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人民革命
帝国の終焉
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大陸歴1660年12月6日・ブラミア帝国・プリブレジヌイ
ルツコイは城に戻り、交渉の結果を皇帝に伝えた。
「反乱軍の司令官は休戦に応じませんでした」。
「そうですか」。
皇帝はため息をついて尋ねた。
「今後はどうするのがよろしいですか?」
「敵には帝国軍の司令官だった者なども多数寝返っており、戦力も増強されています。こちらの残った兵力では敵に攻められたら、ここを守り切れるかはわかりません」。
ルツコイは少し間をおいて、意を決したように話した。
「ここはテレ・ダ・ズール公国へ逃げ延び、そこで再起を図るのがよろしいかと」。
「公国へ?」
「はい。そこで亡命政府を樹立し、機を伺うのです」。
皇帝はもう一度ため息をついた。
「わかりました。その提案に従いましょう」。
すぐに承認してくれて、ルツコイは胸を撫で下ろした。おそらく、皇帝はこういう事態も想定していたのだろう。
「結局は私には国を統治することが無理だったっという事ですね」。
「いえ、私はそうは思いません。あの魔術師アーランドソンのせいで国は無茶苦茶にされてしまいました。御父上が亡くなられた後、陛下は出来る限りのことをやったと思います」。
「それは歴史が判断するでしょう」。
「まだ終わったわけではありません。亡命政府から必ず再起いたしましょう」。
その言葉に皇帝は無言でうなずいた。
ルツコイは頭を下げ、皇帝の部屋を後にした。
次にルツコイは街壁の傍で待機している兵士たちの元へと向かう。そして、兵士たちに皇帝は公国へ脱出すると伝えた。
生き残った帝国軍三千近い兵は解散。皇帝と行動を共にしたい者のみプリブレジヌイを公国軍と共に脱出し、公国へ亡命することに決めた。
「陛下は公国へと亡命されることとなった。よって、ここで軍は解散する。私は陛下と行動を共にするが、これに付いて来るものも、ここに残るのも自由だ。革命軍は投降したものの命を取らないようだが、もし、心配ならこの街の住民にまぎれてしまえば、わからないだろう」。
兵士たちはこの事態を予想していたのであろう、さほど驚いているものは居なかったが、涙を流している者が何人もいた。
ルツコイは最後に付け加えた。
「今夜、闇にまぎれて陛下は公国へと脱出する。私たちについて来るものは日没の時間に北の街壁の門の前に集まってくれ」。
日没。辺りを松明の灯りのみが照らしている。
北の街壁門に集まって来たのは、ルツコイと重装騎士団が二十名程度、ベルナツキーと皇帝親衛隊が十五名程度。彼らは皇帝イリアと共に亡命する。
新たな馬車がプリブレジヌイで用意され皇帝はそれに乗り込んだ。ルツコイ、ベルナツキーたちに護衛され深夜のうちにプリブレジヌイを脱出した。公国軍がその護衛に当たる。公国軍の兵力はほとんどが温存されていたので、万が一、反乱軍に攻撃されても戦うことは出来るだろうし、国境までは半日の距離だ、何とかなるだろう。
翌日、皇帝がプリブレジヌイを脱出し公国に入ったことが伝わり、革命軍は歓喜にわいた。
革命軍はプリブレジヌイに入り帝国全土を掌握することとなった。
そして、この瞬間、約二百五十年続いたブラミア帝国が滅亡した。
ナタンソーンは首都に戻るため、インシェネツキーはじめ数名の指導者と司令官のキーシンをプリブレジヌイに残し、街の統治に取り掛かるように命令した。
オレガ・ジベリゴワは革命軍には自分も深く関与し、帝国の崩壊を望んでもいたが、それを素直に喜ぶ気にならなかった。敬愛する師であるユルゲン・クリーガーを殺害してしまったのだ。
この戦いの後、オレガは再び戦場でユルゲンの遺体を捜索したが、結局、見つからなかった。おそらくは帝国軍が遺体を持ち去ったのだろうということになった。
なんといってもユルゲンは“帝国の英雄”だ、丁重に埋葬されたに違いない。
しかし、オレガたちがプリブレジヌイの街の中でもユルゲンの埋葬された場所を探したが見つけるとができず、帝国軍兵士だった者に尋ねても誰もユルゲンが埋葬された場所を知らなかった。
ということは、ユルゲンの遺体はどこに行ったのであろうか。
オレガはさらに数日間、必死にその行方を捜したが、結局、見つけることができなかった。
ルツコイは城に戻り、交渉の結果を皇帝に伝えた。
「反乱軍の司令官は休戦に応じませんでした」。
「そうですか」。
皇帝はため息をついて尋ねた。
「今後はどうするのがよろしいですか?」
「敵には帝国軍の司令官だった者なども多数寝返っており、戦力も増強されています。こちらの残った兵力では敵に攻められたら、ここを守り切れるかはわかりません」。
ルツコイは少し間をおいて、意を決したように話した。
「ここはテレ・ダ・ズール公国へ逃げ延び、そこで再起を図るのがよろしいかと」。
「公国へ?」
「はい。そこで亡命政府を樹立し、機を伺うのです」。
皇帝はもう一度ため息をついた。
「わかりました。その提案に従いましょう」。
すぐに承認してくれて、ルツコイは胸を撫で下ろした。おそらく、皇帝はこういう事態も想定していたのだろう。
「結局は私には国を統治することが無理だったっという事ですね」。
「いえ、私はそうは思いません。あの魔術師アーランドソンのせいで国は無茶苦茶にされてしまいました。御父上が亡くなられた後、陛下は出来る限りのことをやったと思います」。
「それは歴史が判断するでしょう」。
「まだ終わったわけではありません。亡命政府から必ず再起いたしましょう」。
その言葉に皇帝は無言でうなずいた。
ルツコイは頭を下げ、皇帝の部屋を後にした。
次にルツコイは街壁の傍で待機している兵士たちの元へと向かう。そして、兵士たちに皇帝は公国へ脱出すると伝えた。
生き残った帝国軍三千近い兵は解散。皇帝と行動を共にしたい者のみプリブレジヌイを公国軍と共に脱出し、公国へ亡命することに決めた。
「陛下は公国へと亡命されることとなった。よって、ここで軍は解散する。私は陛下と行動を共にするが、これに付いて来るものも、ここに残るのも自由だ。革命軍は投降したものの命を取らないようだが、もし、心配ならこの街の住民にまぎれてしまえば、わからないだろう」。
兵士たちはこの事態を予想していたのであろう、さほど驚いているものは居なかったが、涙を流している者が何人もいた。
ルツコイは最後に付け加えた。
「今夜、闇にまぎれて陛下は公国へと脱出する。私たちについて来るものは日没の時間に北の街壁の門の前に集まってくれ」。
日没。辺りを松明の灯りのみが照らしている。
北の街壁門に集まって来たのは、ルツコイと重装騎士団が二十名程度、ベルナツキーと皇帝親衛隊が十五名程度。彼らは皇帝イリアと共に亡命する。
新たな馬車がプリブレジヌイで用意され皇帝はそれに乗り込んだ。ルツコイ、ベルナツキーたちに護衛され深夜のうちにプリブレジヌイを脱出した。公国軍がその護衛に当たる。公国軍の兵力はほとんどが温存されていたので、万が一、反乱軍に攻撃されても戦うことは出来るだろうし、国境までは半日の距離だ、何とかなるだろう。
翌日、皇帝がプリブレジヌイを脱出し公国に入ったことが伝わり、革命軍は歓喜にわいた。
革命軍はプリブレジヌイに入り帝国全土を掌握することとなった。
そして、この瞬間、約二百五十年続いたブラミア帝国が滅亡した。
ナタンソーンは首都に戻るため、インシェネツキーはじめ数名の指導者と司令官のキーシンをプリブレジヌイに残し、街の統治に取り掛かるように命令した。
オレガ・ジベリゴワは革命軍には自分も深く関与し、帝国の崩壊を望んでもいたが、それを素直に喜ぶ気にならなかった。敬愛する師であるユルゲン・クリーガーを殺害してしまったのだ。
この戦いの後、オレガは再び戦場でユルゲンの遺体を捜索したが、結局、見つからなかった。おそらくは帝国軍が遺体を持ち去ったのだろうということになった。
なんといってもユルゲンは“帝国の英雄”だ、丁重に埋葬されたに違いない。
しかし、オレガたちがプリブレジヌイの街の中でもユルゲンの埋葬された場所を探したが見つけるとができず、帝国軍兵士だった者に尋ねても誰もユルゲンが埋葬された場所を知らなかった。
ということは、ユルゲンの遺体はどこに行ったのであろうか。
オレガはさらに数日間、必死にその行方を捜したが、結局、見つけることができなかった。
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