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第二章
6
ドコアルーノ国から、ミギニアール国への入国手続きは、自国の身分証明を提示することで終わります。
クインテスとドウザキは、ミギニアール国の関所に冒険者ギルドの登録証を提示しました。
「はい、SランクとAランクですね。入国許可証をお渡しします」
「ありがとうございます。ところで、ミギニアール国への入国は初めてなのですが、最初に行った方が良い場所ってありますか?」
クインテスが受付をしてくれた役人さんに聞きました。
勿論、入国前にある程度の国の情勢等は調べていますが、実際の国民の声を聞くことで得られる情報もあると、思ったのです。
「入国の目的は?」
「うぅーん……はっきりしてないのです。先のドコカノ王国へ行くまでの休憩にするか、少しミギニアールで過ごしてからドコカノ王国に行くか……」
ドコカノ王国とは、ミギニアールのその先にある大陸一大きな国です。そう、寮母♂さんたちが住んでいる国ですね(別作品『騎士団員より屈強な騎士団寮の寮母♂さんのお話。』参照)
「なるほど。最終目的地はドコカノ王国と言うことですね。では王都へ行く事をオススメします。先に進むにしても、滞在するにしても、中心街が一番便利ですから。乗合馬車も出ていますので、そちらで行くと早いですよ」
入国してくる人が少なかったせいか、役人さんは、2人に丁寧に説明していました。
クインテスもドウザキもフンフンと頷きます。
「なるほど。良く分かりました。丁寧に教えてくれてありがとうございました」
「いえ、どういたしまして。安全な旅路を!」
お互いに手を振り合って別れました。
◆◆◆◆◆◆
「取り敢えず、王都だな」
「そこから考える、って感じ?」
「そうだな。泊まる場所も探さないとだし、王都行けばなんとかなるだろ」
そう言うと、先ほどの役人さんに教えて貰った乗合馬車に向かいました。
乗合馬車は前払いのチケット制。出発時刻は決まっていて、2人がチケットを購入し乗り込むと、既に何名か乗り込んでおり、定刻が来ると出発しました。乗り心地が良いとは言い難い馬車ですが、パーソナルスペースは、そこそこ広く取ってあり、王都までの運賃もリーズナブルなので、2人は到着まで大人しく運ばれるのでした。
途中、何度か休憩を挟みながら道を進み、日が暮れる前には王都に到着しました。
「もっと時間がかかると思っていたよ」
ドウザキが言いました。
「ミギニアール国の領土自体が、そこまで広く無いんだ。ドコアルーノの1/3くらいの領土だ」
「へぇ?」
「王都はそれなりに栄えてるが、周辺は自然が多く、農耕と酪農が盛ん。教育機関が整ってるが、殆どが一次産業の担い手を育てる機関だと聞いてる。だが、その技術は高く、諸外国の要人が学びに来るくらいだ。確か、うちの兄姉も一人くらいは留学してたんじゃないかな?」
「商会なのに?」
「商会だから、だよ。生産技術を知る事で出来る値段交渉もあるんだろ」
「なるほど……そう言う考え方もあるのか……」
「俺はそこらへんの知識は、からっきしだがな」
「けど、テスは冒険者としては一流じゃないか。誰しも得手不得手はある」
「まぁ、そうだな。素材採取の依頼には、スケイルズ家からの依頼もいくつか受けた事もあったし、ある意味家に貢献してたかもな」
両親からは、貴族の責務は気にしなくていいと言われているけれども、ちょっぴり気にしているクインテスの頭を、ドウザキは何も言わずに撫で撫でするのでした。
(ドウザキに気を使われちゃった!!)
◆◆◆◆◆
2人は、最初に拠点となる宿泊所を探しました。
ミギニアール国は、他国からの移住者もすんなりと受け入れる国でした。
なので、宿泊施設も様々で、その中でも2人は長期用で1カ月毎に契約を更新する宿を選びました。マンスリーマンションですね、分かります。
狭いながらも1LDK仕様になっており、風呂トイレ別、家具も一通り揃っているので、このまま日常生活が送れます。因みに、寝室はダブルベッドでクインテスは顔を赤らめました。
「少なくとも、一ヶ月は滞在するって事だよな?」
「いや、中途解約も出来る。宿泊費は戻って来ないが、契約満了まで居る必要は無い」
「そうか……ちょっと勿体ないな」
「でも、この宿泊所はそこまで高くないぞ?家具備え付け、光熱費込で前の貸家の半額だぞ?」
「あぁ~……俺、そこら辺の相場が良く分かってなくて……」
「ドコアルーノで借りてた家は、ここより家賃が高くて、光熱費は別途かかってた」
「なるほど、それ聞くと確かに安い」
「だろ?それに、ここが特別安かったわけでも無い。どこも似たり寄ったりだった」
「物価の問題か?」
「かもな。ドコアルーノより低いのかも知れない。あとでそこら辺の確認も兼ねて買い物に行こうぜ」
外は夕暮れ。
今日はたくさん移動したので、夕飯を作る気力もなく、外で食べるか、出来合いを買って部屋で食べようと、2人で決めました。
クインテスとドウザキは、ミギニアール国の関所に冒険者ギルドの登録証を提示しました。
「はい、SランクとAランクですね。入国許可証をお渡しします」
「ありがとうございます。ところで、ミギニアール国への入国は初めてなのですが、最初に行った方が良い場所ってありますか?」
クインテスが受付をしてくれた役人さんに聞きました。
勿論、入国前にある程度の国の情勢等は調べていますが、実際の国民の声を聞くことで得られる情報もあると、思ったのです。
「入国の目的は?」
「うぅーん……はっきりしてないのです。先のドコカノ王国へ行くまでの休憩にするか、少しミギニアールで過ごしてからドコカノ王国に行くか……」
ドコカノ王国とは、ミギニアールのその先にある大陸一大きな国です。そう、寮母♂さんたちが住んでいる国ですね(別作品『騎士団員より屈強な騎士団寮の寮母♂さんのお話。』参照)
「なるほど。最終目的地はドコカノ王国と言うことですね。では王都へ行く事をオススメします。先に進むにしても、滞在するにしても、中心街が一番便利ですから。乗合馬車も出ていますので、そちらで行くと早いですよ」
入国してくる人が少なかったせいか、役人さんは、2人に丁寧に説明していました。
クインテスもドウザキもフンフンと頷きます。
「なるほど。良く分かりました。丁寧に教えてくれてありがとうございました」
「いえ、どういたしまして。安全な旅路を!」
お互いに手を振り合って別れました。
◆◆◆◆◆◆
「取り敢えず、王都だな」
「そこから考える、って感じ?」
「そうだな。泊まる場所も探さないとだし、王都行けばなんとかなるだろ」
そう言うと、先ほどの役人さんに教えて貰った乗合馬車に向かいました。
乗合馬車は前払いのチケット制。出発時刻は決まっていて、2人がチケットを購入し乗り込むと、既に何名か乗り込んでおり、定刻が来ると出発しました。乗り心地が良いとは言い難い馬車ですが、パーソナルスペースは、そこそこ広く取ってあり、王都までの運賃もリーズナブルなので、2人は到着まで大人しく運ばれるのでした。
途中、何度か休憩を挟みながら道を進み、日が暮れる前には王都に到着しました。
「もっと時間がかかると思っていたよ」
ドウザキが言いました。
「ミギニアール国の領土自体が、そこまで広く無いんだ。ドコアルーノの1/3くらいの領土だ」
「へぇ?」
「王都はそれなりに栄えてるが、周辺は自然が多く、農耕と酪農が盛ん。教育機関が整ってるが、殆どが一次産業の担い手を育てる機関だと聞いてる。だが、その技術は高く、諸外国の要人が学びに来るくらいだ。確か、うちの兄姉も一人くらいは留学してたんじゃないかな?」
「商会なのに?」
「商会だから、だよ。生産技術を知る事で出来る値段交渉もあるんだろ」
「なるほど……そう言う考え方もあるのか……」
「俺はそこらへんの知識は、からっきしだがな」
「けど、テスは冒険者としては一流じゃないか。誰しも得手不得手はある」
「まぁ、そうだな。素材採取の依頼には、スケイルズ家からの依頼もいくつか受けた事もあったし、ある意味家に貢献してたかもな」
両親からは、貴族の責務は気にしなくていいと言われているけれども、ちょっぴり気にしているクインテスの頭を、ドウザキは何も言わずに撫で撫でするのでした。
(ドウザキに気を使われちゃった!!)
◆◆◆◆◆
2人は、最初に拠点となる宿泊所を探しました。
ミギニアール国は、他国からの移住者もすんなりと受け入れる国でした。
なので、宿泊施設も様々で、その中でも2人は長期用で1カ月毎に契約を更新する宿を選びました。マンスリーマンションですね、分かります。
狭いながらも1LDK仕様になっており、風呂トイレ別、家具も一通り揃っているので、このまま日常生活が送れます。因みに、寝室はダブルベッドでクインテスは顔を赤らめました。
「少なくとも、一ヶ月は滞在するって事だよな?」
「いや、中途解約も出来る。宿泊費は戻って来ないが、契約満了まで居る必要は無い」
「そうか……ちょっと勿体ないな」
「でも、この宿泊所はそこまで高くないぞ?家具備え付け、光熱費込で前の貸家の半額だぞ?」
「あぁ~……俺、そこら辺の相場が良く分かってなくて……」
「ドコアルーノで借りてた家は、ここより家賃が高くて、光熱費は別途かかってた」
「なるほど、それ聞くと確かに安い」
「だろ?それに、ここが特別安かったわけでも無い。どこも似たり寄ったりだった」
「物価の問題か?」
「かもな。ドコアルーノより低いのかも知れない。あとでそこら辺の確認も兼ねて買い物に行こうぜ」
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