婚約破棄は妹の策略でした?~寝取られたぐらいでは死にません!~生き恥を曝す前にしっかり復讐します!

tartan321

文字の大きさ
2 / 8

その2

しおりを挟む
「お姉様??????????お姉様は私のことをなんとも思わないのですか?????????」

そんなわけない。少なくとも、女として、これから新しい人生を踏み出すことを考えれば、スーザンほど恐ろしい敵はいない……ということになるかもしれない。

「ねえ、お姉様??????????私のことを、もっと大事にしたほうがいいと思いますよ???????だって、姉が妹の世話を焼くのは当然のことだと思いませんか????????????」

スーザンがこんなことを言うと、親衛隊を名乗るクズどもも、

「全くその通りでございます!!!!!!!!!!」

と言ってみたり、あるいは、

「マリリン様!!!!!!!!!もっともっと、スーザン様のことを考えてください!!!!!!!!」

と、直接、私に言う輩までいるものだから、大したものだと思う。

まあ、それは置いておいて、どうしてこのような事態になってしまったのか、私も色々と考えてみた。思い当たる節は幾つもあるのだが、実際のところ、分からない部分も多い。

一つ確実に言えるのは、スーザンは私の数倍も美しく、また、令嬢として非常に華やかであるということだ。社交界のスポットライトを常に浴び続け、それと共に成長する……数多くの男どもを味方につけて、ひょっとすると、私と戦うつもりなのか、なんて考えさせるくらいに厄介な女なのだ。

それだけならまだいい。実際のところ、私の両親のしつけがまずかったのは、言うまでもないだろう。元々、私マリリンは長女であるわけだから、時の第一王子様と婚約することが、ほぼほぼ宿命づけられている。だからこそ、私に対する教育は厳しかった。

それとは対照的に、まあ、言ってはなんだが、妹のスーザンは非常に甘やかされて育ったわけだ。例えば、買いたいものがあったら、すぐに買ってもらうことができるし……だから、私のドレスよりも、スーザンのドレスは非常に高価であり、彼女がより一層引き立つことにもなるわけである。まあ、実際のところ、私がスーザンのドレスを着たところで、大して意味はないと思うのだが…………。

スーザンについては、そこそこの貴族に嫁がせればいい……だからこそ、躾はある意味適当だった。そんな温室育ちのスーザンが、ある意味予想通りの結末を迎えることになるわけだった。

もちろん、私が何を言っても変わることはない。仕方のない話ではあるが、これも運命なのだ。

だがしかし…………第一王子様とほぼ確実に婚約できると思えば、こんな高々二十年の人生くらい、大したことはないと思えるのだった……。





しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】

皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」 「っ――――!!」 「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」 クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。 ****** ・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。

初対面の婚約者に『ブス』と言われた令嬢です。

甘寧
恋愛
「お前は抱けるブスだな」 「はぁぁぁぁ!!??」 親の決めた婚約者と初めての顔合わせで第一声で言われた言葉。 そうですかそうですか、私は抱けるブスなんですね…… って!!こんな奴が婚約者なんて冗談じゃない!! お父様!!こいつと結婚しろと言うならば私は家を出ます!! え?結納金貰っちゃった? それじゃあ、仕方ありません。あちらから婚約を破棄したいと言わせましょう。 ※4時間ほどで書き上げたものなので、頭空っぽにして読んでください。

国外追放ですか? 承りました。では、すぐに国外にテレポートします。

樋口紗夕
恋愛
公爵令嬢ヘレーネは王立魔法学園の卒業パーティーで第三王子ジークベルトから婚約破棄を宣言される。 ジークベルトの真実の愛の相手、男爵令嬢ルーシアへの嫌がらせが原因だ。 国外追放を言い渡したジークベルトに、ヘレーネは眉一つ動かさずに答えた。 「国外追放ですか? 承りました。では、すぐに国外にテレポートします」

悪役令嬢と言われ冤罪で追放されたけど、実力でざまぁしてしまった。

三谷朱花
恋愛
レナ・フルサールは元公爵令嬢。何もしていないはずなのに、気が付けば悪役令嬢と呼ばれ、公爵家を追放されるはめに。それまで高スペックと魔力の強さから王太子妃として望まれたはずなのに、スペックも低い魔力もほとんどないマリアンヌ・ゴッセ男爵令嬢が、王太子妃になることに。 何度も断罪を回避しようとしたのに! では、こんな国など出ていきます!

拝啓~私に婚約破棄を宣告した公爵様へ~

岡暁舟
恋愛
公爵様に宣言された婚約破棄……。あなたは正気ですか?そうですか。ならば、私も全力で行きましょう。全力で!!!

護国の聖女、婚約破棄の上、国外追放される。〜もう護らなくていいんですね〜

ココちゃん
恋愛
平民出身と蔑まれつつも、聖女として10年間一人で護国の大結界を維持してきたジルヴァラは、学園の卒業式で、冤罪を理由に第一王子に婚約を破棄され、国外追放されてしまう。 護国の大結界は、聖女が結界の外に出た瞬間、消滅してしまうけれど、王子の新しい婚約者さんが次の聖女だっていうし大丈夫だよね。 がんばれ。 …テンプレ聖女モノです。

家の全仕事を請け負っていた私ですが「無能はいらない!」と追放されました。

水垣するめ
恋愛
主人公のミア・スコットは幼い頃から家の仕事をさせられていた。 兄と妹が優秀すぎたため、ミアは「無能」とレッテルが貼られていた。 しかし幼い頃から仕事を行ってきたミアは仕事の腕が鍛えられ、とても優秀になっていた。 それは公爵家の仕事を一人で回せるくらいに。 だが最初からミアを見下している両親や兄と妹はそれには気づかない。 そしてある日、とうとうミアを家から追い出してしまう。 自由になったミアは人生を謳歌し始める。 それと対象的に、ミアを追放したスコット家は仕事が回らなくなり没落していく……。

出来損ないの私がお姉様の婚約者だった王子の呪いを解いてみた結果→

AK
恋愛
「ねえミディア。王子様と結婚してみたくはないかしら?」 ある日、意地の悪い笑顔を浮かべながらお姉様は言った。 お姉様は地味な私と違って公爵家の優秀な長女として、次期国王の最有力候補であった第一王子様と婚約を結んでいた。 しかしその王子様はある日突然不治の病に倒れ、それ以降彼に触れた人は石化して死んでしまう呪いに身を侵されてしまう。 そんは王子様を押し付けるように婚約させられた私だけど、私は光の魔力を有して生まれた聖女だったので、彼のことを救うことができるかもしれないと思った。 お姉様は厄介者と化した王子を押し付けたいだけかもしれないけれど、残念ながらお姉様の思い通りの展開にはさせない。

処理中です...