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その5

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この事態を重く見たお父様はすぐさま、

「水の精たちよ、出てこい!!!」

と言って、精霊たちを呼び出しました。言うまでもなく、お父様は世界最強の科学者であり、また、魔法使いであります。ですから、精霊たちを用途ごとにすぐさま呼び出すのはわけもなく、こうして、私の怒りの灯はすぐさま消えていくのでありました。怒りの灯が消滅しますと、私の怒りのボルテージは少し下がります。まあ、強制的に下げさせられるということでしょうか。因みに、現時点でお父様の魔法に対抗できるのは、イザベルくらいしかいないと思います。イザベルならば、自分の感情を全て爆発させることができます。場合によっては、お父様の魔法の威力のみでは抑えることは困難かもしれません。

「はあ、危ないところだった……アマネ!!!!お前は何をしているんだ!!!危うく焼けるところだったじゃないか!!!!」

そう言って、お父様は私に厳重注意をしました。でも、私もここまで来てしまいますと、これ以上黙っていられませんでした。

「これは全て……私の責任ではなくて、シャルコー様の責任ではないですか!!!」

私はそう言って、シャルコー様を指差しました。

「なんだと????」

シャルコー様は私のことを睨み付けました。

「私はただ、事実を言っただけではないですか!!!ねえ、公爵殿。私は何か、間違ったことを言いましたか??」

シャルコー様はお父様に確認を取りました。

「いいえ、そのようなことは決してございません……」

お父様は完全に、シャルコー様の味方でした。

「そうでしょう。だからね……私は何も悪くないのですよ。父上だって……そうお思いでしょう????」

シャルコー様は皇帝陛下にも確認を求めました。すると、皇帝陛下は、

「そんなことはない。お前がそうやって、アマネ殿を煽るから……このようなことになったんじゃないか???ええ、お前はいつまでたっても子供じゃないか!!!!」

と言いました。自分の父親が互いに自分の子供を怒る……なんだか複雑な構図でした。

そして……これほど馬鹿げた言い争いに、私は終止符を打ちたくなりました。というか、最初から、シャルコー様が、私に対して、ある宣告をすれば、ここで話はリセットされるわけでございます。

マインドコントロール……これは、科学であっても、あるいは、魔法であっても、その両方にとって大切な考え方です。つまり、私がシャルコー様を扇動する形で、シャルコー様から、あの宣言を引き出せばいいのです。皆様がお気づきの、あれでございます……。




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