな表情で瞳を輝かせているが、相変わらず凪のナギカは冷静に分析しているので、その対比が凄まじい。


「さて。中はどのような状況なのでしょうか?出来ることなら、一刻も早くスザク様の救出に向かいたいところですが……」
「ま、そう上手くはいかないわよね。ユウユウ勇者くんたちだって、今どの辺りにいるのか分からないし」
「オイラは難しい話苦手だから、作戦立案はナギ助ちゃんに任せた!」


 屋敷の侵入者――一族が厭うレディバグ構成員を彼らが見逃すはずも無いので、リオたちがスザクの元に向かうのは骨が折れるだろう。完全に思考を放棄した二人は、陣取りをナギカに丸投げした。


「そうですね……慣れない土地ですし、単独行動は控えた方がいいかと。取り敢えずこの三人で屋敷内を探索しながら、ユウタロウ様たちの助力をしつつ、スザク様の救出を目指しましょう。途中で邪魔が入った場合は、迷わずなぎ倒すということでよろしいでしょうか?」
「ナギ助のそーいう男気溢れる感じ大好きよ」
「……」
「え、無視?」


 ナギカは考えていた。茫然自失としているような、どこか遠くを見つめているような表情で。

 この人は、隙と暇さえあれば自分のことを好きだの愛しているだの……。この人の場合、あながち嘘という訳でも無いから反応に困る。かと言って、本気かと問われるとそれも疑わしい。
 〝大好き〟というありふれた言葉に、世界の穢れを知らない子供のように反応して、硬直してしまっているナギカのぐるぐると五月蠅い心情など、彼女に無視されていると勘違いし、半泣きになっているリオは露程も理解していないのだろう。

 ナギカは、目の前の忌々しい存在に対する苛立ちと困惑で、死んだ魚の様な目を向けてしまう。


「……」
「コニア~ん……ナギ助が俺につめたぁい!慰めてぇ……」
「えぇ……」


 無の反応しか返せないナギカに見切りをつけるようにして、コニアの胸に飛び込もうとするリオ。謂わば、無茶ぶりされた部外者のコニアが困惑の声を上げたその時――。


「リオ様」


 ピシャリと。突き刺すようなナギカの鋭い声が降り注がれ、二人の視線が自然と彼女の方へ引き寄せられる。


「さっさと向かいましょう。ここで無駄話をする時間すら惜しいです」
「「あ、はい……」」


 リオとコニアを見つめるナギカの眼差しは、まるで親の仇を睨み据えるように鋭く、二人に反論の余地などありはしなかった。そんな中、突然不機嫌になったナギカに違和感を覚えたリオは、何か物言いたげな眼差しで彼女の横顔を眺めるのだった。

 ********

 一分後。

「もう!何なのよこれぇ……コニアんと俺の可愛いナギ助はどこよぉ……」


 リオは勇者一族の屋敷の中で一人、半泣きになりながら辺りを見回していた。

 何故リオが慣れない土地でボッチ状態なのかというと、ほんの少しだけ時を遡る必要がある。

 ナギカに促されたことで屋敷に足を踏み入れた瞬間、屋敷内に展開されていた何らかの術が作動したことで、彼らはそれぞれ別の場所に転移させられ、散り散りになってしまったのだ。この仕掛けは以前、ユウタロウたちがチサトを救い出す際に向かった廃墟に施されていたものと酷似していたが、全く同一の物という訳では無さそうだった。

 転移させられたと言っても、三人とも屋敷内にいることは確かなのだから、その気になればすぐに合流できるのでは?

 そんな淡い期待は、転移後すぐに砕け散ることとなる。


「っ……?壁?」


 ナギカたちと合流しようと、駆け足で飛び出したリオを阻んだのは、半透明の壁の様なものだった。向かいたい先の景色は見えているというのに、高さも不明瞭な壁が立ちはだかっているせいで、少しも前に進めない。

 壁を伝って歩いてみると、縦横約五十メートル弱の正方形型に取り囲まれているようだった。念の為、空に向かって日本刀を槍のように投げてみると、見事にその切っ先が、何もないように見える地点でピタッと動きを止めたので、上からの脱出も厳しい。


「完全に取り囲まれちゃった感じねぇ……っと」


 高く跳躍して刺さった日本刀を回収したリオは、その刀で壁を破壊できるか試してみることにした。リオは刀を振り上げると、力の限りを込めて壁に斬撃を加えた。

 ――キンっ!
 耳の奥底を刺激するような不快音が鳴り響き、同時にリオの日本刀はその壁に押しのけられた。


「まーじで?これどんだけ固いのよ……この様子じゃあ、連撃入れても無理そうね。昨日今日でできるような代物じゃ無い。それこそ、ずっと昔から何かに利用していた結界を、この場で再利用したって感じかしら?アデルんぐらいジルを使えたら壊せるかもしれないけど……馬力の少ない俺には無理ね」


 一人、目の前の結界――牢獄について思慮を巡らせていると、リオは瞬発的に他人の気配を至近距離に感じ、鋭い動きで後ろを振り向く。するとそこには、勇者一族の重鎮と思われる中年の男が佇んでおり、リオは明らかな落胆の表情を浮かべた。


「もぅぅ……なぁんでこんな何の食指も動かないようなおっさんなのかしら?できれば個性強めな幼女か、萌え要素満載の男子がよかったのにぃ」
「何の話だ」


 突如リオの背後に現れたというのに、当人が驚く素振りを微塵も見せなかったことから、重鎮の男は苦汁を飲み込むように眉を顰めた。
 訳の分からないリオの細かい注文にそぐわなかったという理由でケチをつけられる重鎮が若干哀れである。


「まいっか。転移術使えるってことは、そこそこ強いってことだものね」
「っ」
(おや?)


 リオが何気なしに言うと、男は何故か目を泳がせ、苦し紛れに平静を保っているような態度を見せた。思わずリオは首を傾げるが、やがて彼自身が転移術を行使してここまでやって来たのでは無いことを悟る。
 何の前触れもなく姿を現したことから、リオは咄嗟に転移術によるものだと考えたが、何らかの転移装置を使うか、他の術者にここまで連れてこられた可能性も考えられるのだ。

 転移術が使えないからと言って、目の前の重鎮が弱者であると侮るわけでは無いが、彼からは強者特有の覇気のような独特の雰囲気が感じられなかった。


「ねぇおじさん」
「おじっ……!?」
「もし俺と戦うって言うんなら、お仲間に助けを求めた方が建設的だと思うわよ?俺に勝てる可能性があがるもの……まぁ、0.1%ぐらいの差だけど」
「舐めるなよ小僧……貴様のような卑き人間如きに、我ら勇者一族の誇り高い戦士が敗れるなどあり得ない」
「へぇ?随分とご立派な思想だこと。おじさんたちの言う誇りって、自分たちの邪魔になる子供を殺したり、殺し損なった人間を誘い出す為に、家族を人質に取るようなことなのかしら?随分とご立派な誇りだこと……立派すぎて、俺の頭がおかしくなったのかと思ったわ」
「安い挑発など要らぬ。貴様はレディバグの一味だな?」
「そうよ」
「私の役目はレディバグの連中の排除……早速その任務を果たさせてもらうぞ。
 私の名はニオト。貴様も名を名乗れ」


 男――ニオトは帯刀している剣を抜くと、切っ先をリオに突きつけて言った。眉間に皺を寄せた不機嫌そうな表情からは、レディバグに対する嫌悪感がありありと滲み出ている。

 だが、そんな敵意に臆するようなリオではなく、寧ろ彼の苛立ちを増幅させてやろうと、悪い魂胆を育てていた。


「俺はリオ・カグラザカ!レディバグの序列一位よ。ま、どうせ俺にボコボコにされて、今の自己紹介ぜーんぶ忘れちゃうでしょうけど」


 リオはこれ以上ないほどの煌びやかなアイドルスマイルを浮かべると、相手を挑発するようなウィンクをかました。刹那、ピキッと男の眉間に青筋が立ち、挑発が十分に作用していることは明らかである。

 リオの日本刀二振りが外界に晒される。瞬間、戦いの幕は切って落とされた。

 ********

 一方その頃。リオと同じく屋敷内のどこかに転移させられてしまったコニアは、現在進行形で、勇者一族の戦士に囲まれていた。

 細身のコニアを壁のように取り囲むのは、屈強な男ばかり。実は可憐な女子一人を、筋肉隆々な男たちが囲むという、大分倫理的に問題のある絵面になっていることなど、彼女を男と勘違いしている一族の人間たちは知る由もないだろう。

 男たちの中にいるのは重鎮ばかりではなく、ユウタロウたちと同年代程度の若い青年も混じっていた。勇者になるための苦しい修行に耐えながらも、勇者選定戦にてユウタロウに敗れた若者も、中には当然いることだろう。

 リオのように現在の状況を整理できていないコニアではあったが、殺気立った彼らの様子を注意深く観察すると、顎に手を添えながら納得の声を上げた。


「ほうほう。余程オイラたちレディバグに邪魔されたくないようだね。一人相手に、えっと……ひぃふぅみぃよぉ……三十人がかりで挑んでくるなんて。男の風上にも置けない」
「ふん。貴様らのような危険分子相手にそれ相応の戦力で挑むのは当然のこと。寧ろ、貴様のような害虫相手にも油断せずに挑む我らに感謝してほしいぐらいだ」


 三十人の中心を陣取っている重鎮は上から目線で口を開くと、低く唸るような声音で言った。


「うんうん!油断大敵!序列七位であるオイラ相手に、少数で挑もうなんて無謀な賭けに出なかったことは褒めてあげてもいいかもな」
「一つ問おう。レディバグの序列七位」
「ノン・ジャッカル・コニア・サージェント・ブラウンだぜ」
「……レディバグの序列七位」


 男は正式名称を復唱することをあきらめた。コニアは少し残念そうな顔をした。


「貴様らは何故あの者たちに協力する?貴様らの主――薄汚い悪魔の愛し子と勇者は本来敵対関係であるはず。その上、あんな生きていても何の利益も生み出さず、この世界に貢献もできないゴミを救う為、このような危険を冒すなど……まるで理解でき」
「まず――」


 凛としているというのに、どこか沼のように湿った声だった。捕まったら最後、一生抜け出すことのできない沼にはまってしまったように、彼らは脚を震わせる。

 声を上げると同時に、コニアは懐から筆と半紙の手帳のようなものを取り出した。手帳を開き、取り出した筆で何かを書き込む。その文字はこのアオノクニの言語でも、ましてや華位道国のものでもない。恐らくこの中に、彼女が記した文字を読むことのできる人間はいないだろう。

 何故ならその文字は、彼女の祖国にだけ伝わる秘伝の言語であり、他国の者にその国の言語を伝承することは禁忌とされているから。

 滑らかな動きで走っていた筆が緩やかに停止すると、コニアは半紙を破り取り、それを人差し指と中指で挟んだ。そしてそのままその半紙を、目の前に佇む忌々しい存在に突きつける。まるで、矛を形作った指で指すようにして。


「――主を薄汚いと罵ったことを訂正しやがれ」


 刹那、その空間に無数の刃物が彼らを取り囲むようにして顕現し、それらが一斉に牙を向けた。瞬間的に表れた刃物を交わす術を持つ者、持たない者の末路は対照的である。

 〝持たない者〟は体中をその刃に切り裂かれ、〝持つ者〟は素早い剣撃や操志者としての力を駆使して、なんとか軽傷にまで収めたが、無傷の人間は一人たりともいなかった。一人に対して約五十本の刃物が同時に、かつ目にもとまらぬ速さで襲ってきたのだ。何かしらの圧倒的な力でもない限り、その攻撃全てを防ぐなど不可能に近い。

 意識を何とか保てている〝持つ者〟は、地に膝をつきながら忌々しげにコニアを見上げる。すると、コニアは冷徹な眼差しで彼らを見下ろし、そっとその口を開いた。


「言葉は刃物だ。言葉は癒しだ。言葉には深淵を覗けないほどの力があり、使い方次第で薬にも毒にもなる。オイラはそのことを、この国にいる誰よりも知っている。真面に言葉もつかえない連中が、いたずらに主を侮辱するのは……」


 コニアが再び筆をとり、彼らは警戒を強めた。また同じ攻撃がくるのか。それとも別の攻撃を仕掛けてくるのか。彼らに分かるのはただ一つ――。


「――虫唾が走るんだよ」


 彼女の怒りが、嘘偽りではないということだけ。

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