最強の勇者、婚約破棄させられる~虫のように湧いてきた聖女とやらにはめられて辺境スローライフを始めます~

tartan321

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その6

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「見たな?私の姿を……お前は見たな??」


何だか張り合いのない魔物の声が、森の中から聞こえてきた。一応、剣の用意はしておくか……なんて考えている内に、その声がどんどん大きくなった。


「お前に私が倒せるとでも言うのか?」


「さあ、そんなことは分からないさ。でも……私に襲い掛かってくるのなら、手加減はしないぞ?」


「うーん……それは困った話だなあ……」


「はい?いま、なんて言った?」


「うん?だから、そうすると困ったことになる、と言ったのだ」


私には理解できなかった。何が困るのだろうか?


「それはどういう意味なんだ?」


「つまりだなあ……見たところ、お前は最強レベルの勇者ではないのか?だとすると……ああ、私ももう年寄りだからな、襲い掛かった瞬間、お前に殺される未来が待っている、というわけだ。ああ、もっと弱い人間だったらよかったのに……」


魔物の嘆きの理由は分かった。それを聞いて、断然この魔物を倒さなければならないと思った。


「ああ、待ってくれ!!!今のは一種のジョークだ、アメリカンジョーク!!!」


「下らないこと言ってないで、潔く私と戦え!!!」


私は剣を振り下ろした……。



しかし、魔物には恐らくヒットしなかった。狙いは正確だったはずなのに……どういうことだろうか?


「ああ、森が……森が燃えています!!!」


魔物の子供はそう言ってあたふたしていた。


「やれやれ……危ないところだった……。あの剣を真面に受けていたら、とっくに死んでたぞ……」






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