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その4

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「これから乗馬の姿をご覧にいれよう」

ランカスター伯爵は、そう言って、馬を持って来させました。

私の想像通り、世界一と美しい乗り方でした。

「これでわかってくれたかな?」

「ええ、よくわかりました。ところで、どうして私がここにいるんですか?」

連れて来られた理由が、全くわかりませんでした。

「そんなの決まっているじゃないか?私が君に恋をしたからさ」

恋…………そんなバカな!

だって、そこらへんの令嬢となんら変わらない、普通か、それ以下の令嬢なんですよ。私は。それなのに、貴族社会でも指折りの名門と言われた、あのランカスター伯爵が、私に恋をしたですって?

にわかには信じられませんでした。
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