地下アイドルを推してたワープアコミュ障陰キャな僕だけど気付いたら執着系ハイスペイケメンに僕が推されて(性的にも)磨かれました？

第二章：本編

8-カナタキリ は、帰省する

キムラさんと連絡先を交換したからと言って、急に色々連絡を取り合うか？って言われれば、全く取らなかった。
そもそも女の人だし、結婚してて旦那さんが居るし、そんな女の人に独身で男の僕から連絡取ったら、多分旦那さんは良い顔しないよね。

なので連絡先は増えたけど、何も変わらない日を過ごして休日が来た。
今日はサガリ君と一緒に僕の実家に帰って、卒業アルバムを取りに行く日だ。荷物は玄関先にまとめて置いてくれてるみたいだから、サッと行ってサッと帰るだけなんだけどね。
こんなのでサガリ君は面白いのかな？

出かける準備をし始めたら、サガリ君に今日着る服とかヘアスタイルとか、色々と飾られた。実家に帰るだけなのに。

「実家に帰るからだろ」

ってサガリ君は言ってたけど、実家にここまでオシャレしなくてもいいのになぁ。あ、でもサガリ君はとても格好良かった。いつも格好良いけど、それ以上に格好良かったよ。
普段着だけど、ジャケット羽織ってて少しだけ畏まった感じになってた。見ただけで分かるブランドのマークも、サガリ君だと全然嫌味じゃない。むしろカッコ良さが増すよね。

準備も終わって出発。
実家の荷物を引き取って、その後はサガリ君とデートみたいな事が出来たらいいなぁなんて思ってる。

ここ2年で、僕もそれなりにお付き合いすると言うことは？って事が分かった。

好きな人と2人きりで出かけるって楽しいよね。
広めの公園を散歩するだけでも楽しいし、あとは美術館博物館とか、そっち系も僕は好きだったみたい。
資格取得の勉強で強制的に学ばされていた分野だったけど、歴史とか日本の文化とか芸術とか、分かると結構面白いなって思えるようになったよ。

それを知った上で博物館に行くと、またさらに知識が増えたり興味が広がったりするのも発見だった。
学生の頃に気付いていたら、僕も学校の勉強が出来たのかなぁ？なんて、しんみりしちゃうけど、過去を悔やんでも仕方ない。

言い換えれば、あの過去があって今の僕が居るんだから、それはそれで幸せ！

なーんて、のんびり考え事をしながら電車に乗ってると、実家の最寄り駅に着いた。
隣の県だから、実はそんなに遠くないんだよね。
駅からは徒歩で15分程度。
僕はサガリ君と並んでのんびりと歩いた。