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第一章
赤き空 その1
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空襲を知らせる警報が鳴り響いたのは、家に着く寸前だった。いよいよやってきた!とにかく急がないと。彼らは本気で全てを破壊しようとしている。
結局は単なる破壊者にすぎないのか?
アメリカ人は?フィッシャーは?
「敵機接近!」
町内会の知り合いがけたたましく声を張り上げた。この肉声を掻き消すかのように、戦闘機の群れが熊蜂のようにプロペラの音を響かせる。ブーンブーンとけたたましく叫んでいる。奴らはまるで、大きなトンボのように見えた。
ヒュルルルルルルルル……………………………………
ヒュルルルルルルルル…………………………………
ヒュルルルルルルルル………………………………
ヒュルルルルルルルル……………………………
ヒュルルルルルルルル…………………………
空中で大きな花火を打ち上げているようである。トンボから切り離された黒い尖塔の塊が排卵のように降り注ぐ。確かに空中のはるか上を彷徨っている頃は小さくて可愛らしい卵である。重力に従って次第に私たちの住む大地へ近づいてくると、途端に孵化し始めて巨大な怪物に変化する。大地を、人間を、跡形もなく丸のみにしていく。孵化のスイッチは地面すれすれのところで入る。ガタンと、まるで列車が動き出すかのような音がして次の瞬間……。
「……………ぁああぁっ!……………」
「あぁ……だめだこりゃ…!このままじゃみんなやられちまうぞぉ…………!」
数えて十軒隣の家が赤黒い焔の中へ消えていった。住人は無事なのだろうか……?
「早く……海辺の水をくんでくるんだ。このままじゃ、本当に手遅れになっちまうぞぉ……!」
やばい……また殴られる……?
違う……。そうだ、父さんの声だ。どこから?
「早くしねえか!あいつらを生かして返すわけにはいかねぇだろう!」
屋根の上で父が猛烈に叫んでいた。鷹のように鋭い瞳は、片取村が消えていく様、そして、はるか遠くのトンボたち、この二つを交互に見据えていた。
勝てっこない。早く逃げろ、と言わないと……。
「犬どもめ!おい、お前ら!お前らだよ!見て分からねえのか?そのカエルみてえな目でよく見やがれ!てめえらに反抗する日本人はここにいるぞ!ほら、俺を殺してみろ!ここだ!ここにいるぞぉ!どうした?戦え!」
有りっ丈の声を張り上げて一人戦う父は勇ましかった。
日本人としての誇り……魂………。
戦え!
私はそんな父を制止することができなかった。
結局は単なる破壊者にすぎないのか?
アメリカ人は?フィッシャーは?
「敵機接近!」
町内会の知り合いがけたたましく声を張り上げた。この肉声を掻き消すかのように、戦闘機の群れが熊蜂のようにプロペラの音を響かせる。ブーンブーンとけたたましく叫んでいる。奴らはまるで、大きなトンボのように見えた。
ヒュルルルルルルルル……………………………………
ヒュルルルルルルルル…………………………………
ヒュルルルルルルルル………………………………
ヒュルルルルルルルル……………………………
ヒュルルルルルルルル…………………………
空中で大きな花火を打ち上げているようである。トンボから切り離された黒い尖塔の塊が排卵のように降り注ぐ。確かに空中のはるか上を彷徨っている頃は小さくて可愛らしい卵である。重力に従って次第に私たちの住む大地へ近づいてくると、途端に孵化し始めて巨大な怪物に変化する。大地を、人間を、跡形もなく丸のみにしていく。孵化のスイッチは地面すれすれのところで入る。ガタンと、まるで列車が動き出すかのような音がして次の瞬間……。
「……………ぁああぁっ!……………」
「あぁ……だめだこりゃ…!このままじゃみんなやられちまうぞぉ…………!」
数えて十軒隣の家が赤黒い焔の中へ消えていった。住人は無事なのだろうか……?
「早く……海辺の水をくんでくるんだ。このままじゃ、本当に手遅れになっちまうぞぉ……!」
やばい……また殴られる……?
違う……。そうだ、父さんの声だ。どこから?
「早くしねえか!あいつらを生かして返すわけにはいかねぇだろう!」
屋根の上で父が猛烈に叫んでいた。鷹のように鋭い瞳は、片取村が消えていく様、そして、はるか遠くのトンボたち、この二つを交互に見据えていた。
勝てっこない。早く逃げろ、と言わないと……。
「犬どもめ!おい、お前ら!お前らだよ!見て分からねえのか?そのカエルみてえな目でよく見やがれ!てめえらに反抗する日本人はここにいるぞ!ほら、俺を殺してみろ!ここだ!ここにいるぞぉ!どうした?戦え!」
有りっ丈の声を張り上げて一人戦う父は勇ましかった。
日本人としての誇り……魂………。
戦え!
私はそんな父を制止することができなかった。
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