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第2章 クリューガー公国との戦い
帝都入城
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大きな城門をくぐる一行。ラディムを守るように、四頭の馬が取り巻く。そのすぐ左に構えるのはカレルの馬である。
しかし、大きな城壁である。くぐった城門は今まで経験したことないほどの大きさであるにもかかわらず、城壁に比して小さく感じられるのだから。
『プロスペロウスの二重城壁』という城壁である。古代、かつてこの大陸を支配した『リーバ帝国』。その末期に皇帝であったプロスペロウスが帝都の守りとして築いた城壁が、現在の城内の内壁となっている。一方、一番外側を取り巻いている実質上の城壁はそれより四百年後、第二次民族大移動の際この都市がオストリーベ神聖帝国の首都となった際に竣工されたものである。それより二百年の年月をかけ、より巨大にそしてより強固に建設が続けられた。その結果が今の帝都を最後に守護する、『プロスペロウスの二重城壁』である。
帝都の雰囲気は同じく大都市のミュットフルトやハレンスブルクとも違っていた。人口は多いが商人の数はそれほどではない。貴族階級やそれに仕える平民たちの町、という言い方が一番はっきりしているのかもしれない。市の商業参事会も存在せず、帝都の経済は各地から集められる税によって成り立っていた。いうなれば『諸侯がささえたる都』であった。
そんな街の中を行く一行。わずか五騎のみである。引き連れていた部隊は外城壁に面した野営地にて逗留を余儀なくされている。野営地とはいえ、簡易な宿なども完備しているのでそれほどの不便はないだろう。
『いかなる諸侯であっても、帝都内に私軍を滞在させることを許さず』
帝国法による規定である。その帝国法を制定するのが帝国議会。諸侯の合議体としての身分制議会であり、ラディムが正式に公爵位を創造くするためにはその同意が必要であった。
一行は内城壁、すなわち古代のプロスペロウス帝によって作られた城壁にたどり着く。ここからは帝国でも、それなりの貴族しか居住を許されない中心市街地となっていた。その奥には『皇帝』の宮殿もある。下馬が強制され、馬が石の壁につながれる。
何分歩いたであろうか。どこまでも続く石畳の突き当りにその建物があった。
正面にはでかでかと『クリューガーの薔薇と槍』の紋章が掲げられている。
帝国首都クリューガー公爵家公邸であった。
一同はゆっくりと歩みを進める。一人の騎士がラディムを守りつつ、扉の前に立つ。
詠唱を始めるラディム。クリューガーの家のものしか知らない、魔法術の『鍵』である。
しかし、扉は何の反応もしない。どうやら鍵はかかっていないようだった。
そしてゆっくりと、人間の力で扉が開かれる。内側から――
そこには、一人の男が待ち構えていた。
名前をラルス=ヘルツフェルトというモノクルをかけた背の高い中年男。
ラディムはその顔を良く見知っていた。この公邸の住人にして、父親のアロイジウスの信任も厚い『駐在帝都代理公使』のヘルツフェルトの存在を――
しかし、大きな城壁である。くぐった城門は今まで経験したことないほどの大きさであるにもかかわらず、城壁に比して小さく感じられるのだから。
『プロスペロウスの二重城壁』という城壁である。古代、かつてこの大陸を支配した『リーバ帝国』。その末期に皇帝であったプロスペロウスが帝都の守りとして築いた城壁が、現在の城内の内壁となっている。一方、一番外側を取り巻いている実質上の城壁はそれより四百年後、第二次民族大移動の際この都市がオストリーベ神聖帝国の首都となった際に竣工されたものである。それより二百年の年月をかけ、より巨大にそしてより強固に建設が続けられた。その結果が今の帝都を最後に守護する、『プロスペロウスの二重城壁』である。
帝都の雰囲気は同じく大都市のミュットフルトやハレンスブルクとも違っていた。人口は多いが商人の数はそれほどではない。貴族階級やそれに仕える平民たちの町、という言い方が一番はっきりしているのかもしれない。市の商業参事会も存在せず、帝都の経済は各地から集められる税によって成り立っていた。いうなれば『諸侯がささえたる都』であった。
そんな街の中を行く一行。わずか五騎のみである。引き連れていた部隊は外城壁に面した野営地にて逗留を余儀なくされている。野営地とはいえ、簡易な宿なども完備しているのでそれほどの不便はないだろう。
『いかなる諸侯であっても、帝都内に私軍を滞在させることを許さず』
帝国法による規定である。その帝国法を制定するのが帝国議会。諸侯の合議体としての身分制議会であり、ラディムが正式に公爵位を創造くするためにはその同意が必要であった。
一行は内城壁、すなわち古代のプロスペロウス帝によって作られた城壁にたどり着く。ここからは帝国でも、それなりの貴族しか居住を許されない中心市街地となっていた。その奥には『皇帝』の宮殿もある。下馬が強制され、馬が石の壁につながれる。
何分歩いたであろうか。どこまでも続く石畳の突き当りにその建物があった。
正面にはでかでかと『クリューガーの薔薇と槍』の紋章が掲げられている。
帝国首都クリューガー公爵家公邸であった。
一同はゆっくりと歩みを進める。一人の騎士がラディムを守りつつ、扉の前に立つ。
詠唱を始めるラディム。クリューガーの家のものしか知らない、魔法術の『鍵』である。
しかし、扉は何の反応もしない。どうやら鍵はかかっていないようだった。
そしてゆっくりと、人間の力で扉が開かれる。内側から――
そこには、一人の男が待ち構えていた。
名前をラルス=ヘルツフェルトというモノクルをかけた背の高い中年男。
ラディムはその顔を良く見知っていた。この公邸の住人にして、父親のアロイジウスの信任も厚い『駐在帝都代理公使』のヘルツフェルトの存在を――
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