都合のいい妹に婚約者を寝取られて婚約破棄されました~辺境に逃れたら再び恋の嵐?~

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その36

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しかしながら、伯爵の掃除には相当の時間がかかりました。私がやって来たのは、昼過ぎのことでしたが、もう間もなく日が沈もうとしておりました。

「伯爵、一度入らせてもらいますよ?」

許可を得て、私はもう一度部屋に入りました。すると、最初よりも埃っぽさは大部良くなっておりました。また、乱雑だった本棚も大部片付いておりました。

「やればできるじゃないですか?」

「恐れ入ります……」

伯爵は、なおも、片付けを続けていました。そして、私はその最中に興味深い物を見つけてしまいました。

それは何かと申しますと、伯爵の記録、と書かれた写真集だったのです。伯爵には内緒で、机の上から勝手に拝借しました。伯爵は片付けに夢中になっていたので、私がこの写真集を見ていることに気がつきませんでした。

伯爵が生まれた時から、事細かに記録されていました。赤ん坊のころの写真は……どこにもいる普通の赤ん坊でした。貴族にしては、家族と一緒に写っている写真が多いように感じました。ちなみに、私の場合、家族と一緒の写真は、ほとんどありませんでした。それは、サリーが生まれると、両親はサリーばかり面倒を見るようになって、私の世話はメイドに任せていたからです。これは……まあ、仕方のないことなのですが、子供の気持ちを考えると、あまり褒められたことではありません。いまさら後の祭りでございますが。

伯爵の家族は、恐らく一人っ子だったのでしょう、非常に大切に育てられたことがうかがわれました。

ページを進めていくうちに、私の知らない伯爵の素顔が、なんとなく分かったような感じになりました。

そして……写真集の一番最後の写真を見て、私は思わず大声を出してしまいました。

「マリア様、どうしたのですか?」

この時、伯爵は、私がを見ていることに気がついたようでした。

「それは…………」

伯爵も、驚きました。驚かずにはいられない真実が、そこにはありました。

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