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その4
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私は男の言った通りにしてみた。つまり……。
「どうしてあんたを連れて行かなくちゃいけないんだ?」
「だって、私の力がなければ、あなたたちはこの戦いに勝利できないわ。だから、私は絶対必要なのよ。それに……あなたたちがそこまで惚れる姫様って言うのを、私も見てみたいから!」
男たちは最初、私のことを少し警戒していたようだが、考えてもみれば、私の言っている事は至極真っ当だった。だから、最終的には私の提案を受け入れた。
ところで……。
「 ねえ、あなたたちの国へ行く道はこんなにきついの?」
「文句言うな!置いてくぞ!」
男たちの剣幕に負けたので、私は仕方なく歩いた。普段は馬車で移動するから、これほどきつい山道は初めてだった。
「もう少し早く歩けないのか?これだから女は困るんだ……」
しんがりを務める男が、私の歩きが遅いので苛立っていた。
「うるさいわね!これだって努力してるんだから!」
こんな感じで喧嘩を続けていたら、隣国に着いた。
「いいか!国境をまたいだ者は、原則敵とみなされる!変な真似はくれぐれもするなよ!」
「……そんなことより、早く姫様とやらに会わしてよ」
「お前、人の話を聞け!」
「まあまあ、落ち着いて!」
「落ち着いていられるか!」
とりあえず、喧嘩はもう少し続きそうだった。
「どうしてあんたを連れて行かなくちゃいけないんだ?」
「だって、私の力がなければ、あなたたちはこの戦いに勝利できないわ。だから、私は絶対必要なのよ。それに……あなたたちがそこまで惚れる姫様って言うのを、私も見てみたいから!」
男たちは最初、私のことを少し警戒していたようだが、考えてもみれば、私の言っている事は至極真っ当だった。だから、最終的には私の提案を受け入れた。
ところで……。
「 ねえ、あなたたちの国へ行く道はこんなにきついの?」
「文句言うな!置いてくぞ!」
男たちの剣幕に負けたので、私は仕方なく歩いた。普段は馬車で移動するから、これほどきつい山道は初めてだった。
「もう少し早く歩けないのか?これだから女は困るんだ……」
しんがりを務める男が、私の歩きが遅いので苛立っていた。
「うるさいわね!これだって努力してるんだから!」
こんな感じで喧嘩を続けていたら、隣国に着いた。
「いいか!国境をまたいだ者は、原則敵とみなされる!変な真似はくれぐれもするなよ!」
「……そんなことより、早く姫様とやらに会わしてよ」
「お前、人の話を聞け!」
「まあまあ、落ち着いて!」
「落ち着いていられるか!」
とりあえず、喧嘩はもう少し続きそうだった。
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