婚約破棄……されてます?

tartan321

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婚約破棄進行中

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「ああっ、本日は晴天なり……」

テレビをつけてアニメでも見ようかと思っていました。すると、不思議なことに、全チャンネル王子様の演説を中継していました。

「ええっ、それでは王子様より重要なお知らせがございます」

「ええっ、お集まりの皆さん、並びに、全国民の皆さんにお知らせいたします。今この場で私は婚約破棄を宣言いたします……」

「ええっ――――――――――――――――――!!!?」

驚くのも当然です。だって、王子様の婚約者は他でもなくこの私なのですから。

「ええっ、以上です!」

ちょっとちょっと!待ってくださいよ。どうしてそんなことが起きるのですか?一体全体宇宙の果てまで私の何が不満だというのですか?世界一の賢者で、世界一の美貌を持って、世界一旦那様に尽くすことができるといいますのに!酷いですよ!

「ええっと……元婚約者のミレーさんは今、このテレビを見ていますかね?」

見てるもなにも、私に反論させろ!独裁反対!女をもっと大事にしろ!差別反対!

「その傲慢な顔をひっぺかしてやりたいんだがなあっ……君は世界一の賢者で、世界一の美貌を持って、世界一旦那様に尽くすことができると言った……」

そうそう、よく覚えていらっしゃるじゃないですか!光栄ですわ!でっ、婚約破棄の理由とは?

「だがしかし、君のグータラ癖だけは看過することができないな……。君はいっつも広間に寝っ転がってテレビばっかり見ているじゃないか。アニメアニメって、そんなに君は虚構が好きなのかな?」

虚構…………?違う!アニメを見るのは、女の子の憧れであって、それを具現化するための手段なのよ!別に王子様と現実をないがしろにしているわけじゃないんだから!

「私の贈り物……愛犬のフィリーをとうとう殺した……やっぱり君は最低の女だよ……」

違う!あれは病気だったのよ!私、ちゃんと面倒見ていたんだから!

「とにかく、私はミレーとの婚約を破棄する!」

これはきっと王子様の一方的な婚約破棄である、と思った。悔しい。こんな王子様だと見破れなかった自分が悔しい!

いつか必ず復讐してやるわ!
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