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第一章

注目の的でした

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街の大きな扉の前についた。
なんでも、この壁は魔獣が入ってくるのを防ぐためのものだとか。
扉の前で馬を降り、ミラさんが急に叫んだ。

「私だ!扉を開けてくれ!」

しばらくして扉がゆっくりと開き、兵士らしき装いの人が出てきた。

「おかえりなさいませ!ミラルド姫様!ご無事でなによりです!」

へ…?姫様?

「あぁ、本当はもう少し狩りをしようと思ったんだが…獣ではなくケダモノどもを見つけてね。その子を保護したんだ。どうやら転移系の異能で飛ばされ、記憶もないらしい。今から城へ連れていくので、後から彼女のための通行証を発行し城へ持ってきてくれ」

「はっ!了解致しました!」

「うむ、よろしく頼む」

私は今の会話を聞きながらも頭の中でまだ混乱していた。
今、姫様って言ったよね?それに城へ行くって…え?女の人なの?しかも王族?え?え?

私が困惑しているなかでミラさんが戻ってきた。

「スノウ、待たせたね。それではいこうか」

ミラさんはそのまま馬にまたがり、街の中へと入っていく。

「あ、あの…ミラさん」

「なんだい?」

「ミラさんはお姫様…なんですか?」

「あぁ、兄妹では女は私だけだから、そういうことになるな」

「えっと…王子様ではなく…?」

「まぁ、確認したいのなら触ってみるかい?」

ミラさんが私の手をとって、胸に当てようとしたので、私は焦って手を離した。

「だ、大丈夫です…」

そう言うとミラさんはフフフと手を口元に当てて笑う。

「冗談だよ、同じ女だ。そんなに気を使わなくてもよい」

「そうは言っても…あ、こんな言葉遣いじゃ…いけませんよね…姫様…」

今さらになって、姫様に対しての言葉を改めないとと思った。

「いや、スノウはそのままでいい。私の周りは少々私に気を使いすぎだ。スノウほど気軽に接してくれたらと思うのだが」

「でもミラ様は…」

「ミラさんだ」

私がミラ様と言うとミラさんは笑顔のまま顔を近づけて言った。
そんなに様呼びは嫌いなのか…。

「ミラさんはいろんな人に人気なんですね」

先ほどから道をすれ違う人がみんなミラさんに挨拶をしていた。

「そうだろうか。たしかに兄上達ほどよりは皆から慕われているかもしれないな」

気がつくと城の門の前についた。
おっきいお城だなぁ…。
まるで魔法使いの学校みたいだ。

「姫様、お帰りなさいませ」

門が開き、たくさんの人が並ぶ中、1人の老人が前に立って挨拶をした。

「じぃ、ただいま戻った」

「此度の狩りはずいぶんとお早いのですね」

「あぁ、狩りは狩りでも今日は盗賊3人だった」

「ほう、それはそれは。3人ではもの足りなかったでしょう。ところで、そちらの少女は…」

「その盗賊に襲われそうになっているところを助けたんだ。その折に服を破かれたようで、彼女に合う服をいくつか見繕って、私の部屋に置いてくれ。それから、彼女に暖かい飲み物を。私は水を浴びてくる」

「かしこまりました。それではこちらへ」

馬を降りたミラさんはまた手をとって私を下ろしてくれた。
私はそのままミラさんの執事らしき人の後をついていった。
何やら大事になってきました。

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