わがままな伯爵様に溺愛された件

その2

ランカスター伯爵……あのランカスター伯爵なのですか？本当に？

「どうしたんだい？ああっ、ひょっとして信じられないのかな？よし、それじゃあ、庭に来てくれ……と言っても、鎖を外さないと動けないか。ちょっと待っててね……」

鎖ですって？そう言われてみると、確かに、両手両足が動かしづらく感じます。でも……何もありませんけど？

「透明な鎖だから、見えないんだ」

ああ、なるほど……って、納得している場合ではありません！どうして、私の身体に鎖を巻いているんですか！？

「どうかしたかい？ああっ、ひょっとして、どうして自分に鎖が巻かれているのか、気になったのかね？」

ランカスター伯爵はクスクスと笑っていました。私はゾッとしました。世界一美しいと言われている、あの微笑みが、今は恐怖でしかありませんでした。

「それはね……君を食べるためさ……」

食べる……それは物理的に？それとも…………？

やだ、私ったら、一体何を考えているのでしょう？

「どうかしたかい？顔を真っ赤に染めちゃって……。熱でもあるのかな？」

ランカスター伯爵は、無意識に近づいてきました！ええっ？これから、どうなってしまうのでしょうか？