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ある公爵令嬢の1日
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「約束を破った王子様、あなたにはどうやら罪が必要みたいです……」
公爵令嬢との婚約を勝手に破棄した王子は、拘束されていた。公爵令嬢は殺気立っていた。今にも殺されそうな勢いだった。
「ご安心ください。別にあなた様を傷つけることは致しませんから。ただ……婚約破棄の理由を教えていただきたく思うわけでございます。私ほど、あなた様にとってベストなパートナーはいないと思いますのに……」
「そんなことはない。君と婚約したら、この世界は消滅してしまうだろう……」
「あはっ!冗談が上手いんですね!世界の崩壊、ですか?どっちみち、私にはもう関係ないんですよ。この世界がどうなろうと。あなた様が婚約破棄してくださったおかげで、私はすっかり傷物になってしまいました。この責任をどう取るのか……そんな話もどうでもいいんです。さあ、王子様?あなたに残された選択肢は2つしかありません。私が安らかに死んでいくのをただ祈るのか、あるいは、私がこれから生きていく上で必要となることを全て準備してくださるのか、このどちらかです……」
「何を言っているのか、私にはさっぱり分からないな!」
「本当ですか?だとすると、あなたは大馬鹿者ですよ?」
「早くこの縄を解いてくれないかね?そうしないと、このまま窒息してしまうじゃないか?」
「息が苦しいんですか?」
「今のところは大丈夫だ。しかし、このままでいいとは思えないね。いつか終わりが来ると思う」
「私にどうしろと?」
「だから、この縄を解いてくれと言っているんだ!さあ、早く!」
「でもそうすると、あなたは私のことを殺します。それでは私が不利になってしまいますので、あなた様の要求には答えられません」
「そんな事は無い。命の保証はきちんとするから、まずはこの縄を解いてくれ!」
「いやです!こうなったら、もう死んでもらうしかないかもしれませんね」
「ふざけるな!」
「命乞いですか?貴族としてのプライドがあるのだったら、潔く死を受け入れるのが良いかと思います」
「私にはその必要がないのだ。大体なんだって言うんだ?私に何の責任があると言うんだ。原因はすべて君にあるんじゃないか?私があれほど大事にしていた犬を、君はどうして殺したんだ?それだけじゃない!私の大切な妹の命まで奪おうとした!そんな人間と婚約する方がおかしいと思わないのか?」
「私はただ、あなた様のことを愛していたのです。私一人だけを見ていて欲しかった。ただそれだけのことです。いけませんでしたか?」
「当たり前だろう!」
「そうですか……私はあなた様の一番になることなんてできないんですね?わかりました。それならば、仕方がありません……」
私は永遠にあなたの中で眠り続けます。
いつか、目に止まったら、そっと起こしてやってください。
公爵令嬢との婚約を勝手に破棄した王子は、拘束されていた。公爵令嬢は殺気立っていた。今にも殺されそうな勢いだった。
「ご安心ください。別にあなた様を傷つけることは致しませんから。ただ……婚約破棄の理由を教えていただきたく思うわけでございます。私ほど、あなた様にとってベストなパートナーはいないと思いますのに……」
「そんなことはない。君と婚約したら、この世界は消滅してしまうだろう……」
「あはっ!冗談が上手いんですね!世界の崩壊、ですか?どっちみち、私にはもう関係ないんですよ。この世界がどうなろうと。あなた様が婚約破棄してくださったおかげで、私はすっかり傷物になってしまいました。この責任をどう取るのか……そんな話もどうでもいいんです。さあ、王子様?あなたに残された選択肢は2つしかありません。私が安らかに死んでいくのをただ祈るのか、あるいは、私がこれから生きていく上で必要となることを全て準備してくださるのか、このどちらかです……」
「何を言っているのか、私にはさっぱり分からないな!」
「本当ですか?だとすると、あなたは大馬鹿者ですよ?」
「早くこの縄を解いてくれないかね?そうしないと、このまま窒息してしまうじゃないか?」
「息が苦しいんですか?」
「今のところは大丈夫だ。しかし、このままでいいとは思えないね。いつか終わりが来ると思う」
「私にどうしろと?」
「だから、この縄を解いてくれと言っているんだ!さあ、早く!」
「でもそうすると、あなたは私のことを殺します。それでは私が不利になってしまいますので、あなた様の要求には答えられません」
「そんな事は無い。命の保証はきちんとするから、まずはこの縄を解いてくれ!」
「いやです!こうなったら、もう死んでもらうしかないかもしれませんね」
「ふざけるな!」
「命乞いですか?貴族としてのプライドがあるのだったら、潔く死を受け入れるのが良いかと思います」
「私にはその必要がないのだ。大体なんだって言うんだ?私に何の責任があると言うんだ。原因はすべて君にあるんじゃないか?私があれほど大事にしていた犬を、君はどうして殺したんだ?それだけじゃない!私の大切な妹の命まで奪おうとした!そんな人間と婚約する方がおかしいと思わないのか?」
「私はただ、あなた様のことを愛していたのです。私一人だけを見ていて欲しかった。ただそれだけのことです。いけませんでしたか?」
「当たり前だろう!」
「そうですか……私はあなた様の一番になることなんてできないんですね?わかりました。それならば、仕方がありません……」
私は永遠にあなたの中で眠り続けます。
いつか、目に止まったら、そっと起こしてやってください。
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