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チョコレート狂騒曲編
次期部長決定
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木曜日の朝。
登校する。
げた箱を開けると、上杉先輩からの手紙が入っていた。
また、今日の放課後、部室に来いと書いてあるのだろう。
SMSという文明の利器があるのに、なぜ、このような手間のかかることをやるのか?
後で、聞いてやろう。
というわけで、放課後。
僕と毛利さんは教室を出て、一緒に部室までやって来た。
部室の扉を開けると、伊達先輩と上杉先輩がポテチを肴にジュースを飲んでいた。
「いらっしゃい」
「来たね!」
伊達先輩と上杉先輩のいつもの挨拶で、お出迎え。
「「こんにちは」」
僕と毛利さんは挨拶を返した。
「それで、今日は何の用でしょう?」
僕は尋ねた。
「来月の春休みの予定の確認と、あなたたちが2年生になった時の部長を決めようと思って」
伊達先輩が答えた。
「部長?」
「そうよ、私たちは3年になったら一応、引退だから」
「そうですか…」
「じゃあ」
上杉先輩が嬉しそうに話し出した。
「次期部長は、武田君で決定ね」
「ええっ?! なんでですか?!」
「いや。キミしかいないでしょ?」
「いやいやいやいや。僕なんかより毛利さんのほうが、ちゃんとしているし、お城巡りの時の旅費やスケジュールの管理とかできそうじゃあないですか?」
伊達先輩は答える。
「旅行の行程、スケジュール、どのきっぷを使えばいいかなどの知識のほとんどは、私も先輩たちが考えたものをたどっただけよ。それらが、いろいろ書いてあるノートを渡すわ」
「いや、でも…。それに、お金の管理は苦手です」
「いつもアイドルの物販で、大金扱ってるじゃん!」
上杉先輩が文句を言ってきた。
「そ、それは…」
「しょうがないなぁ。じゃあ、多数決で決めようか…。武田君が次期部長がいいと思う人!」
上杉先輩が質問すると、女子3人は手を挙げた。
「決まりだね」
上杉先輩はそう言って、ニヤリと笑った。
あああ…。
畜生め。
2年生も平穏な高校生活は遅れそうにない。
いや、待て、まだ3月の1か月間に何か逆転できるかもしれない。
希望は捨てないぞ。
僕は、気持ちを切り替えて質問をする。
「ところで上杉先輩、僕を呼び出す時、何で手書きの手紙なんですか? SMSを使えばいいのに」
「だって、ラブレターだと思って、ちょっと嬉しいでしょ?」
「別に嬉しくないですよ」
数か月前、一番最初だけは本物のラブレターと勘違いしたけど、上杉先輩の手紙と知って落胆した。
それ以降は別になんとも思わない。
「そう言えば、3月のお城巡りはどこに行くんですか?」
毛利さんが質問をした。
「7つを春休みに訪問するけど。具体的なルートは、春休みのお楽しみよ。春休みは予定を開けておいてね」
そう言って伊達先輩は微笑んだ。
基本、遠くのお城しか残っていない。
2年生のお城巡りは結構大変なのでは?
いや、僕はお城巡りに参加しなければいいのだ。うん、それがいい。
部長が幽霊部員。幽霊部長というのもアリだな。
「まだ1カ月と少しあるけど、4月になったら新入部員を募集しないとねー。去年は苦労したからなー」
上杉先輩は椅子の上で伸びをしながら言った。
「苦労したんですか?」
僕は尋ねた。
「したよ! 他の部活と比べるとウチは地味じゃない? 部活紹介のオリエンテーションでもあまり注目されなかったし…。だから、5~6月は、帰宅部の生徒を漁ってたんだよ」
それで僕は図書室で捕まったという訳か。
でも部活紹介のオリエンテーションの時、歴史研のことは全く記憶に無い。
上杉先輩みたいなギャルがいたら、さすがに覚えていそうなのだが。
「オリエンテーションの時のことを、よく覚えていないのですが。上杉先輩は出たんですか?」
「いや。アタシは出なかった。恵梨香が1人で登壇して紹介してくれたんだよ」
「そうだったんですね」
伊達先輩のことも覚えていなかった。
上杉先輩は続ける。
「3月中に新入生対策を考えないとねー。キミもちゃんと考えてよね!」
「えっ? は、はあ…」
別に新入部員が居なくてもいいのでは?
などと思っている。
「『別に新入部員が居なくてもいいのでは?』とか思ってるでしょ?」
上杉先輩は睨みつけて来た。
エスパーかよ。
「5人以上部員が居ないと、“部”として学校から認定されないんだよ」
「なんですか、それ。初耳ですよ」
「生徒会の副会長のくせに、何で知らないのよ?」
「副会長は、肩書だけの居るだけ副会長ですから…。ん? 歴史研も僕ら4人しかないじゃあないですか?」
「何、言ってんの? 大友先輩と南部先輩がいるでしょ? 2人は引退はしてるけど、部員としては在籍してるんだよ」
「それは知りませんでした。でも、“部”として認定されてなくても別にいいのでは?」
この質問には伊達先輩が答える。
「“部”として認定されてないと、学校から部費がもらえないのよ」
「そうなんですか?!」
知らなかった。
しかし、歴史研の活動費は、OB、OGからの寄付で結構潤沢なはず。
全国津々浦々、お城巡りができるぐらいだからな。
だから、学校からの部費が無くてもやって行けるのでは?
「まあ、“部”から降格したら、次期部長のキミはOB、OGからフクロにされるからね」
「なんで、そんなにバイオレンスなんですか!?」
「アタシと恵梨香もひっぱたくよ」
「勘弁してください」
「まあ、せいぜい新入部員集め頑張ってね」
やれやれ
思わずため息が出た。
その後も他愛のない世間話をして過ごして下校時間になったら帰宅した。
登校する。
げた箱を開けると、上杉先輩からの手紙が入っていた。
また、今日の放課後、部室に来いと書いてあるのだろう。
SMSという文明の利器があるのに、なぜ、このような手間のかかることをやるのか?
後で、聞いてやろう。
というわけで、放課後。
僕と毛利さんは教室を出て、一緒に部室までやって来た。
部室の扉を開けると、伊達先輩と上杉先輩がポテチを肴にジュースを飲んでいた。
「いらっしゃい」
「来たね!」
伊達先輩と上杉先輩のいつもの挨拶で、お出迎え。
「「こんにちは」」
僕と毛利さんは挨拶を返した。
「それで、今日は何の用でしょう?」
僕は尋ねた。
「来月の春休みの予定の確認と、あなたたちが2年生になった時の部長を決めようと思って」
伊達先輩が答えた。
「部長?」
「そうよ、私たちは3年になったら一応、引退だから」
「そうですか…」
「じゃあ」
上杉先輩が嬉しそうに話し出した。
「次期部長は、武田君で決定ね」
「ええっ?! なんでですか?!」
「いや。キミしかいないでしょ?」
「いやいやいやいや。僕なんかより毛利さんのほうが、ちゃんとしているし、お城巡りの時の旅費やスケジュールの管理とかできそうじゃあないですか?」
伊達先輩は答える。
「旅行の行程、スケジュール、どのきっぷを使えばいいかなどの知識のほとんどは、私も先輩たちが考えたものをたどっただけよ。それらが、いろいろ書いてあるノートを渡すわ」
「いや、でも…。それに、お金の管理は苦手です」
「いつもアイドルの物販で、大金扱ってるじゃん!」
上杉先輩が文句を言ってきた。
「そ、それは…」
「しょうがないなぁ。じゃあ、多数決で決めようか…。武田君が次期部長がいいと思う人!」
上杉先輩が質問すると、女子3人は手を挙げた。
「決まりだね」
上杉先輩はそう言って、ニヤリと笑った。
あああ…。
畜生め。
2年生も平穏な高校生活は遅れそうにない。
いや、待て、まだ3月の1か月間に何か逆転できるかもしれない。
希望は捨てないぞ。
僕は、気持ちを切り替えて質問をする。
「ところで上杉先輩、僕を呼び出す時、何で手書きの手紙なんですか? SMSを使えばいいのに」
「だって、ラブレターだと思って、ちょっと嬉しいでしょ?」
「別に嬉しくないですよ」
数か月前、一番最初だけは本物のラブレターと勘違いしたけど、上杉先輩の手紙と知って落胆した。
それ以降は別になんとも思わない。
「そう言えば、3月のお城巡りはどこに行くんですか?」
毛利さんが質問をした。
「7つを春休みに訪問するけど。具体的なルートは、春休みのお楽しみよ。春休みは予定を開けておいてね」
そう言って伊達先輩は微笑んだ。
基本、遠くのお城しか残っていない。
2年生のお城巡りは結構大変なのでは?
いや、僕はお城巡りに参加しなければいいのだ。うん、それがいい。
部長が幽霊部員。幽霊部長というのもアリだな。
「まだ1カ月と少しあるけど、4月になったら新入部員を募集しないとねー。去年は苦労したからなー」
上杉先輩は椅子の上で伸びをしながら言った。
「苦労したんですか?」
僕は尋ねた。
「したよ! 他の部活と比べるとウチは地味じゃない? 部活紹介のオリエンテーションでもあまり注目されなかったし…。だから、5~6月は、帰宅部の生徒を漁ってたんだよ」
それで僕は図書室で捕まったという訳か。
でも部活紹介のオリエンテーションの時、歴史研のことは全く記憶に無い。
上杉先輩みたいなギャルがいたら、さすがに覚えていそうなのだが。
「オリエンテーションの時のことを、よく覚えていないのですが。上杉先輩は出たんですか?」
「いや。アタシは出なかった。恵梨香が1人で登壇して紹介してくれたんだよ」
「そうだったんですね」
伊達先輩のことも覚えていなかった。
上杉先輩は続ける。
「3月中に新入生対策を考えないとねー。キミもちゃんと考えてよね!」
「えっ? は、はあ…」
別に新入部員が居なくてもいいのでは?
などと思っている。
「『別に新入部員が居なくてもいいのでは?』とか思ってるでしょ?」
上杉先輩は睨みつけて来た。
エスパーかよ。
「5人以上部員が居ないと、“部”として学校から認定されないんだよ」
「なんですか、それ。初耳ですよ」
「生徒会の副会長のくせに、何で知らないのよ?」
「副会長は、肩書だけの居るだけ副会長ですから…。ん? 歴史研も僕ら4人しかないじゃあないですか?」
「何、言ってんの? 大友先輩と南部先輩がいるでしょ? 2人は引退はしてるけど、部員としては在籍してるんだよ」
「それは知りませんでした。でも、“部”として認定されてなくても別にいいのでは?」
この質問には伊達先輩が答える。
「“部”として認定されてないと、学校から部費がもらえないのよ」
「そうなんですか?!」
知らなかった。
しかし、歴史研の活動費は、OB、OGからの寄付で結構潤沢なはず。
全国津々浦々、お城巡りができるぐらいだからな。
だから、学校からの部費が無くてもやって行けるのでは?
「まあ、“部”から降格したら、次期部長のキミはOB、OGからフクロにされるからね」
「なんで、そんなにバイオレンスなんですか!?」
「アタシと恵梨香もひっぱたくよ」
「勘弁してください」
「まあ、せいぜい新入部員集め頑張ってね」
やれやれ
思わずため息が出た。
その後も他愛のない世間話をして過ごして下校時間になったら帰宅した。
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