リバイバル・娼婦！～婚約破棄のその後～

その4

「でしゃばるな……私はマリア様から、こう言われたのです……」

カレン様はこの様に証言しました。もちろん、私はそのようなことを言った覚えはありません。というよりも、私はカレン様と話をしたこと自体、ほとんどないのです。まあ、簡単な挨拶くらいはかわすことはありましたが、何か細かい話をすると言ったことは、なかったのです。

「でしゃばるな……マリアは確かにそう言ったのだな？？？？？？？」

妹様に大変お優しいクロイツ様は、カレン様の話を全て真に受けているわけでございました。まあ、私は仮に、カレン様が仲良さげにクロイツ様の元にやって来たとしても、それで嫉妬をする、なんてことは考えてもいませんでした。私にも弟がおりますが、家族として、弟のことは大切に思っておりますし、弟もまた、私に懐いているわけでございまして、家族愛の範囲内で話をすることは、そもそも嫉妬などの対象にはならないのが普通でしょう。

「はい、私とお兄様がすごく仲良さそうに見えたのでしょう。ですから……マリア様はそれが気に食わなかったのかもしれません……」

カレン様は説明を続けました。だから、何度も言うようですが、私はそんなことで一々腹を立てたり嫉妬したりする女ではないのです……。