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私と君主様
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ありったけのおしゃれをして、ありったけの清々しい心持で、君主様の婚約パーティーに臨みました。私の名前は非常にシンプルで、アンナと申します。君主様は、私の幼馴染で、初恋の人でした。私のお父様は公爵で、君主様のお父様と仲が良かったため、私と君主様も、幼い頃はお庭でたくさん遊びました。
春に響く鳥の声、夏に映える湖の滴、秋に色めく紅の葉、そして、冬に舞う雪の梢。私と君主様は庭から眺めることのできる景色の移ろいをずっとずっと眺めてきました。
「いつか、大きくなったら、私は君主様の元に嫁いでもいいでしょうか?」
今でもはっきり覚えています。あの時は、どうして勇気があったのでしょうか?きっと、君主様は私の傍にずっといてくれると思ったのでしょう。今は、とてもそんなことはできません。巨大帝国の君主様になったのです。そして、他国の名も知らぬ王女様と婚約することになったのですから。
でも、その時は、
「僕は君のことが好きだ。僕はいつでも待っているから」
と言ってくれました。ええっ、そんなのは子供の頃の話で、君主様は恐らく覚えていません。
それでいいのです。私の最後の仕事は、君主様の婚約を盛大に祝う人間の一人になることなのです。これで全て終わり……そう思ったのですが、やはり、久しぶりにお顔を拝むと、君主様は少し細くなったように思えました。きっと、様々な苦労を抱えていらっしゃるのでしょう。
私には分かります。あの笑顔は、裏に涙を隠しいているということを。
君主様が間違って、鳥を殺してしまった日の笑顔にそっくりでしたから。
「僕は過ちを犯した。許してくれ!」
「大丈夫ですよ。一度の過ちを神様は咎めません」
私がフォローすると、君主様は、
「ありがとう」
と言って、川のような涙を流されました。私が君主様の澄んだ琴線を奏でたいと思ったのは、その日からでした。
君主様、どうか、この婚約を後悔しないでください。何か、迷いがあるのですか?でも、その迷いを、私の耳に運んでいただくことはできないのですね?どうか、お幸せに!
君主様が婚約を宣言する時がやってきました。君主様は立ち上がって、
「私は、こちらにいらっしゃるメリー王女との……婚約を宣言いたします!」
と言いました。私たちは大きな拍手とファンファーレを響かせました。この国の民が皆、君主様の婚約を祝いました。私も当然、君主様の婚約を祝いました。
これで全てが終わったと思って、私は安堵しました。可能だったら、君主様の口から直接聞きたかったのですが、それはもう叶いました。私も令嬢の端くれでございますから、そろそろ嫁ぎ先を考えなくてはなりません。いつまでも、メルヘンに浸っていてはいけないのです。お父様に相談すれば、婚約候補は数人いると思いました。その中から君主様に少しでも似ている方……いえ、君主様のような方は恐らくいないでしょうけれど、それは諦めて、婚約することにします。これ以上考えても無駄ですね。
「アンナはここに来ているのか?」
「アンナ様……どなたでございますか?」
「私の幼馴染だ。あの時と同じ発作が起きたようだ……アンナを呼んでくれ!」
私が背を向けた瞬間、君主様がバタンと倒れました。
「会場の中に、アンナ様という方はいらっしゃいますか!」
アンナ……はい、間違えなく私の名前でした。しかしながら、君主様が私のことを呼ぶはずありませんでした。
「アンナ様!いらっしゃいましたら、こちらにお越しください!君主様の発作を治めてください!あなた様が適任だと君主様はおっしゃっています!!!」
発作……すると、あのメリー王女は?
私は君主様の元へ駆け寄りました。
「私の名前はアンナ……君主様の古い知り合いです!」
私は君主様の発作を止める方法を知っていました。しかしながら、この場でそれを行うと、間違いなく私は死ぬことになりました。
それでも……私は感じ取りました。これは、君主様のためでもあり、帝国の繁栄のためにも必要でした。私は、メリー王女に詰め寄りました。そして……。
「この場で、君主様とメリー王女様との婚約を破棄してもらいます!!」
私は国民の耳に広く届くように叫びました。
「はあっ?あなた、何を言っていますの?」
当然、メリー王女は納得しませんでした。会場の貴族たちは、ざわつき始めました。
「あなた、友人だかなんだか知りませんけれど、何の権限があって、君主様との婚約を破棄せよと、この私に命令なさるの?」
「それは……あなたが君主様の唱える正義にそぐわないからでございます」
「なんですって?」
メリー王女は、側近たちを呼んで、
「この不届き者を追い出しなさい!」
と命令しました。私は仕方なく、懐から剣を抜き出しました。
私は最初から死ぬ覚悟をしていました。君主様、あなたを愛することが赦されないのだとしたら、私は命を捧げて、神様に訴えたいと思います。そのための剣を……この悪女の血で汚すのも……これも全て、ひとえにあなたのことを愛しているからでございます……。
「何をしているの…………」
私は周囲の制止を振り切って、メリー王女の胸元に飛び込みました。
「私はね、本当は聖女なんですよ。ですからね、あなたの顔を見て分かりました。あなたは男を喰らう悪女なんですね……。君主様にも分かるんですよ……。悪女と接すると、発作を起こすんです……。ですから、あなたは私と一緒に死んでもらいます…………」
「いやッ……やめてええええええっっっっ…………」
メリー王女の傲慢な胸元に、剣を刻み込みました。
メリー王女は息を引き取りました。次はこの私が……そう思っていました。しかしながら、そこに思わぬ助け舟がやってきました。
「アンナを……捕まえるな……。私はこの通り元気だ……」
「しかし!」
「私の命令だ!」
メリー王女の取り巻きは、遺体を片付け始めました。本当ならば、この場で私を殺すはずでした。しかしながら、君主様の命令で、私は生き延びることができました。
しかしながら、私は君主様の唱える正義に反しました。あの一件以来、君主様は殺生を嫌いました。それなのに、私はメリー王女を殺しました。聖女の名が泣くと思いました。聖なる心をもたらした私が、君主様を裏切ることになったのですから。
「君主様……」
私は残された剣を胸に刻みました。
「アンナ!!!!死ぬなああああっ…………………………!」
君主様の声がずっとずっと響いていました。
気が付くと、私は広間のベッドに横たわっていました。昔懐かしい香りに包まれて……私の胸元には大きな傷が刻まれていました。
「アンナ!目を覚ましたんだね!」
この声は、間違いなく君主様でした。とすると、私は生き永らえたのでしょうか?
「あれからちょうど1カ月経ったんだ。ようやく、目を覚ましてくれた。私は本当に嬉しいよ!」
すると、君主様はずっと私の看病をして下さったのでしょうか?私のために?
「君のおかげで、この国は救われたんだ。メリー王女は君の見立て通りだったよ。彼女は非道なる悪女だった。だから、あのまま婚約していれば、私たちは皆滅んでいたかもしれない……」
私は、調査団の長い報告書に目を通しました。なるほど、私はこの国を救ったようでした。そして、愛しき君主様も救うことができました。聖女の名は穢れてしまいましたけれども……あとは地獄行になっても、私は運命を受け入れようと思いました。
「アンナ……こんなことを頼むのは失礼だと思うんだが……君のことを抱きしめてもいいかな?」
「私を……ですか?」
「君のことを抱きしめたいんだ。あの時みたいにな」
「お待ちください。私はもう穢れております!」
君主様は私の制止を振り切って、私のことを優しく抱きしめてくださいました。
「あの頃と……君はちっとも変っていないな……。あの頃に戻れたらと、僕はずっと思っていたんだ」
「君主様……私のことはどうか忘れてください」
「それが君の意志なのか?」
「はい」
私は強く肯定しました。
「それはウソだ」
「いいえ、ウソではありません!」
「そうか、君は自分だけ罪を背負い込んで、死ぬつもりだな?」
どうやら、君主様には全てお見通しのようでした。
「尚更、君を一人にはしておけないな!」
君主様は懐から、私の小刀を取り出しました。
「君一人が背負い込む覚悟なのであれば……その前に、この世界を終わらせようと思う……」
そう言って、小刀の切先を腹に宛がいました。
「どうしてですか!君主様!あなたは……あなたはこの世界の太陽なんです!あなたは私とは違います。だから……」
「アンナ……僕にもわがままを言わせてくれないのかい?」
「あなたはそれが赦されない人なのです!」
「だとしたら、私はもうこの世界にいる意味がないと思う。命がけで守ってくれた幼馴染を捨てるだなんて、僕の倫理に反している……。そんな運命を強制する世界なのだったら、僕は躊躇することなく、この世界を壊すさ!」
私はもうわけが分かりませんでした。その場に立ち尽くして、瞳が乾ききるまで泣き続けました。そんな私を、君主様はずっとずっと支えてくれました。
「僕と一緒に生きてくれないか?君の口から答えを聞くことはできないだろうから……そうだな、この小さな手を握り返してくれ……」
こんな私に、君主様と一緒に生きる権利があるのだとしたら、私は当然権利を行使しました。しかしながら、私には分かりませんでした。
それでも…………。
「まだ、あったかいよ」
君主様はにっこりと微笑みました。
春に響く鳥の声、夏に映える湖の滴、秋に色めく紅の葉、そして、冬に舞う雪の梢。私と君主様は庭から眺めることのできる景色の移ろいをずっとずっと眺めてきました。
「いつか、大きくなったら、私は君主様の元に嫁いでもいいでしょうか?」
今でもはっきり覚えています。あの時は、どうして勇気があったのでしょうか?きっと、君主様は私の傍にずっといてくれると思ったのでしょう。今は、とてもそんなことはできません。巨大帝国の君主様になったのです。そして、他国の名も知らぬ王女様と婚約することになったのですから。
でも、その時は、
「僕は君のことが好きだ。僕はいつでも待っているから」
と言ってくれました。ええっ、そんなのは子供の頃の話で、君主様は恐らく覚えていません。
それでいいのです。私の最後の仕事は、君主様の婚約を盛大に祝う人間の一人になることなのです。これで全て終わり……そう思ったのですが、やはり、久しぶりにお顔を拝むと、君主様は少し細くなったように思えました。きっと、様々な苦労を抱えていらっしゃるのでしょう。
私には分かります。あの笑顔は、裏に涙を隠しいているということを。
君主様が間違って、鳥を殺してしまった日の笑顔にそっくりでしたから。
「僕は過ちを犯した。許してくれ!」
「大丈夫ですよ。一度の過ちを神様は咎めません」
私がフォローすると、君主様は、
「ありがとう」
と言って、川のような涙を流されました。私が君主様の澄んだ琴線を奏でたいと思ったのは、その日からでした。
君主様、どうか、この婚約を後悔しないでください。何か、迷いがあるのですか?でも、その迷いを、私の耳に運んでいただくことはできないのですね?どうか、お幸せに!
君主様が婚約を宣言する時がやってきました。君主様は立ち上がって、
「私は、こちらにいらっしゃるメリー王女との……婚約を宣言いたします!」
と言いました。私たちは大きな拍手とファンファーレを響かせました。この国の民が皆、君主様の婚約を祝いました。私も当然、君主様の婚約を祝いました。
これで全てが終わったと思って、私は安堵しました。可能だったら、君主様の口から直接聞きたかったのですが、それはもう叶いました。私も令嬢の端くれでございますから、そろそろ嫁ぎ先を考えなくてはなりません。いつまでも、メルヘンに浸っていてはいけないのです。お父様に相談すれば、婚約候補は数人いると思いました。その中から君主様に少しでも似ている方……いえ、君主様のような方は恐らくいないでしょうけれど、それは諦めて、婚約することにします。これ以上考えても無駄ですね。
「アンナはここに来ているのか?」
「アンナ様……どなたでございますか?」
「私の幼馴染だ。あの時と同じ発作が起きたようだ……アンナを呼んでくれ!」
私が背を向けた瞬間、君主様がバタンと倒れました。
「会場の中に、アンナ様という方はいらっしゃいますか!」
アンナ……はい、間違えなく私の名前でした。しかしながら、君主様が私のことを呼ぶはずありませんでした。
「アンナ様!いらっしゃいましたら、こちらにお越しください!君主様の発作を治めてください!あなた様が適任だと君主様はおっしゃっています!!!」
発作……すると、あのメリー王女は?
私は君主様の元へ駆け寄りました。
「私の名前はアンナ……君主様の古い知り合いです!」
私は君主様の発作を止める方法を知っていました。しかしながら、この場でそれを行うと、間違いなく私は死ぬことになりました。
それでも……私は感じ取りました。これは、君主様のためでもあり、帝国の繁栄のためにも必要でした。私は、メリー王女に詰め寄りました。そして……。
「この場で、君主様とメリー王女様との婚約を破棄してもらいます!!」
私は国民の耳に広く届くように叫びました。
「はあっ?あなた、何を言っていますの?」
当然、メリー王女は納得しませんでした。会場の貴族たちは、ざわつき始めました。
「あなた、友人だかなんだか知りませんけれど、何の権限があって、君主様との婚約を破棄せよと、この私に命令なさるの?」
「それは……あなたが君主様の唱える正義にそぐわないからでございます」
「なんですって?」
メリー王女は、側近たちを呼んで、
「この不届き者を追い出しなさい!」
と命令しました。私は仕方なく、懐から剣を抜き出しました。
私は最初から死ぬ覚悟をしていました。君主様、あなたを愛することが赦されないのだとしたら、私は命を捧げて、神様に訴えたいと思います。そのための剣を……この悪女の血で汚すのも……これも全て、ひとえにあなたのことを愛しているからでございます……。
「何をしているの…………」
私は周囲の制止を振り切って、メリー王女の胸元に飛び込みました。
「私はね、本当は聖女なんですよ。ですからね、あなたの顔を見て分かりました。あなたは男を喰らう悪女なんですね……。君主様にも分かるんですよ……。悪女と接すると、発作を起こすんです……。ですから、あなたは私と一緒に死んでもらいます…………」
「いやッ……やめてええええええっっっっ…………」
メリー王女の傲慢な胸元に、剣を刻み込みました。
メリー王女は息を引き取りました。次はこの私が……そう思っていました。しかしながら、そこに思わぬ助け舟がやってきました。
「アンナを……捕まえるな……。私はこの通り元気だ……」
「しかし!」
「私の命令だ!」
メリー王女の取り巻きは、遺体を片付け始めました。本当ならば、この場で私を殺すはずでした。しかしながら、君主様の命令で、私は生き延びることができました。
しかしながら、私は君主様の唱える正義に反しました。あの一件以来、君主様は殺生を嫌いました。それなのに、私はメリー王女を殺しました。聖女の名が泣くと思いました。聖なる心をもたらした私が、君主様を裏切ることになったのですから。
「君主様……」
私は残された剣を胸に刻みました。
「アンナ!!!!死ぬなああああっ…………………………!」
君主様の声がずっとずっと響いていました。
気が付くと、私は広間のベッドに横たわっていました。昔懐かしい香りに包まれて……私の胸元には大きな傷が刻まれていました。
「アンナ!目を覚ましたんだね!」
この声は、間違いなく君主様でした。とすると、私は生き永らえたのでしょうか?
「あれからちょうど1カ月経ったんだ。ようやく、目を覚ましてくれた。私は本当に嬉しいよ!」
すると、君主様はずっと私の看病をして下さったのでしょうか?私のために?
「君のおかげで、この国は救われたんだ。メリー王女は君の見立て通りだったよ。彼女は非道なる悪女だった。だから、あのまま婚約していれば、私たちは皆滅んでいたかもしれない……」
私は、調査団の長い報告書に目を通しました。なるほど、私はこの国を救ったようでした。そして、愛しき君主様も救うことができました。聖女の名は穢れてしまいましたけれども……あとは地獄行になっても、私は運命を受け入れようと思いました。
「アンナ……こんなことを頼むのは失礼だと思うんだが……君のことを抱きしめてもいいかな?」
「私を……ですか?」
「君のことを抱きしめたいんだ。あの時みたいにな」
「お待ちください。私はもう穢れております!」
君主様は私の制止を振り切って、私のことを優しく抱きしめてくださいました。
「あの頃と……君はちっとも変っていないな……。あの頃に戻れたらと、僕はずっと思っていたんだ」
「君主様……私のことはどうか忘れてください」
「それが君の意志なのか?」
「はい」
私は強く肯定しました。
「それはウソだ」
「いいえ、ウソではありません!」
「そうか、君は自分だけ罪を背負い込んで、死ぬつもりだな?」
どうやら、君主様には全てお見通しのようでした。
「尚更、君を一人にはしておけないな!」
君主様は懐から、私の小刀を取り出しました。
「君一人が背負い込む覚悟なのであれば……その前に、この世界を終わらせようと思う……」
そう言って、小刀の切先を腹に宛がいました。
「どうしてですか!君主様!あなたは……あなたはこの世界の太陽なんです!あなたは私とは違います。だから……」
「アンナ……僕にもわがままを言わせてくれないのかい?」
「あなたはそれが赦されない人なのです!」
「だとしたら、私はもうこの世界にいる意味がないと思う。命がけで守ってくれた幼馴染を捨てるだなんて、僕の倫理に反している……。そんな運命を強制する世界なのだったら、僕は躊躇することなく、この世界を壊すさ!」
私はもうわけが分かりませんでした。その場に立ち尽くして、瞳が乾ききるまで泣き続けました。そんな私を、君主様はずっとずっと支えてくれました。
「僕と一緒に生きてくれないか?君の口から答えを聞くことはできないだろうから……そうだな、この小さな手を握り返してくれ……」
こんな私に、君主様と一緒に生きる権利があるのだとしたら、私は当然権利を行使しました。しかしながら、私には分かりませんでした。
それでも…………。
「まだ、あったかいよ」
君主様はにっこりと微笑みました。
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