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その25

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それから1日経って、思わぬ来客がありました。なんと、この前戦った女とその両親がやってきたのです。

傷を負った女は、私のことを相変わらずにらみつけておりました。より一層、私のことを恨んでいるようにも見えました。

「この度は、私の娘がマリア様に対し奉る行いをお詫びしに参りました……」

厄介なことになるのを嫌った伯爵は、屋敷に招き入れるのを断りました。しかしながら、私が招き入れることを許可しました。

「なるほど。やはり、このように無鉄砲な娘さんをお持ちになりますと親御様も大変でしょうね?」

私はこう言って親をねぎらいました。

「恐れ入りましてございます……」

しかしながら、いい年をして親と同伴でなければ謝ることもできないのでしょうか。そもそも、この娘は本当に謝る気があるのでしょうか。私にはそのようには感じられませんでした。親に導かれて、嫌々やってきたと言うふうに見えました。

「ほら、謝りなさい!」

親に促されて、娘はようやく頭を下げました。しかしながら、謝りの言葉は何も言いませんでした。ひねくれていたわけではありませんが、このままでは私はこの娘を許すことができないと思いました。

「あなたは面と向かって謝ることができないのですか?」

私は昨晩と同じように、もう一度言いました。しかしながら、娘は何も言いませんでした。

「あー、なんてかわいそうなんでしょう……」

私は、ため息を三つつきました。

「わかりました。今後一切、この娘さんの罪については問わないことにいたします。それでよろしいですか?」

「承知いたしました……」

伯爵の了承を得たので、決定しました。

「もう二度と、私の前にその顔を見せないでください。私とはもう何も関わりをもらっないでください。伯爵がそんなにお好きでしたら、別に私の事なんて気にせずに付き合えばいいんです……」

私はついうっかり言ってしまいました。ですが、ある意味これは本心でした。

その時、娘は一瞬ニヤリと笑いました。私はあの時と同じような感覚がしていました。おそらくこのままいくと寝取られる……だから?

そんなことでいちいち文句はいいません。私が私であるからです。
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