地下アイドルを推してたワープアコミュ障陰キャな僕だけど気付いたら執着系ハイスペイケメンに僕が推されて(性的にも)磨かれました?

黒川

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第二章:本編

1-カナタキリ の、あれから

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僕の名前は、カナタキリ。
高卒で入社した清掃会社でずっと働いている28歳。もう10年も働いてるのか。
最近は責任あるリーダー職も任されるようになって、高卒だけどお給料も前より増えた。相変わらず同年代の人と比べれば少ないかもしれないけどね。
それから、別の仕事もしてるんだ。
これは話すと長くなるんだけど、いい?

きっかけは僕の恋人、サガリ君なんだけど、お付き合いし始めてしばらくした時に、

「耳、いいな」

って言われたんだ。
耳の形?って思ったら、聴く力の方だった。
意識した事は無かったんだけど、ラキちゃんの曲を聴いてると、なんとなーく楽器別とかメロディのパート別で聴き分けたりしていたんだよね。でもそれって楽曲が好き過ぎるオタクあるあるだと思ってたんだけど、違ったみたい。
オタクあるあるでもある筈なんだけど。
で、僕の耳に気付いたサガリ君が、ある日実家から子どもの頃に兄弟で使ってたって言う英語教材を一式持ってきたんだ。
凄いんだよ、世界的に有名なキャラクターの英語教材なんだけど、本にCDにDVDにカードリーダーに電子ペンに……なんかあといっぱい!!

「キリ、英語話せるようになろうぜ」

って言ってきて、まさかのサガリ君式英語教室が始まったんだ……でもね、全然嫌じゃなかったよ。学校の勉強とはやり方が違ったし、覚え方も違った。一番楽しかったのは、キャラクターのイラストと英語のフレーズが書いてあるカードがあって、カードリーダーに通すと英語が流れるの。で、それを真似するって言う学習方法があってね、それを毎日少しずつやるんだ。上手く言えると、サガリ君が凄いハイテンションでしかもネイティブ発音で「Fantastic!」とか「Very Good!」とか色んな褒め方をしてくれるんだ。それが嬉しくて、僕もその気になって流れてくる英語を聞いた通りに真似するんだ。
あと絵本も面白かった。レベルがあって一番簡単なやつから始めたんだけど、特殊なペンで文字をなぞるとペンから英語が流れてきたりクイズが始まったり、歌ったり。
こんな英語学習なら全然嫌じゃないよー、しかもサガリ君のサポート付き。
……そう、英語教室が始まったらまた一緒に住む生活が始まったんだよ。
しかも今回は僕のアパートを、とうとう引き払ってしまうレベルで。
なんとか抵抗しようとしたんだけど、ご両親に買ってもらったマンションは、もうサガリ君名義になってるから、何をしようと問題無いって言い包められて……気付いたら引っ越していたよ。

そんな僕のあれからの話、もう少し付き合ってね。
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