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第1章

呼び名を決める

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野宿の準備をする4人に対して、何をしたらいいかわからない私はオロオロとやることを探す。

主人あるじよ。何をしている』

「いや…野宿なんてしたことないから何をしたらいいかなって」

『そんなことか。別にやることがないなら何もせずともいいのではないか?』

「そんなわけにはいかないよ。フェンリルを襲わずにいてくれたんだから。それと、私を主人あるじって呼ばないで」

『うむ、ではなんと呼べばよい』

「私の名前はモモなんだからモモって呼んでくれればいいの」

『では、モモと呼ぶことにしよう。それでは我のこともフェンリルではなく、名を与えよ。その方が戦闘ではスムーズにことが運ぶこともある』

「名前かぁ…んー…フェンリルだからルゥっていうのはどう?」

『うむ…ルゥか。少し可愛すぎる気もするが、それにしよう。今日から我はルゥと名乗る。よろしく頼む、モモよ』

「こちらこそよろしくね、ルゥ」

私はルゥの頭を撫でる。
その時、くぅーとお腹が鳴った。

「そういえばこっちにきてから何も食べてない…そうだ!ルゥ、何か食べ物を取って来てくれないかな?」

『人間の食べる物はよくわからぬ。具体的に何を取ってくればいい?』

「そうだなぁ…何かお肉?牛とか鳥とか豚とか?」

『わかった。少し待て』

そう言うとルゥは一瞬でいなくなり、5秒ほどで何かを咥えて帰ってきた。

『これでどうだ』

ルゥがそう言って咥えていた物を落とすと、なんというかおっきい…豚?でも人型なような…。

「うお!?なんだこれ?オークか?」

後ろからカイルが近づいてきて驚いた。
その声に他の3人も手を止めて集まってくる。

「モモ、これはいったい?」

ガラムさんに聞かれて慌てて答える。

「えっと…何か食事を作ろうと思ってルゥ…フェンリルに何か食べ物を取ってくるよう頼んだらこれが…」

「たしかに魔物は食べられるが、オークをこんな短時間に狩ってくるとは…」

「このオーク?は強いのですか?」

「1体ならば俺たちでもなんとかなるが、群れになると苦戦はするだろう」

そんな感じなのか…。
私はゲームとかあんまりしたことないから、いまいちモンスターとかの強さはよくわからない。
唯一したことあるゲームもキャラを作って終わった気がする。

「えっと…食べられるんですか?」

「もちろん食べられるよ。解体しましょうか?」

「ほんとですか?」

ぜひ、お願いしたい。
解体なんて気持ち悪くてきっとできない。
いや、現実世界で解剖見たことあるけど…。

「そのかわり、オークの素材をくれないかな?」

素材…別に私が持っててもしょうがないし、いっか。

「大丈夫ですよ。お肉の部分だけくれたら」

「そう!じゃあさっそく私が…」

「ちょっと待った!」

エルさんがナイフを取り出したところでカイルが止める。

「俺もオークの素材が欲しい。解体なら俺がやってやる」

「ちょっと、私が先にモモちゃんに頼まれたのよ?」

「それは流れでだろう?俺だって新しい装備が欲しい」

バチバチと火花を散らして口喧嘩をする2人をオロオロとしている私。
つい、ガラムさんとアイシアさんを見る。
私の視線を受けて、ガラムさんがカイルとエルさんを止めに入った。

「お前ら2人で解体しろ。それで、素材は折半だ。いいな?」

「ぐぬぬぬ…ガラムさんが言うなら」
「ガラムがいうならわかったわよ…」

みんなガラムさんには逆らえないのか…。
私はホッとして、2人の解体を待った。
そして無事に豚肉?をゲットしたのだった。
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