地下アイドルを推してたワープアコミュ障陰キャな僕だけど気付いたら執着系ハイスペイケメンに僕が推されて(性的にも)磨かれました？

第一章：本編

17-マチナカ サガリ は、呼ばれる。

｢マチ君……マチ君……｣

相変わらず、下の名前を呼ぶ気配はないし、｢マチ｣と呼べば呼んだだけ俺に唇を押し付けてくる。本人はキスしてるとでも思ってるのだろう。
キスはキスだが……ままごとみたいだ。

一生懸命擦り付けてくるキリも可愛いは可愛いが、一旦仕切り直しのために体を掴んで引き剥がした。
そもそもさ、

｢名前呼ばねぇのにキスして来るってなに？もしかしてマチって言えばキスしていいとでも思ったのか？｣

｢……う……うん｣

そっちに解釈したか。
まぁ、仕方ない。
下の名前を呼ばねーとキスすると言ったのは俺だしな。 でも、マチと呼んだらキスしていいなんて一言も言ってない。
不機嫌な顔を見せれば、面白いくらいオロオロし始める。己の勘違いを自覚したのだろう。
そんなにキスして欲しいなら、次はこっちだな。

｢じゃぁ、今度はサガリ。呼ばねーとキスしてやんねーぞ。キスもしてくんな｣

｢えっ……？｣

｢ほら｣

呼んで？

｢あぅ……｣

呼べよ……キスして欲しいなら……さ……

｢あの……サ……｣

｢サ？｣

呼ばれたい。

｢うぅー……｣

たった3文字。なんでこいつはここまで躊躇するのだろう？

｢ほらほら、もうキスしねーぞ？一生しねーぞ？｣

一生、なんて子どもじみた事まで言ってしまう。
キリは、最初は俺の顔を見ていたが、言葉が進むにつれて、どんどん俯いた。

｢だめ……あ、あの……さ……がり……君……｣

最後は消え入るような声だった。……そうだな、初めて俺がキリに声をかけた時の反応……より、ずっと小さいな声。
でも、聞いた。聞こえた。
俺の名前。
嬉しい、嬉しい。
キリを抱き締めたかったが、やつは恥ずかしさのせいか、露出してる肌と言う肌は真っ赤になってるし、フルフル震えて体を縮こませている。
その仕草が、小動物みたいで可愛い。
笑いも漏れる。

｢なに？そのかわいい仕草。やべーだろ？｣

怖がられないように、丁寧に頭を撫で、その手を顎に移動させて、キリの顔を強制的に上を向かせた。

｢きちんと名前呼んでくれたしな？｣

……ご褒美……と、心の中で呟いて、触れるだけのキスの後に、性的な意味を込めてキリの唇を舐めた。

｢口開けてみな？｣

そう指示を出せば素直に口を半開きにする。
何されるか分かってないクセに。
無知なのをイイコトに、俺はキリの口の中に舌を捩じ込んだ。

｢んんんん？？？｣

｢呼ぶならサガリな？｣

注意も忘れない。続けたければサガリ、止めたくてもサガリ。要はサガリと呼べば要望に応えてやる、……ってつもりで伝えたが、恐らく正しく受け止められてはいないだろう。
名前を呼ばれない限りは、俺のペースでキスを楽しむ。


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｢ん……っふ……｣

キリから漏れてくる吐息がエロい。
名前を呼ばれないように、隙なく口を塞ぐ。舌で口腔を舐め回せば、ピクピクと体を震わせている。
もっと……もっとキリを堪能したい。

｢んっ！……ん！！、｣

感じるポイントを攻めれば、ビクンっと大きく体が震える。嫌がられるかと思えば、キリも俺に体を引っ付けてくるから、愛おしくてたまらない。

あぁ、好きだ。

薄々自覚していたけど、自分が想像してる以上に俺はキリが好きみたいだ。
唇を離し、耳元で囁く。

｢サガリ、呼んで？｣

呼んで？呼ばれると嬉しいんだよ。

｢サガリ君……｣

呼ばれた。嬉しい。

｢もっかい｣

｢サガリ君｣

キリも慣れたのか、スムーズに俺の名前を呼んでくれる。
それが嬉しくて、額をくっ付けて、至近距離で見詰め強請った。

｢呼んで？｣

｢サガリ君……｣

｢ふっ……｣

あぁ、嬉しい。
何度も俺の名前を呼ぶ唇に吸い寄せられるように、再び口付けた。


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充分にキスを堪能した後、キリを解放した。
やり過ぎたか？と思ったが、キリはキリで俺の膝に収まって体を預けている。

｢えへ｣

なんて、満足そうに笑っていやがる。

｢キリ、そんな態度だと俺に勘違いされるぞ？もう十分にしてるけど｣

｢ん？｣

顔を上げて俺の顔を見てるキリは、完全に俺を信頼しきってる表情だ。
この俺の体にスッポリとおさまっているキリがどうしても欲しくて、

｢俺、キリの事好き｣

俺のモノになって。
そう、願いながら伝えれば、

｢僕も。サガリ君好き｣

真っ直ぐと、俺を見て応えてくれた。
チートな人生を送っていたから、告白なんてした事が無かった。
なのでキリへの告白は少し緊張した。
人生初の告白は照れくさく、笑って誤魔化そうとしたら同じタイミングでキリも笑ってた。

あぁ、キリが好きだ。



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