チートスキルで最強勇者~ヤンデレ聖女に愛されながらゆっくり世界を征服します~

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その14

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アルビノーニの墓は中々見つからなかった。やがて、少しイライラしたせいか、私はファンコニーに何度も尋ねた。

「どうして見つからないのでしょうか?本当にここにあるのですか?」

ファンコニーはただひたすら、スコップを用いて、遺跡を下の方へ掘り進めた。遺跡の地下にアルビノーニの墓があることは、確かにそうだと思った。しかしながら、もう一週間経った。これ以上掘り進めると、地上からの光が届かなくなるのではないかと思った。ファンコニーは地下通路の作成に慣れているようだから、問題にはならないのかもしれないが、私はあまり好きではなかった。

「これ以上掘り進めても、見つからないのでは?そろそろ諦めましょうか?」

すると、ファンコニーは、

「ザイザル様がなさりたいことを叶えるのが私の使命でございます。従いまして、命を懸けてでも探し出します!もうしばらくお待ちくださいませ!」

と言って、掘削のスピードを一層速めた。このままだと、いつか地球の裏側まで行ってしまいそうな気がした。しかしながら、一度決めたことをやり通す根気は素晴らしいものだと思った。

もう一週間追加して、ちょうど15日目のことだった。ファンコニーのショベルが、これ以上進まなくなった。

「どうやら、ものすごく硬い岩盤にぶち当たったみたいです!」

「すると、ここが遺跡の最下層ということなんですか?」

「分かりません。試しに横を掘ってみましょう!」

そう言って、今度は横向きに掘削を始めた。地下通路を整備するのと同じ要領みたいだった。

掘り進めると、少しずつ空間が現れ始めた。遺跡の最下層に広がる広大な空間の一部だと解釈した。

「そうすると、ここにアルビノーニの墓があるのですか?」

空間の全貌が少しずつ明らかになっていくにつれて、私は少なからず言葉を失いかけた。それというのも、ここはまるで、生き埋めになった都市だった。空間はおよそ左右5キロにわたり広がっていて、材質は恐らく石だろうか、数百メートルにもわたって築かれたビル群と、十字に整備された道路、そして、数多くの砲台がいたるところに備え付けられていた、彼らはみな天を仰いでいた。

「そう言えば……アルビノーニ伝説には続きがある。勇者として民に尊敬されたアルビノーニが復活する時、彼は、正義と悪の天秤を持ち歩いている。傾いたほうへ、彼の意志は誘導される、と……」

だとすると、この都市はアルビノーニがこしらえたのだろうか?彼らがもの悲しくも天を仰いでいるのは、いつか地上の民と戦うためなのだろうか?アルビノーニとは一体……?

「ザイザル様!ありました!」

ファンコニーが指さす先には、小さな神殿があり、その中央には、朽ちかけた棺が安置されていた。棺には、間違いなく、勇者アルビノーニと記されていた。

「これで、あなた様の願いが叶いましたね!さあっ、今すぐ復活させましょう!」

ファンコニーが復活のための呪文を唱え始めた時、私は、

「ちょっと待ってください」

と制止した。

「ええっ?ザイザル様、どうかしたんですか?」

「私はひょっとすると、間違いを犯したのかもしれません。ファンコニー、あなたが完成させた復活の魔法は、ひょっとすると、同時に悪魔を生み出す魔法になるのではないですか?」

ファンコニーは目を見開いた。

「悪魔ですって?ザイザル様、おっしゃることが理解できませんわ!」

「私も信じたくありません。でもね、地上の民が恐れおののくあなたの強さ、そして、私が天から授かった魔王を倒す力、これが全て一つになった時、ひょっとすると、アルビノーニがそうであったのかもしれません……」

「ザイザル様!」

ファンコニーは非常に悲しい瞳をして、私の元へすり寄ってきた。

「あなた様も、あいつらと同じように思うのですか?私のことを魔女だと思うのですか?ねえっ、ザイザル様?あなた様も私のことをそうやって軽蔑なさるのですか?私のことを殺そうと思うのですか?」

ファンコニーはいきなり、剣を振りかざしてきた。私は危うく、切り刻まれるところだった。

「ファンコニー!今のあなたは、何かがおかしいのです!冷静になってください!」

「私はいつでも冷静です!おかしいのは、ザイザル様の方じゃありませんの?私の復活能力を勝手に悪魔の力だと解釈なさって……どうしてですか!」

ファンコニーは棺にもたれかかった。

「ザイザル様……この能力はですね、私の私利私欲を満たすための物ではありませんの。ただ、全ての人々の愛が報われるように、失われた愛を取り戻せるように、私が模索した結果なんです。ですから、ザイザル様。あなた様の疑いを晴らすために、この場でアルビノーニ様を復活させて見せましょう。アルビノーニ様は、あなた様たちが尊敬なさる偉大な勇者様です。私の復活能力を用いれば、きっとお二人は互いに手を取り合うことができるでしょう……」

ファンコニーはそう言って、瞳をそっと閉じた。復活の儀式が始まった。なるほど、私は一瞬の迷いにとらわれて、あらぬ勘違いをしていたのだ。確かに、ファンコニーは不思議な少女だ。しかしながら、彼女の語る恋愛は真実であり、そこに偽りはない。私に対する愛も、形はぎこちないものかもしれないが、それはきっと真実の愛なのだ。

だとすれば、私はファンコニーの愛を信じ、彼女の行動を温かく見守っていれば、それでいいんだ。世界の平和を守るのが勇者の仕事である。だとするならば、ファンコニーの唱える愛の力に任せればそれで解決すると思った。

「ファンコニー……私が間違っていました。お許しください。ファンコニー……ファンコニー?」

ファンコニーの光と闇に満ちた声が聞こえなかった。その代わりに、今まで聞いたことのない、太い男の声が空間に響き始めた。

「ザイザル……君が新しい時代の勇者なんだね?」

ファンコニーは男の腕の中に横たわっていた。見るからに屈強で、かつて、世界の勇者として名を馳せた人物……。

「あなたはアルビノーニですか?」

「いかにも」

男は自分がアルビノーニであることを認めた。

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