11 / 12
その11
しおりを挟む
真っ黒なキャンバスに輝く無数の星が泣いていました。間もなく運命の剣が私の胸を突き刺そうとしていました。
「これでみんなとお別れね。楽しかったわ……」
自分を捨て、家族を捨て、世界を捨て、私は一体何になるというのでしょうか?
王子様の嘆きが風の便りに乗ってきそうでした。この日は至極空気が澄んでいました。もの悲しい単調な虫の囁き声に一時耳を傾けて……子守りをする烏が黒点を刻み付ける空を見上げて……中央草原にひっそりと佇む全ての息吹たちに頭を下げて……。
「お姉様!やりましたよ!」
マリーが帰ってこなければいいのに、と心のどこかで思っていました。血を纏った悪の化身に近付きたいなんて思う人はいないでしょう。しかしながら、私はこの悪魔を生んだ親なのですから、審判が下るまで、マリーと時を一緒にしなければいけません。
「この世界の悪、お姉様の障壁になる王子様は、このマリーが葬りました!」
「ありがとう。マリー……あなたはすごいわね」
「簡単なことですよ。お姉様のためならなんだってできるって言ったでしょう?それよりお姉様?ご褒美を下さいませんか?」
「いいわ。なんでもあげるわよ。何が欲しいの?私の処女?」
「いえいえ。そんな下らない愛なんかいりませんわ」
性の交わりを下らないものだなんて……マリーは既に神様を越えているみたいでした。
「私とお姉様の愛を……二人だけの世界を、この地で誓いたいのです……」
私は頷きました。
「これでみんなとお別れね。楽しかったわ……」
自分を捨て、家族を捨て、世界を捨て、私は一体何になるというのでしょうか?
王子様の嘆きが風の便りに乗ってきそうでした。この日は至極空気が澄んでいました。もの悲しい単調な虫の囁き声に一時耳を傾けて……子守りをする烏が黒点を刻み付ける空を見上げて……中央草原にひっそりと佇む全ての息吹たちに頭を下げて……。
「お姉様!やりましたよ!」
マリーが帰ってこなければいいのに、と心のどこかで思っていました。血を纏った悪の化身に近付きたいなんて思う人はいないでしょう。しかしながら、私はこの悪魔を生んだ親なのですから、審判が下るまで、マリーと時を一緒にしなければいけません。
「この世界の悪、お姉様の障壁になる王子様は、このマリーが葬りました!」
「ありがとう。マリー……あなたはすごいわね」
「簡単なことですよ。お姉様のためならなんだってできるって言ったでしょう?それよりお姉様?ご褒美を下さいませんか?」
「いいわ。なんでもあげるわよ。何が欲しいの?私の処女?」
「いえいえ。そんな下らない愛なんかいりませんわ」
性の交わりを下らないものだなんて……マリーは既に神様を越えているみたいでした。
「私とお姉様の愛を……二人だけの世界を、この地で誓いたいのです……」
私は頷きました。
0
あなたにおすすめの小説
婚約破棄寸前だった令嬢が殺されかけて眠り姫となり意識を取り戻したら世界が変わっていた話
ひよこ麺
恋愛
シルビア・ベアトリス侯爵令嬢は何もかも完璧なご令嬢だった。婚約者であるリベリオンとの関係を除いては。
リベリオンは公爵家の嫡男で完璧だけれどとても冷たい人だった。それでも彼の幼馴染みで病弱な男爵令嬢のリリアにはとても優しくしていた。
婚約者のシルビアには笑顔ひとつ向けてくれないのに。
どんなに尽くしても努力しても完璧な立ち振る舞いをしても振り返らないリベリオンに疲れてしまったシルビア。その日も舞踏会でエスコートだけしてリリアと居なくなってしまったリベリオンを見ているのが悲しくなりテラスでひとり夜風に当たっていたところ、いきなり何者かに後ろから押されて転落してしまう。
死は免れたが、テラスから転落した際に頭を強く打ったシルビアはそのまま意識を失い、昏睡状態となってしまう。それから3年の月日が流れ、目覚めたシルビアを取り巻く世界は変っていて……
※正常な人があまりいない話です。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
【完結】魔力ゼロと捨てられた私を、王子がなぜか離してくれません ――無自覚聖女の王宮生活――
ムラサメ
恋愛
伯爵家で使用人同然に扱われてきた少女、エリナ。
魔力も才能もないとされ、義妹アリシアの影で静かに生きていた。
ある日、王国第一王子カイルの視察で運命が動き出す。
誰も気づかなかった“違和感”に、彼だけが目を留めて――。
【完結】『推しの騎士団長様が婚約破棄されたそうなので、私が拾ってみた。』
ぽんぽこ@3/28新作発売!!
恋愛
【完結まで執筆済み】筋肉が語る男、冷徹と噂される騎士団長レオン・バルクハルト。
――そんな彼が、ある日突然、婚約破棄されたという噂が城下に広まった。
「……えっ、それってめっちゃ美味しい展開じゃない!?」
破天荒で豪快な令嬢、ミレイア・グランシェリは思った。
重度の“筋肉フェチ”で料理上手、○○なのに自由すぎる彼女が取った行動は──まさかの自ら押しかけ!?
騎士団で巻き起こる爆笑と騒動、そして、不器用なふたりの距離は少しずつ近づいていく。
これは、筋肉を愛し、胃袋を掴み、心まで溶かす姉御ヒロインが、
推しの騎士団長を全力で幸せにするまでの、ときめきと笑いと“ざまぁ”の物語。
図書館でうたた寝してたらいつの間にか王子と結婚することになりました
鳥花風星
恋愛
限られた人間しか入ることのできない王立図書館中枢部で司書として働く公爵令嬢ベル・シュパルツがお気に入りの場所で昼寝をしていると、目の前に見知らぬ男性がいた。
素性のわからないその男性は、たびたびベルの元を訪れてベルとたわいもない話をしていく。本を貸したりお茶を飲んだり、ありきたりな日々を何度か共に過ごしていたとある日、その男性から期間限定の婚約者になってほしいと懇願される。
とりあえず婚約を受けてはみたものの、その相手は実はこの国の第二王子、アーロンだった。
「俺は欲しいと思ったら何としてでも絶対に手に入れる人間なんだ」
白い結婚は無理でした(涙)
詩森さよ(さよ吉)
恋愛
わたくし、フィリシアは没落しかけの伯爵家の娘でございます。
明らかに邪な結婚話しかない中で、公爵令息の愛人から契約結婚の話を持ち掛けられました。
白い結婚が認められるまでの3年間、お世話になるのでよい妻であろうと頑張ります。
小説家になろう様、カクヨム様にも掲載しております。
現在、筆者は時間的かつ体力的にコメントなどの返信ができないため受け付けない設定にしています。
どうぞよろしくお願いいたします。
【完結】番としか子供が産まれない世界で
さくらもち
恋愛
番との間にしか子供が産まれない世界に産まれたニーナ。
何故か親から要らない子扱いされる不遇な子供時代に番と言う概念すら知らないまま育った。
そんなニーナが番に出会うまで
4話完結
出会えたところで話は終わってます。
帰国した王子の受難
ユウキ
恋愛
庶子である第二王子は、立場や情勢やら諸々を鑑みて早々に隣国へと無期限遊学に出た。そうして年月が経ち、そろそろ兄(第一王子)が立太子する頃かと、感慨深く想っていた頃に突然届いた帰還命令。
取り急ぎ舞い戻った祖国で見たのは、修羅場であった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる