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その5

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「お母様?心配することなんてありませんわ。私がどうにか致しますから!」

「どうにかって?」

「私がもう一度やり直せばいいことなんです。そして、王子様に好かれれば、それで全て解決する話なんですから」

「でも……私はとても、あなたに問題があるとは思えないわ。どう考えても……」

「お母様、ストップですわ」

私は母の唇に指を添えました。

「私がハル様との婚約を、なんとかして見せますから!どうぞ、ご安心くださいませ!!!」

私はこう言いました。

「ごめんなさい」

何度も何度もそう繰り返す母の肩を優しく撫でました。
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