婚約破棄のために魔法を使ってみたら大変なことが起きました

tartan321

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その11

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真っ黒なキャンバスに輝く無数の星が泣いていました。間もなく運命の剣が私の胸を突き刺そうとしていました。

「これでみんなとお別れね。楽しかったわ……」

自分を捨て、家族を捨て、世界を捨て、私は一体何になるというのでしょうか?

王子様の嘆きが風の便りに乗ってきそうでした。この日は至極空気が澄んでいました。もの悲しい単調な虫の囁き声に一時耳を傾けて……子守りをする烏が黒点を刻み付ける空を見上げて……中央草原にひっそりと佇む全ての息吹たちに頭を下げて……。

「お姉様!やりましたよ!」

マリーが帰ってこなければいいのに、と心のどこかで思っていました。血を纏った悪の化身に近付きたいなんて思う人はいないでしょう。しかしながら、私はこの悪魔を生んだ親なのですから、審判が下るまで、マリーと時を一緒にしなければいけません。

「この世界の悪、お姉様の障壁になる王子様は、このマリーが葬りました!」

「ありがとう。マリー……あなたはすごいわね」

「簡単なことですよ。お姉様のためならなんだってできるって言ったでしょう?それよりお姉様?ご褒美を下さいませんか?」

「いいわ。なんでもあげるわよ。何が欲しいの?私の処女?」

「いえいえ。そんな下らない愛なんかいりませんわ」

性の交わりを下らないものだなんて……マリーは既に神様を越えているみたいでした。

「私とお姉様の愛を……二人だけの世界を、この地で誓いたいのです……」

私は頷きました。
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