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その6
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イングリットと母親のいさかいは長く続いた。イングリットは母親を愛し、母親はイングリットを愛していた。母親は、イングリットがハルトマン王子に嫁ぐことが幸せだと思っていた。
「そういうことは、全部ローズに丸投げすればよかったのです……」
イングリットがこう言うと、
「王子との婚約は長女の責務です」
と母親が切り返した。
「それが、あなたにとって最も素晴らしい人生になると、私たちが信じていたからです……」
「お母様、でも、私を見てくださればわかるでしょう?ちっとも幸せなんか感じませんのよ?」
二人のいさかいは結局、収束しなかった。母親は、イングリットの将来について嘆き始めた。
「ですから、お母様に紹介していただきたいのです。私をどこか辺境に連れて行ってくださいますように」
「結局、それしかないのですね……」
母親は元々辺境貴族の出身だった。従って、母親の紹介する地に赴けば、第二の人生をスタートさせることができると、イングリットは期待した。
「そういうことは、全部ローズに丸投げすればよかったのです……」
イングリットがこう言うと、
「王子との婚約は長女の責務です」
と母親が切り返した。
「それが、あなたにとって最も素晴らしい人生になると、私たちが信じていたからです……」
「お母様、でも、私を見てくださればわかるでしょう?ちっとも幸せなんか感じませんのよ?」
二人のいさかいは結局、収束しなかった。母親は、イングリットの将来について嘆き始めた。
「ですから、お母様に紹介していただきたいのです。私をどこか辺境に連れて行ってくださいますように」
「結局、それしかないのですね……」
母親は元々辺境貴族の出身だった。従って、母親の紹介する地に赴けば、第二の人生をスタートさせることができると、イングリットは期待した。
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