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二二四話
しおりを挟む「ん……ん?」
「はぁ~、よかった。気が付いたみたいだな」
目を開けると、そこに安堵するセリカの顔が見えた。
コクピットの天井も一緒に見えている辺り、どうやら俺は仰向けになって寝ているらしい。
状況からして……
「……俺は、倒れたのか?」
「ああ、急にな。突然のことで驚いたぞ……
セレス殿の話しでは、おそらく軽度の魔力疲労ではないか、ということだったが……」
「魔力疲労?」
「ああ、騎士や魔術師が魔力を限界まで酷使すると起こる症状だ。酷い時には死に至ることもあるが……
セレス殿の見立てでは、そこまで深刻なものではないらしいから安心しろ」
やはりあの気だるさは、MPの過剰消費が原因だったのか。
試しに、【身体解析】でセルフチェックをして見ると、状態蘭に【魔力疲労・Lv1】と出ていた。
「そっか。なんか心配かけたな。それで、俺はどれくらい気を失っていたんだ?」
「そうだな……四半刻(三〇分)は経っていないと思うが……」
ということは、十数分くらいか? にしても……
「なぁ、セリカ?」
「なんだ?」
「普通、こう誰かが倒れた場合、美女が膝枕で介抱するってのがお決まりだと思うんだが、俺は地べたに据え置きなのかね?」
「生憎と、この場に美女が居なかったものでな。
それに、お前が倒れた時、どうやら頭を打っていたらしく、打ち所が悪い可能性もあると、セレス殿が頭を動かさないよう言っていたのだ」
「前半はともかく、後半は正論過ぎてなんも言えねぇ……」
頭部に外傷を受けた場合、極力動かさないようにするのがセオリーだからな。
言われてみれば、確かに頭の右側がズキズキと傷むのを感じる。
こりゃ、タンコブ出来てるかもな……
「さて、バカ話しもこれくらいにして……よっ……んぐっ!?」
で、何時までも硬い金属板の上に横になっているのも、それはそれで辛いので、さっさと起き上がろうとしたのだが、これが不思議と全身に力が入らず、まったく起き上がることが出来なかった。
「ああ、無理をするな。魔力疲労の時は体が思うように動かなくなる。
今は魔力の回復を待って、ゆっくり安静にしていることだ」
と、セリカにそう窘められた。
ということは、暫くは碌に身動きが取れないということか……
そうはいっても、このまま硬い床の上ってのも辛いのだ。で、ふと、妙案が浮かんだ。
「なぁ、セリカ」
「なんだ?」
「安静にしていないといけない、というのは分かるが、正直、動かない体で硬い床の上に寝かされていると体中が痛いのだよ」
「ほう……で? 私に何をしろと?」
「うむ。話が早くて助かるな。
こうして意識もはっきりして会話も出来ていることから、おそらく頭に障害の類はないと思う。
そこでだ。ここは一つ、膝枕で介抱してくれてもいいのではないだろうかと思う次第なのだが……」
「…………」
冗談半分、期待半分。
そんな気分でセリカにそう言うと、暫しの無言の後に……
「……まぁ、よかろう」
そんな思いも寄らない返事が返って来たのだった。
絶対断られると思っていたが……案外、言ってみるものである。
「王国に差し迫っていたかもしれない危機を、未然に防いだ功労者からの頼みだ。
それくらいは聞いてやろう。ただし、私は膝枕などしたことがないからな。
どんな不都合があっても知らんからな?」
「そこは大丈夫だ。俺だってされたことなんてないから、何が正しいかなんて知らんよ」
そう言うと、セリカが俺へと近づき、そっと頭を持ち上げてその秘儀の上に置く。
っ!? こっ、これはアカンやつやっ!
後頭部にダイレクトに感じる暖かく柔らかい感触……
やや首の確度がキツイような気がしないでもないが、それを差っ引いて余りある心地よさがそこにあった。
うむ。膝枕、されたのは初めてだが悪くないな。というか、むしろ非常に良いっ!
そういえば確か、セリカは一八歳だって言っていたよな?
現代日本で考えれば女子高生の年齢だ。
つまり俺は今、JKに膝枕をされているということか? なんか……急に犯罪臭がやべぇな……
そして、俺はそっと考えるのを止めた。
「そういえば、セレスの姿が見えないけど、あの子はどうしたんだ?」
俺がこんな状態なので、外に出られるとは思えないが、少なくともコクピット内部に彼女の姿は見当たらなかった。
「ああ、セレス殿ならどうにか扉を開けられないか調べているよ」
ということは、ハッチの方か……まぁ、ここに居なければそこしかないか。
俺が倒れたことで、二人とも実質コクピットに閉じ込められた形になってしまっていたからな。
何とか脱出の為に、閉ざされたハッチを開けようと試みたのだろうが……
ハッチの開閉が俺しか出来ない仕様になっている以上、然もありなん、である。
「そうか。けど無理だろうけどな」
「無理?」
俺のそんな呟きに、セレスがオウム返しにそう聞いて来た。
「ああ。そもそも、ハッチは俺以外が開けることを想定して作ってないんだよ。だから、俺以外が、しかも人力だけで開ける方法なんてないんだ」
勿論、破壊前提でこじ開ける、というのなら、まぁ、不可能ではないかもしれないが……
ただ、それだってブルッククラスの実力者を相当数集めて、数日掛かりでひたすらハッチを攻撃すれば、もしかしたら破壊出来るかも? という程度の話しだ。
なんて話をしていたら……
「ダメですね。あれは、スグミ以外が開くことを想定して作られていないようで……って、よかった。気が付いたのね」
丁度、ハッチへと続く通路からひょっこりと帰って来たセレスと目が合った。
「おかげさまでな」
そして、セレスがそのまま俺の方へとひょこひょこ近づいて来ると、俺の近くに膝を突く。と……
ぐいっ
「うぇっ!?」
突然、瞼を強制的に開かれ、セレスが俺の目を覗き込むように顔を近づけて来た。
「……充血、濁りは……特にないわね。瞳孔も……ちゃんと動いているようね」
それだけ言うと、セレスが俺からすっと離れて行った。で、
「何か体に違和感はないかしら?」
と、今度はそんな質問をして来た。どうやら、倒れたからことで診察か何かをされているらしい。
ならばと、無駄に抵抗するようなことはせず、素直に答えることにした。
「妙な気だるさがあるのと、体が思うに動かない以外は、まぁ特にはないかな?」
「そう。典型的な魔力疲労の症状ね。
まぁ、あれだけ魔力を行使したんですもの。魔力疲労になって当然と言えば当然かしら。
というか、私としてはその程度で済んでいることの方が驚きね。
普通なら、死んでいてもおかしくない量の魔力を使っていたと思うのだけど……」
「そうなのか? その辺りのことはよく知らんが、まぁ、俺は特別だからな」
それも、色々な意味で、な。
「で? そんな特別な貴方は、一体そこで何をやっているのかしら?」
今までは医者のようだったセレスが、ふと、どこか冷えた眼差しになって俺を見る。
「膝枕。今日一の功労者の特権ってやつだ」
そんなセレスに、俺は逆に得意顔でそう言い返したのだった。
♢♢♢ ♢♢♢ ♢♢♢ ♢♢♢
その後、俺が倒れている間にあったことを簡単に説明してもらった。
とはいっても、高々十数分の出来事ではあったが。
まずは女王陛下とラルグスさんへ、ベルへモス(仮)の討伐報告。
それと、ついでに俺が倒れたということも一緒に報告したと言う。
二人とも、随分と心配していたと、セリカからはそう聞かされた。
一応、専門医も呼ばれたとかで、共振リングを利用し専門医に指示を出してもらい、それにセレスが従い、状況や状態を確認し報告する、という応急措置的なこともやっていたらしい。
何でも、セレスは学者としての知識だけでなく、医者としての知識もかなり豊富に持ち合わせているスーパー才女らしく、医者としての実務経験こそ皆無だが、その知識量は専門医すら凌駕するのだと、呼ばれた医者先生が得意気に語っていた。
と、セリカが教えてくれた。
何でも、呼ばれた専門医というのが、セレスを指導した師匠なのだとか。
その結果、気を失いはしたが、軽度の魔力疲労だと診断されたのだ。
本来なら、この程度の魔力疲労で気を失うようなことはないらしいのだが、普段、魔力疲労に慣れていない者なら、軽度でも稀に気を失うこともある、とは美少女学者医師セレスさんのお言葉である。
……属性多くない?
ちなみに、中度になると酷い眩暈や眼球の充血、嘔吐など。場合によっては、泡を吹いての失神。
そして、重度になるとそれプラス意識の混濁、全身の痙攣、鼻血、吐血などの出血をするようになる、とのことだった。
まぁ、そんな話を聞いている間も、功労者特権をフル活用し、セリカに膝枕をしてもらったままだったわけだが……
ぐっ、ぱっ、ぐっ、ばっ……
話しを聞いている間に、ある程度は体も回復した様で、右手だけならそこそこ自由に動かせるようになっていた。
「少しは回復してきたみたいね」
それを見て、セレスがそんなことを言う。
「ああ、これなら……」
俺はそう言うと、インベントリからMP回復ポーションを一本取り出し、それを手に取った。
そして、器用に口で蓋を開けると、セリカの膝枕で寝そべった姿勢のまま、それを飲み干した。
クールタイムはとうに過ぎているからな。
MP回復ポーションを飲んだことで、半分割程度だったMPが全快し、不思議と今まで重かったからだが、急激に軽くなるのを感じた。
MP消費によって起きた症状だから、MPを回復すれば元に戻るかも? と思い試してみたのだが、どうやら正解だったらしい。
「さて、よっこらしょっとくらぁ……」
そんなジジ臭い掛け声一つ。
俺は、安楽の園であるセリカの膝枕から抜け出して立ち上がった。
ちなみに、俺のMP回復の自然回復量は、大体一分で最大値の0.5パーセント程度だ。なので、MPがゼロになっても二〇〇分もすれば完全回復することが出来た。
しかも、動かずにじっとしていると回復量が二倍になるスキルがあるため、安静にしていればその半分、一〇〇分で全開することが出来るのだ。
とはいえ、セリカの膝枕がいくら魅力的だとしても、トータルで一〇〇分も金属板の上で転がっているのは体が辛いからな。
気を失ってから現在までで、大体五〇分程経過しているとはいえ、残り五〇分をあのまま過ごすのもな……
「もう動けるのか? いくら軽度とはいえ、まだそんなに時間は経っていないはずだが?」
そんな俺を見て、セリカが不思議そうにそんなことを言う。
「まぁ、こいつのおかげでな」
そんなセリカに、俺は手にしていた空になったMP回復ポーションの瓶を小さく左右に振ってみせた。
「それは?」
「こいつはMP……いや、魔力を回復するポーションでな。飲むと消費した魔力を回復させることが出来るんだよ」
「ドラゴンでの移動中、それにベルへモスと戦っていた時にも、時折、何か飲んでいたみたいだったけど……それを飲んでいたのかしら?」
ほぉ、と何か関心あり気に声を上げるセリカを差し置いて、より食い気味にこの話題に食いついて来たのはセレスの方だった。
てか、近い近い……
「あ……ああ、そうだな」
やたら詰め寄って来るセレスをやんわりと手で制し、遠ざける。
「スグミは知らないでしょうけど、我が国に人為的に魔力を回復させる薬なんて存在しないの。というか、世界中探してもそんな物があるかどうか……
何故なら、一度消耗した魔力は、時間経過以外では回復することが出来ないから、というのが魔道学における常識だからよ。
でも、もし、スグミが言っていることが真実なら……
ああ、勘違いしないで聞いて欲しいのだけど、別に疑っているとかではないのよ? まだ確証がない状態だから、便宜上は仮定として話させてもらう、という話しね。
それで、もしスグミの話しが真実であるなら、それはとんでもない発見ということになるわ。
それこそ、今までの魔道学の常識を覆しかねない程のね。
特に、魔術士や騎士にとっては、継戦能力に直接関わる要素だから、場合によっては用兵そのものが変わってしまう可能性すらあるわ。
つまり、今までとは戦い方の形がガラっと変わってしまう、ということね。
それで、スグミはその薬の作り方を知っているのかしら? 効果は? 副作用とかはないの? もし余裕があるなら、研究用に一つ譲って欲しいのだけれど?」
「ちょっ、ちよっと待て待てっ! ストップ! ストーーーップ!」
何がセレスの学者としての琴線に直撃したのかは知らんが、何時もの表情、何時もの声、されど口早で鼻息荒くグイグイ詰め寄ろうとしてくるセレスを必死で宥める。
「余りはあるから、一つくらいなら譲ってやるよ。それと、詳しい話しは帰ってからな?」
「ん、ええ。分かったわ」
しかし、そんな興奮気味だったセレスだったのだが反面。理知的とでもいうのか、後で付き合う、というと途端にすっと身を引いてくれた。
ただ、その“帰ってから”が怖い気がするが……
「ところでスグミ。一ついいか?」
「ん? なんだ?」
そんなこんなで、セレスとのやり取りに一段落ついたところで、セリカがそう話し掛けて来た。
「そのポーションを飲めば、端からわざわざ私が膝枕なんぞする必要はなかったのではないか? ん?」
笑顔なのに、目が笑ってないですよセリカさん?
ふぅ~、やれやれ。これだから敏い人間は嫌いなのだ。するっと流していればいものを……
というわけで、この後“体の自由が利かないと飲むのも大変だから”とか“インベントリからアイテムを出すにもMPが必要だから(ウソ)”とか、めちゃくちゃ言い訳をして、事なきを得たのだった。
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