地下アイドルを推してたワープアコミュ障陰キャな僕だけど気付いたら執着系ハイスペイケメンに僕が推されて(性的にも)磨かれました?

黒川

文字の大きさ
107 / 190
第二章:本編

5-マチナカサガリ は、拾う

しおりを挟む
なんでもない日、リビングでキリがスマホで誰かとメッセージのやり取りをしている様子が見えた。
キリがメッセージをやり取りする相手は、かなり限られている。誰とやり取りをしているのか気になって、ヤツのスマホを取り上げた。

「お前、誰とメールしてんの?」

スマホの画面を確認すると、相手先は「母親」と出ていた。
なんだ、家族からか。
メッセージの内容も読めば、卒アルを捨てるかと聞いている。正気か?卒アルだろ?捨てる選択肢なんてあるのか?

「母さんからだよ。実家に置いてある僕の卒業アルバムを捨ててもいいかって連絡が来たんだ。珍しいよね、勝手に捨てちゃえばいいのに」

こっちも正気か?卒アルだぞ?どう言う神経してるんだ?

「おまっ、卒アルだろ?なんでそんな簡単に捨てられるんだよ」

捨てる感覚が分からない。何故キリも母親もあっさり捨てようとしてるんだ?
俺はキリのメッセージ画面を勝手に操作して、取りに行くから捨てないようにとメッセージを送った。

「えぇー?だって見ないし必要ないもん。てかサガリ君、勝手に返信しないでよう」

「キリが返信したら捨てられるだろうが。ほら、今度の休みに取りに行くからな」

ついでに、どのくらいの頻度で家族と連絡を取り合っているのかも確認する。
……おい、連絡取らなさすぎるにも程があるだろ……自分自身の連絡頻度と比べると、かなり開きがあった。
まぁいい。とにかく履歴のキリの文章を真似たので違和感は無いはずだ。

『近々取りに行くので残しておいてください』

家族にこんな他人行儀な文章送るのか?
突っ込み所は山程あったが、目下キリの卒アルの死守だ。

「卒アル実家にあるなら早く言えよ。キリの学生時代の写真、超見てぇわ。ついでに、実家にもついて行くからな」

俺の家庭環境もそれなりに特殊だと自覚しているが、キリの家族も、まぁまぁおかしな所が伺える。良い機会だから、両親に会えなくても育った家を見るくらいは出来るだろう。
俺が無言の圧をかけると、キリも観念したのか、もしくは何も考えていないのか、

「分かったよ。じゃぁ今度の休みの日に一緒に行こうね」

と言って、今度は自分で帰省予定の連絡を入れていた。
返信もあっさりとしていて、玄関に荷物をまとめた紙袋を置いておくから勝手に持って行くようにとの事だった。

……息子の顔は見なくていいのか?

こいつ、長男だろ?
家父長制度なんて時代錯誤な事は言わないが、それでも第一子ってそれなりに大切に育てられるものじゃないのか?
別に親子仲が悪いわけでは無いと、前にキリから聞いたことがあるが、それでも無関心過ぎる。
弟と妹が居ると言ってたが、みんなキリみたいな関係なのだろうか?
本人が気にしている様子が無いので、俺がどうこう言う義理はないのだが、少しばかり彼の家庭環境に不安を覚えた。
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

平凡ワンコ系が憧れの幼なじみにめちゃくちゃにされちゃう話(小説版)

優狗レエス
BL
Ultra∞maniacの続きです。短編連作になっています。 本編とちがってキャラクターそれぞれ一人称の小説です。

Take On Me

マン太
BL
 親父の借金を返済するため、ヤクザの若頭、岳(たける)の元でハウスキーパーとして働く事になった大和(やまと)。  初めは乗り気でなかったが、持ち前の前向きな性格により、次第に力を発揮していく。  岳とも次第に打ち解ける様になり…。    軽いノリのお話しを目指しています。  ※BLに分類していますが軽めです。  ※他サイトへも掲載しています。

ハイスペックストーカーに追われています

たかつきよしき
BL
祐樹は美少女顔負けの美貌で、朝の通勤ラッシュアワーを、女性専用車両に乗ることで回避していた。しかし、そんなことをしたバチなのか、ハイスペック男子の昌磨に一目惚れされて求愛をうける。男に告白されるなんて、冗談じゃねぇ!!と思ったが、この昌磨という男なかなかのハイスペック。利用できる!と、判断して、近づいたのが失敗の始まり。とある切っ掛けで、男だとバラしても昌磨の愛は諦めることを知らず、ハイスペックぶりをフルに活用して迫ってくる!! と言うタイトル通りの内容。前半は笑ってもらえたらなぁと言う気持ちで、後半はシリアスにBLらしく萌えると感じて頂けるように書きました。 完結しました。

相性最高な最悪の男 ~ラブホで会った大嫌いな同僚に執着されて逃げられない~

柊 千鶴
BL
【執着攻め×強気受け】 人付き合いを好まず、常に周囲と一定の距離を置いてきた篠崎には、唯一激しく口論を交わす男がいた。 その仲の悪さから「天敵」と称される同期の男だ。 完璧人間と名高い男とは性格も意見も合わず、顔を合わせればいがみ合う日々を送っていた。 ところがある日。 篠崎が人肌恋しさを慰めるため、出会い系サイトで男を見繕いホテルに向かうと、部屋の中では件の「天敵」月島亮介が待っていた。 「ど、どうしてお前がここにいる⁉」「それはこちらの台詞だ…!」 一夜の過ちとして終わるかと思われた関係は、徐々にふたりの間に変化をもたらし、月島の秘められた執着心が明らかになっていく。 いつも嫌味を言い合っているライバルとマッチングしてしまい、一晩だけの関係で終わるには惜しいほど身体の相性は良く、抜け出せないまま囲われ執着され溺愛されていく話。小説家になろうに投稿した小説の改訂版です。 合わせて漫画もよろしくお願いします。(https://www.alphapolis.co.jp/manga/763604729/304424900)

辺境の酒場で育った少年が、美貌の伯爵にとろけるほど愛されるまで

月ノ江リオ
BL
◆ウィリアム邸でのひだまり家族な子育て編 始動。不器用な父と、懐いた子どもと愛される十五歳の青年と……な第二部追加◆断章は残酷描写があるので、ご注意ください◆ 辺境の酒場で育った十三歳の少年ノアは、八歳年上の若き伯爵ユリウスに見初められ肌を重ねる。 けれど、それは一時の戯れに過ぎなかった。 孤独を抱えた伯爵は女性関係において奔放でありながら、幼い息子を育てる父でもあった。 年齢差、身分差、そして心の距離。 不安定だった二人の関係は年月を経て、やがて蜜月へと移り変わり、交差していく想いは複雑な運命の糸をも巻き込んでいく。 ■執筆過程の一部にchatGPT、Claude、Grok BateなどのAIを使用しています。 使用後には、加筆・修正を加えています。 利用規約、出力した文章の著作権に関しては以下のURLをご参照ください。 ■GPT https://openai.com/policies/terms-of-use ■Claude https://www.anthropic.com/legal/archive/18e81a24-b05e-4bb5-98cc-f96bb54e558b ■Grok Bate https://grok-ai.app/jp/%E5%88%A9%E7%94%A8%E8%A6%8F%E7%B4%84/

【完結】幼馴染に告白されたけれど、実は俺の方がずっと前から好きだったんです 〜初恋のあわい~

上杉
BL
ずっとお前のことが好きだったんだ。 ある日、突然告白された西脇新汰(にしわきあらた)は驚いた。何故ならその相手は幼馴染の清宮理久(きよみやりく)だったから。思わずパニックになり新汰が返答できずにいると、理久はこう続ける。 「驚いていると思う。だけど少しずつ意識してほしい」 そう言って普段から次々とアプローチを繰り返してくるようになったが、実は新汰の方が昔から理久のことが好きで、それは今も続いている初恋だった。 完全に返答のタイミングを失ってしまった新汰が、気持ちを伝え完全な両想いになる日はやって来るのか? 初めから好き同士の高校生が送る青春小説です!お楽しみ下さい。

絶対的センターだった俺を匿ったのは、実は俺の熱烈なファンだったクールな俳優様でした。秘密の同居から始まる再生ラブ

水凪しおん
BL
捏造スキャンダルで全てを失った元トップアイドル・朝比奈湊。絶望の淵で彼に手を差し伸べたのは、フードで顔を隠した謎の男だった。連れてこられたのは、豪華なタワーマンションの一室。「君に再起してほしい」とだけ告げ、献身的に世話を焼く『管理人さん』に、湊は少しずつ心を開いていく。しかし、その男の正体は、今をときめく若手No.1俳優・一ノ瀬海翔だった――。 「君のファンだったんだ」 憧れの存在からの衝撃の告白。クールな仮面の下に隠された、長年の熱烈な想い。 絶望から始まる、再生と愛の物語。失われたステージの光を、二人は取り戻せるのか。

【完結】少年王が望むは…

綾雅(りょうが)今年は7冊!
BL
 シュミレ国―――北の山脈に背を守られ、南の海が恵みを運ぶ国。  15歳の少年王エリヤは即位したばかりだった。両親を暗殺された彼を支えるは、執政ウィリアム一人。他の誰も信頼しない少年王は、彼に心を寄せていく。  恋ほど薄情ではなく、愛と呼ぶには尊敬や崇拝の感情が強すぎる―――小さな我侭すら戸惑うエリヤを、ウィリアムは幸せに出来るのか? 【注意事項】BL、R15、キスシーンあり、性的描写なし 【重複投稿】エブリスタ、アルファポリス、小説家になろう、カクヨム

処理中です...