都合のいい妹に婚約者を寝取られて婚約破棄されました~辺境に逃れたら再び恋の嵐?~

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その15

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それから、サルコイド伯爵は屋敷の中を案内してくれました。外観は確かに古めかしいのですが、内装はそれほどに整っておりました。しかしながら、不思議なことにこの屋敷の住人は伯爵1人だけなのでしょうか。どれほど散策しても、伯爵以外の人の姿を見る事はありませんでした。気になったので質問しようとしましたが、今はあまり伯爵と話をしようとは思いませんでしたので、とりあえず胸にしまい込んでおきました。

部屋の案内が一通り終わると、伯爵は私のために用意された部屋へ案内してくれました。大きさはそれほど大きくはありませんでしたが、普通に生活するには十分な位の広さでした。

「都会育ちのご令嬢だから、少し小さくはありませんかね?」

伯爵は嫌みを込めて、私に質問したようでした。

「いいえ、そんなことは決してありませんわ。これくらいの方が、私にはちょうど良いのです」

私がそう答えますと、伯爵は、

「ああ……そうですか」

と言いました。

「それだったら、あの物好きなメイドはあなたの友達になるかもしれませんね……」

伯爵は、急にメイドの話をし始めました。どうやらこの屋敷には、メイドが1人はいるようです。先ほどは、その姿を伺い知ることができませんでしたけれども。

今度は、私の方から質問してみました。

「この屋敷には、あなた様のメイドがいらっしゃるのですか?」

すると、伯爵は少し考え込んで、

「まあ、いるにはいるんですが……」

と言いました。伯爵のはっきりとしない答えに、私はますます疑問を感じるようになりました。

「はっきりして下さいな。いるんですか、いないんですか?」

「ええ、いますよ。ですが……屋敷のどこかに隠れています……」

隠れている……私はその言葉の意味がいまいちわかりませんでした。まさか、かくれんぼをしているわけではありませんし、どこかに隠れているとは一体どういう意味でしょうか。

「そうだ、せっかくですから、ご自分でお探しになってみてはいかがですか?」

主人のメイドだと言うのに、その所在を知らない。そして、新しくやってきた、かりそめの婚約者にメイドを探させる……伯爵はやはりおかしな人だとつくづく思いました。

もちろん、私に異を唱える権利なんて、これっぽっちもなかったのですが。

伯爵に言われてしまったので、私は仕方なく、そのメイドとやらを探すことにいたしました。しかしながら、そのメイドは案外すぐ見つかりました。何故かと言えば、私の部屋の隅っこに隠れていたからです。
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