聖女様を事故死させてしまったので、即刻悪役令嬢認定されて、婚約破棄されました

その32

「君は少なくとも……私の理想ではなかったかな……」

まあ、そうですよね……。

「しかしながら、思い返してみれば、君はいい女房だったのかもしれないね」

おっと、それはどう言う意味なのでしょうか？

「最初にあった時だったかしら、君は素直に笑っていた。私と婚約することがそんなに嬉しかったのかね？」

「何を今更おっしゃるんです？あなた様は……。そんなの、当たり前じゃないですか。令嬢は例えるならばゲームプレイヤーなのです。私どもにとって勝利と言うのは、王子様とかと結婚することですから……」

「なるほど……私はつまり、勝利品と言うわけか……」

ツァイスは再び笑った。エリーナも話せば話すほどおかしくて、そして、ツァイスがそろそろ限界であることを悟った。

「最後にもう一度だけ、浮気してもいいかな？」

こう言って、ツァイスは空を見上げた。