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第一章:本編
18-カナタ キリ は、望まれる。
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きっと、こういう事を両思いって言うんだろうな。フワフワの気持ちのまま、サガリ君の膝に収まってると、優しく抱き締められて、そのままこれからの事を話し合った。
「キリ、一緒に住もう」
「うーん……それはダメだよ」
僕なりの考えを持って断る。凄く不機嫌な顔をされたけど、ここは年上の僕がしっかりしないと、と思った。
そう。僕ってサガリ君より年上なんだよ。全然そんな感じしないけど。
「サガリ君はまだ学生だし、ここのマンションだってご両親の持ち物なんでしょ?サガリ君と僕の生活環境って全く違い過ぎるから、あくまで想像する事しか出来ないけど……」
息子の学業の為にと用意した、ご両親のマンションに、どこの誰だか分からない社会人が入り浸っていたら、良く思わないんじゃないかな?
今の状況だって本当は良くない事なんだと思う。だから今日のイベントまでって、僕は勝手に思い込んでいたのだけど……
言葉を続けようとしたら、ムチュっとサガリ君にキスされた。まだ不貞腐れている表情だけど、不機嫌ではなさそう。
「真面目キリ。一人暮らしの大学生なんて恋人連れ込んで半同棲なんて珍しく無いぜ?」
「僕は高卒だもん。大学生の事なんて分からないよ」
これは屁理屈かも知れないけど、このままズルズル入り浸るのは良くないと言う考えは変わらない。
「今まで僕の事、いっぱい構ってくれてありがとう。僕ね、本当はずっとサガリ君と一緒がいいって思ってるよ。大好きだよ。でもね、このまま一緒に住むのは違うと思うよ。だから、僕は一旦僕のアパートに戻りたい」
「俺が寂しいって言っても?」
「うーん……寂しかったら前みたいに会おうよ」
「強情キリ……」
「そうかな?」
僕にはよく分からない。
この間も、サガリ君は僕のことをギューギューに抱き締めてくるし、頬とか耳とか口とか、とにかくいっぱいキスしてくれた。
それが気持ち良くて、ついされるがままになる。
サガリ君の腕の中は居心地が良い。
「じゃぁ、一緒に住むのは諦める。その代わりさ……」
サガリ君がまた耳元に唇を寄せて囁いた。
「今日は一緒のベッドで寝たい」
「一緒に……?」
「うん」
ニッコリ笑って頷くサガリ君。
そう言えば、と僕は今までのお泊まりの事を思い返した。
サガリ君のマンションにはゲストルームと言う部屋があって、僕は泊まりの時は毎回その部屋で寝泊まりしていた。
今まで友だちの家に泊まりに行った経験が無い僕としては、別々の部屋で寝るものなのだと勝手に思い込んでいたけど……一緒のベッドで寝る……んだよね?
僕はサガリ君の笑顔を見て、なんとなく理解した。
それって……つまり……そういう事……だよね?
僕は一気に顔を赤くなった。
だけどそれは決して嫌とかではなくて、良く分からないドキドキが僕の胸を打つ。
そんな僕の反応を見て、サガリ君は凄く嬉しそうに笑ってくれる。
そして、その笑顔のまま僕にキスをしてくれた。
「俺が言ってる意味、分かった?」
「う……うん……あの……うん……」
「で? 返事は?」
「えっと……そ……僕も……一緒がいいなぁって……明日には自分のアパートに戻るつもりだから、最後くらいは……」
「……そっか」
サガリ君は嬉しそうに笑っていた。
そして、僕も……何だか恥ずかしくなって、誤魔化すように笑った。
「キリ、一緒に住もう」
「うーん……それはダメだよ」
僕なりの考えを持って断る。凄く不機嫌な顔をされたけど、ここは年上の僕がしっかりしないと、と思った。
そう。僕ってサガリ君より年上なんだよ。全然そんな感じしないけど。
「サガリ君はまだ学生だし、ここのマンションだってご両親の持ち物なんでしょ?サガリ君と僕の生活環境って全く違い過ぎるから、あくまで想像する事しか出来ないけど……」
息子の学業の為にと用意した、ご両親のマンションに、どこの誰だか分からない社会人が入り浸っていたら、良く思わないんじゃないかな?
今の状況だって本当は良くない事なんだと思う。だから今日のイベントまでって、僕は勝手に思い込んでいたのだけど……
言葉を続けようとしたら、ムチュっとサガリ君にキスされた。まだ不貞腐れている表情だけど、不機嫌ではなさそう。
「真面目キリ。一人暮らしの大学生なんて恋人連れ込んで半同棲なんて珍しく無いぜ?」
「僕は高卒だもん。大学生の事なんて分からないよ」
これは屁理屈かも知れないけど、このままズルズル入り浸るのは良くないと言う考えは変わらない。
「今まで僕の事、いっぱい構ってくれてありがとう。僕ね、本当はずっとサガリ君と一緒がいいって思ってるよ。大好きだよ。でもね、このまま一緒に住むのは違うと思うよ。だから、僕は一旦僕のアパートに戻りたい」
「俺が寂しいって言っても?」
「うーん……寂しかったら前みたいに会おうよ」
「強情キリ……」
「そうかな?」
僕にはよく分からない。
この間も、サガリ君は僕のことをギューギューに抱き締めてくるし、頬とか耳とか口とか、とにかくいっぱいキスしてくれた。
それが気持ち良くて、ついされるがままになる。
サガリ君の腕の中は居心地が良い。
「じゃぁ、一緒に住むのは諦める。その代わりさ……」
サガリ君がまた耳元に唇を寄せて囁いた。
「今日は一緒のベッドで寝たい」
「一緒に……?」
「うん」
ニッコリ笑って頷くサガリ君。
そう言えば、と僕は今までのお泊まりの事を思い返した。
サガリ君のマンションにはゲストルームと言う部屋があって、僕は泊まりの時は毎回その部屋で寝泊まりしていた。
今まで友だちの家に泊まりに行った経験が無い僕としては、別々の部屋で寝るものなのだと勝手に思い込んでいたけど……一緒のベッドで寝る……んだよね?
僕はサガリ君の笑顔を見て、なんとなく理解した。
それって……つまり……そういう事……だよね?
僕は一気に顔を赤くなった。
だけどそれは決して嫌とかではなくて、良く分からないドキドキが僕の胸を打つ。
そんな僕の反応を見て、サガリ君は凄く嬉しそうに笑ってくれる。
そして、その笑顔のまま僕にキスをしてくれた。
「俺が言ってる意味、分かった?」
「う……うん……あの……うん……」
「で? 返事は?」
「えっと……そ……僕も……一緒がいいなぁって……明日には自分のアパートに戻るつもりだから、最後くらいは……」
「……そっか」
サガリ君は嬉しそうに笑っていた。
そして、僕も……何だか恥ずかしくなって、誤魔化すように笑った。
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