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1章:魔法学園入学
寮までの道のり
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船に乗って6時間。
私達は再び王都へ。
ちなみに、荷物は王都の港で学校の人へ渡して寮へ運んでくれるらしい。
「リン様!」
港の入り口でレインが出迎えてくれた。
「船旅ご苦労様です」
「うん…あの…様つけは…」
「何を言うんですか!私はリン様の騎士なのですよ?むしろリン様は私を呼び捨てにしてください!」
「う…」
こんな所で騎士にしたことを後悔することになるとは…。様つけされると中々恥ずかしいのだ…。
けっきょくレインの勢いに負けて私はレインを呼び捨てにすることになった。
とりあえず私達は学園の寮へ向かう。
「そういえば…レインは、何組…?」
「私は1組になりました!当然リン様も1組ですよね?これからよろしくお願いします!」
「ちょっと!あんた!」
私とレインが話をしている中にハナちゃんが割って入った。
「……なにか?」
「リンに近すぎなんじゃない?リンは私達と学校行くんだから!」
そう言ってハナちゃんは私の腕を引っ張る。
「私だって学校へ行くんですから一緒に行っても変ではないでしょう?」
レインも負けじと反対の私の腕を引っ張る。
「だったらもう少し離れなさいよ!リンの横には私がいるんだから!」
「いいえ!リン様の横には私がいるんです!」
睨み合う2人。
「そんなんどっちでもいいじゃんか」
後ろからゴウくんが言うと、2人がキッと睨みつけた。
「的外れは黙ってなさい!」
「そうです!的にも当てられない的外れは!」
「的外れいうな!なんだよちくしょう!」
なんだか収拾がつかなくなってきたので私は2人の手を払いクロくんのところへいき手を握る。
「私…クロくんと…行く…」
「は、はぁ!?」
クロくんが明らかに驚いた声を出した。
「クロ……あなた…」
「あなたはリン様のご友人の中でも仲良くなれそうと思っていましたのに…」
2人は魔筆を取り出し式を書き出した。
「お、おい待て!待てって!俺を目のかたきにするのはおかしいだろ!?」
「問答無用よ!私からリンを取ろうとするなら容赦しないわ!」
「リン様の騎士として変な虫がつかないようにしなくてはいけませんので」
式を書き終えてハナちゃんはおそらく肉体強化をして、レインは魔法陣から氷の剣を作り出して構える。
「お、おい!リン!俺の手を…」
「……?」
クロくんは私の顔を見ると言いかけてた言葉を止めた。
そしてじりじり近づく2人。
「あぁーもう!!とにかく落ち着けお前らぁ!」
そう言って私の手を握りながら走り出すクロくん。
「あ!待ちなさい!」
「逃がしませんよ!」
そして追いかけてくる2人。
人の間を駆け抜けてクロくんが家と家の隙間を見つけそこに入り込む。
「どこへ行ったのよ!」
「手分けして探しましょう!」
「わかったわ!私はこっち!」
「了解しました。では私はこちらを」
2人がどこかへ行ったのを確認してクロくんは大きなため息を吐いた。
「あいつら…あんだけ連携取れるならもっと仲良く…」
「クロ…くん…?」
「ん…?はっ…」
今の私とクロくんの状態はなぜこうなったのかクロくんが私を押し倒してるような形。
「わ、わぁー!?すまん!リン!」
急に大きな声を出して私から離れるクロくん。薄暗くてよくわからないがクロくんの顔が赤くなっているように見える。
「……?別に…大丈夫…クロくん…病気…?」
「は、はぁ?何言って…」
私はクロくんのおでこに自分のおでこをくっつけた。
ママが私に熱がある時によくやってくれたのだ。
「な、な、な…」
「熱…ないね…」
「あ、あるわけないだろ!?」
そう言ってクロくんは私から離れる。
「でも…顔…赤いから…」
「な、なんでもない!心配するな!」
「クロくんが…そういうなら…」
クロくんは私の返事を聞くと後ろを向いた。
私はクロくんの手を再び握る。
「まったく…手を握ってなきゃダメか?」
「うん…ダメ…」
「じゃあ…しょうがないな…」
そう言ってクロくんは反対の手で私の頭を撫でる。
私は頭を撫でてもらうのが好き。その人の優しさが伝わって来る感じがするから。クロくんの撫でかたはなぜか体が熱くなるけど、とても嬉しい気持ちになる。
「おーい、リンークロー」
「そういえばゴウを置いて行ってたな…行くか」
「うん…」
ゴウくんの声が聞こえた方へ手を繋いで向かった。
私達は再び王都へ。
ちなみに、荷物は王都の港で学校の人へ渡して寮へ運んでくれるらしい。
「リン様!」
港の入り口でレインが出迎えてくれた。
「船旅ご苦労様です」
「うん…あの…様つけは…」
「何を言うんですか!私はリン様の騎士なのですよ?むしろリン様は私を呼び捨てにしてください!」
「う…」
こんな所で騎士にしたことを後悔することになるとは…。様つけされると中々恥ずかしいのだ…。
けっきょくレインの勢いに負けて私はレインを呼び捨てにすることになった。
とりあえず私達は学園の寮へ向かう。
「そういえば…レインは、何組…?」
「私は1組になりました!当然リン様も1組ですよね?これからよろしくお願いします!」
「ちょっと!あんた!」
私とレインが話をしている中にハナちゃんが割って入った。
「……なにか?」
「リンに近すぎなんじゃない?リンは私達と学校行くんだから!」
そう言ってハナちゃんは私の腕を引っ張る。
「私だって学校へ行くんですから一緒に行っても変ではないでしょう?」
レインも負けじと反対の私の腕を引っ張る。
「だったらもう少し離れなさいよ!リンの横には私がいるんだから!」
「いいえ!リン様の横には私がいるんです!」
睨み合う2人。
「そんなんどっちでもいいじゃんか」
後ろからゴウくんが言うと、2人がキッと睨みつけた。
「的外れは黙ってなさい!」
「そうです!的にも当てられない的外れは!」
「的外れいうな!なんだよちくしょう!」
なんだか収拾がつかなくなってきたので私は2人の手を払いクロくんのところへいき手を握る。
「私…クロくんと…行く…」
「は、はぁ!?」
クロくんが明らかに驚いた声を出した。
「クロ……あなた…」
「あなたはリン様のご友人の中でも仲良くなれそうと思っていましたのに…」
2人は魔筆を取り出し式を書き出した。
「お、おい待て!待てって!俺を目のかたきにするのはおかしいだろ!?」
「問答無用よ!私からリンを取ろうとするなら容赦しないわ!」
「リン様の騎士として変な虫がつかないようにしなくてはいけませんので」
式を書き終えてハナちゃんはおそらく肉体強化をして、レインは魔法陣から氷の剣を作り出して構える。
「お、おい!リン!俺の手を…」
「……?」
クロくんは私の顔を見ると言いかけてた言葉を止めた。
そしてじりじり近づく2人。
「あぁーもう!!とにかく落ち着けお前らぁ!」
そう言って私の手を握りながら走り出すクロくん。
「あ!待ちなさい!」
「逃がしませんよ!」
そして追いかけてくる2人。
人の間を駆け抜けてクロくんが家と家の隙間を見つけそこに入り込む。
「どこへ行ったのよ!」
「手分けして探しましょう!」
「わかったわ!私はこっち!」
「了解しました。では私はこちらを」
2人がどこかへ行ったのを確認してクロくんは大きなため息を吐いた。
「あいつら…あんだけ連携取れるならもっと仲良く…」
「クロ…くん…?」
「ん…?はっ…」
今の私とクロくんの状態はなぜこうなったのかクロくんが私を押し倒してるような形。
「わ、わぁー!?すまん!リン!」
急に大きな声を出して私から離れるクロくん。薄暗くてよくわからないがクロくんの顔が赤くなっているように見える。
「……?別に…大丈夫…クロくん…病気…?」
「は、はぁ?何言って…」
私はクロくんのおでこに自分のおでこをくっつけた。
ママが私に熱がある時によくやってくれたのだ。
「な、な、な…」
「熱…ないね…」
「あ、あるわけないだろ!?」
そう言ってクロくんは私から離れる。
「でも…顔…赤いから…」
「な、なんでもない!心配するな!」
「クロくんが…そういうなら…」
クロくんは私の返事を聞くと後ろを向いた。
私はクロくんの手を再び握る。
「まったく…手を握ってなきゃダメか?」
「うん…ダメ…」
「じゃあ…しょうがないな…」
そう言ってクロくんは反対の手で私の頭を撫でる。
私は頭を撫でてもらうのが好き。その人の優しさが伝わって来る感じがするから。クロくんの撫でかたはなぜか体が熱くなるけど、とても嬉しい気持ちになる。
「おーい、リンークロー」
「そういえばゴウを置いて行ってたな…行くか」
「うん…」
ゴウくんの声が聞こえた方へ手を繋いで向かった。
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