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その14

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「でももう……マリアはもう死んだのでしょう?」

「ほう……そう思うのであれば、自分で確かめるのがよかろう?」

看守はジジイに言われた通り、自分で確かめることにした。

「あれ……囚人がいない。どこに行ったんだ?」

看守には見えなかった。それもそのはず、天井に潜んでいた。

「ハハハハハ!このオオバカものめが!!!」

マリアはクモのように、天井からシュルシュルと降りてきた。

「なにいいっ?」

びっくり仰天した看守はもう遅かった。マリアの発した火炎放射により、姿もろとも灰になってしまった。


「ほほほほ……そなたのこの世界に対する恨み……相当強そうじゃのお……」

ジジイは大層喜んだ。

「当たり前ですよ」

マリアはそう答えた。

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