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第1章 飛ばされたんだけどなにこれ
#7. ナニガドウシタ2
しおりを挟むうん、やっぱり何かおかしい。
何がおかしいって、ロザリィだ。
ロザリィの態度に違和感を感じてから数日、なんというか、明らかに凹んでいる。
うーん……こういうときはどうすれば良いのかよくわからない。自称コミュ障の独身舐めんな。
小説の中ならステキな先輩とか同級生とかが颯爽と現れて御都合主義上等な読心術を発揮、主人公の悩みをズバリ見抜いて問題解決……ってところなんだろうけど、悲しいかなそのスキルが自分には無い。お話の中みたいな台詞を吐いたって現実世界では歯が浮くだけで。
「元気無いね」
そんな当たり障りの無い言葉を吐くのが精一杯なのだ。
「そう?元気よ?」
ロザリィはそう言って笑うけれど、ここに来たばかりの時みたいな快活さは無くて。
けれど踏み込んで良いものかは……正直迷う。
だってほら、一人にして欲しい時もあるじゃん?!でしょ?!
…………………………………………
……うん、正直に言おう。聞くのが怖い。
だってさ、こっちに召喚されてこのかた、ロザリィの勢いとか物言いとかに巻き込まれてフツーに喋ってたけどそもそも長年の友人知人どころか1ヶ月も付き合っていないピッチピチのご新規さんだぞ?そもそもこの世界の人間じゃない私が知らずになんかやらかしちゃってる可能性もないわけではないわけで……それに関してロザリィに気を遣わせちゃってるんだとしたら?……ますますそんな突っ込んで聞いて良いワケ……
……はぁ。
「……ロザリィ?ちょっと話があるんだけど」
仕方ない。
この悶々状態に耐えられる自信が無い。
「……何?」
青い目に、ごくりと生唾飲み込んで。
「何か私に隠してること、無いかな」
尋ねてみれば大変判りやすく目を逸らされた。こういうときってどうするべきなんだろうな?対人スキルがド底辺だから全く見当もつかない。
「あのさ、どう考えても私の思い過ごしって感じじゃなくて…ほら、私この世界の人間じゃないじゃん?だからさ、知らないでなんかやっちゃったかなって」
だからついつい喋りすぎてしまうわけで。
「とりあえずはこっちで生きていかなきゃならないわけじゃん?だからなんか私がよくないコトしたんだったら遠慮せずに教えて欲しいなーなんて……」
「カナタは悪くないわ!」
突然の大声に、思わず口をつぐむ。
「……ロザリィ?」
「……カナタは何も悪くないの……悪いのはわたくし……!」
涙さえ浮かべながらロザリィが部屋を飛び出した。開け放たれた重い扉が音も無く元の位置へと戻ってゆく。
私は突然の出来事に頭を抱えて蹲り……と表現したいところだけれど、実際のところは立ち尽くすしかできなかった。
うん、ホントに何もできない。
え、コレなに?私はどうすればいいワケ?!
ちょっとカミサマ、私そもそもコミュ障だって言ったよね?!どうすりゃ良いのかまっっっっったく解らんのですけど?!
若干パニックに陥った頭を持て余しながら一人凍りついていると、なんと、再び扉が開いた。
おずおずと入ってきたのは……何かを抱えたロザリィ。
「……えっと」
急展開に頭がついていかない。
「ロザ」
「これ……っ」
呼びかけようとしたら何かを胸元に押し付けられた。手に取ってみれば……本だ。
「これがどう……」
何気なく表紙を開いてページを捲り……
……今度こそ私は頭を抱えてしゃがみ込んだ。
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